アスター(蝦夷菊)

    プロフィール

  キク科エゾギク属の一年草で、学名は Callistephus chinensis。
  中国東北部からシベリアが原産です。わが国へは江戸時代の中頃に渡来しました。冷涼な気候を好み、極端に連作を嫌います。高さは30〜80センチになり、7月から8月ごろ、赤色やピンク色、紫色、白色などの花を咲かせます。八重咲きや一重咲きの品種があります。別名で「えぞぎく(蝦夷菊)」とも呼ばれます。
  系統・品種と用途

  「アスター」は、その多彩な花色と花形が特徴です。花壇向きの高性種や鉢植え向きの矮性種があります。また、わが国で改良された「ほうき立ち系(茎の上部で分枝)」や欧米で改良された「枝打ち系(株元で分枝)」に分けられることもあります。
  栽培のポイント

  「アスター」を栽培するにあたっての基本条件および栽培のポイントはつぎのとおりです。なお作型は、品種によって異なる場合がありますので、タネ袋に記載されている内容をよく確認してください。

気候区分

作業

1

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3

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5

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10

11

12

温暖地

種まき

植えつけ

花期

気候区分

まきどき (春|秋)

収穫時期 (春|秋)
寒 地 04/下〜05/下   08/上〜09/下  
寒冷地 04/中〜05/下   08/上〜09/下  
温暖地 04/上〜05/下 09/中〜10/上 07/下〜09/下 06/上〜07/下
暖 地 03/中〜05/中 09/下〜10/中 07/下〜09/下 06/上〜07/下

ご注意

  発芽温度は10〜30℃、生育温度は10〜30℃なので、これを外れるときは、加温または遮熱をしてください。

 


152025

発芽適温

15-20

生育適温

25-25

栽培のポイント

  日当たりの良い場所で、十分に日光をあてて栽培してください。

 

pH

5.06.07.0

土壌酸度

6.0-7.0

栽培のポイント

  水はけのよい、中性の土壌を好みます。酸性土壌では石灰を施し、よく耕してから栽培にとりかかってください。

 


0

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5

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10

栽培間隔

5-(10)


栽培のポイント

  連作を非常に嫌います。いちど栽培したところでは、最低5年、できれば8〜10年は栽培しないでください。
  栽培のステップ

  「アスター」を栽培するとき、種まきから開花期までの作業ステップは、およそつぎのようになります。ここでは、小さなホームガーデンを想定した一般的な方法を説明しています。

 

ステップ

内容

種まき・育苗

(1) 連結ポットや3号ポットにタネまき用土を入れ、タネを3〜5粒ずつまきます。覆土はごく薄く掛けます。








(2) 発芽したら間引きをして、本葉が3〜4枚のころに一本立ちにして育苗します。

植えつけ

(1) 本葉が5〜6枚くらいになったら、日当たりと水はけのよい場所に、株間15〜20センチで植えつけます。鉢植えでは、6号鉢に1株が目安です。




(2) 庭植えの場合は、植付けの2週間以上前に、1平方メートルあたり苦土石灰150gを施しておきます。さらに完熟堆肥3kgと有機配合肥料50gなどをすき込んでおきます。鉢植えの場合は、赤玉土小粒7に腐葉土3の割合で混ぜたものを用土とします。

生育管理

(1) 生育をみながら1か月に1回くらい有機固形肥料を施すか、1週間に1回液肥を与えます。








(2) 乾燥気味を好みますが、つぼみがつくまでは土の表面が乾いてきたら、たっぷりと水を与えます。あとはやや乾燥気味に管理します。

(3) 花がらはこまめに摘み取るようにしてください。

(4) 蒸れて下葉が枯れてきたら、取り除きます。また葉が混みすぎているときは、葉を取り除き、風通しをよくします。
  おもな病害虫

  「アスター」には、よくアブラムシやウリハムシ(ウリバエ)がつきます。また、立ち枯れ病に罹ることもあります。

病害虫名

症状
対策

アブラムシ類

  体長2〜4ミリの小さな虫が、新芽や茎に群がって汁を吸います。

  パイベニカ乳剤やオレート液剤などの殺虫剤を散布します。小面積の散布には、スプレータイプが手軽です。

ウリハムシ

  成虫が花や葉を食害します。

  スミチオンやマラソンなどの殺虫剤をこまめに散布します。

立ち枯れ病

  根や地際部が病原菌に侵されて、生育が悪くなり、やがて立ち枯れます。

  薬剤による防除ができないので、発生した株は抜き取って焼却処分にします。
  「アスター」のQ&A

  Q1:「アスター」の草丈が伸びません。
  A1:「アスター」の草丈が伸びないのは、小苗のときの肥料不足や、定植遅れ、それに定植後の乾燥などが考えられます。そのままにすると、草丈が伸びないで花が咲くことになります。栽培するときは、元肥を十分に施し、適期に定植して追肥を忘れず、つぼみがつくまでは乾燥させないように潅水することが大切です。

  Q2:「アスター」の葉が枯れてきました。
  A2:「アスター」の下葉が枯れるのは、葉が老化したか泥はねが原因だと考えられます。このときは、敷きわらなどで泥はねを防止します。全体に生育が悪くなり、やがて株が枯れてしまうのは「立ち枯れ病」や「萎凋病」のおそれがあります。薬剤による防除ができないので、発生した株は抜き取って焼却処分にします。

  Q3:「アスター」はどのような場所に定植すれば。
  A3:「アスター」を定植する場所は、連作をさけて日当たり、水かけのよいところ選ぶことが大切です。また酸性土壌を嫌うため、定植の2週間以上前に、苦土石灰などをまいて酸度矯正を行っておきます。
※アスターは、連作を極端に嫌います。いちど栽培したところでは、最低5年、できれば8〜10年は栽培しないでください。

  画像提供:ボタニックガーデン  イラスト: 「ころぽっくる」 by lemさん
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