デロスペルマ(耐寒性松葉菊)

    プロフィール

  ツルナ科デロスペルマ属の常緑多年草で、学名は Delosperma floribunda。
  南アフリカが原産です。常緑で耐寒性があります。茎は地面を這い、高さは10〜15センチになります。葉は円筒形の多肉質、濃い緑色で対生します。5月の中頃から霜が降りるまで、明るいピンク色で真ん中が白色の花を咲かせます。花は日差しのあるときだけ開き、「ちょう(蝶)」の好きなものです。
  系統・品種と用途

  暑さや乾燥にタフな多年草です。また耐寒性も強く、葉は傷みますが枯れることはありません。別名で「たいかんせいまつばぎく(耐寒性松葉菊)」と呼ばれます。
  栽培のポイント

  「デロスペルマ」を栽培するにあたっての基本条件および栽培のポイントはつぎのとおりです。なお作型は、品種によって異なる場合がありますので、タネ袋に記載されている内容をよく確認してください。

気候区分

作業

1

2

3

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5

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9

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11

12

温暖地

種まき

植えつけ

花期

(S)
(F)


気候区分

まきどき (春|秋)

開花時期 (春|秋)
寒 地 04/上〜05/下   07/上〜08/下  
寒冷地 03/下〜05/下   06/下〜08/上  
温暖地 03/中〜05/中 09/上〜10/下 06/中〜07/下 04/上〜06/中
暖 地 03/上〜05/上 09/下〜11/上 06/上〜07/上 03/中〜05/下

ご注意

  発芽温度は15〜25℃、生育温度は10〜30℃なので、これを外れるときは、加温または遮熱をしてください。

 


152025

発芽適温

18-21

生育適温

15-25

栽培のポイント

  暑さや乾燥に強い草花なので、夏花壇には最適です。

 

pH

5.06.07.0

土壌酸度

6.0-7.5

栽培のポイント

  水はけのよい、中性に近い弱酸性から中性を好みます。酸性土壌では石灰を施し、よく耕してから栽培にとりかかってください。

 


0

1

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3

4

5

6

7

8

9

10

栽培間隔

1-(2)


栽培のポイント

  いちど栽培したところでは、少なくとも1年は栽培しないようにしてください。
  栽培のステップ

  「デロスペルマ」を栽培するとき、種まきから開花期までの作業ステップは、およそつぎのようになります。ここでは、小さなホームガーデンを想定した一般的な方法を説明しています。

 

ステップ

内容

種まき・育苗

(1) 連結ポットや3号ポットにタネまき用土を入れ、3〜5粒ずつまきます。タネが細かいので、覆土はせずに軽く押さえ、水やりも静かに行います。














(2) 発芽したら間引きをして、本葉が4〜5枚のころに一本立ちにします。

植えつけ

(1) 庭植えの場合は、1平方メートルあたり完熟堆肥5kg、苦土石灰100g、有機配合肥料50gをすき込みます。




(2) 鉢植えの場合は、赤玉土小粒7に腐葉土3の割合で混ぜたものに緩効性肥料を加えて用土とします。

(3) 本葉が8枚くらいになったころ、日当たりと水はけのよい場所に、株間20〜25センチで植えつけるか、5号鉢に1株を目安に植えつけます。




(4) 肥料は、ほとんど必要ありません。2週間に1回、液肥を与えるか、有機固形肥料を少量施すだけで十分です。多肥にすると徒長しやすく、花つきも悪くなります。

生育管理

(1) 日陰に植えると、株の成長が極端に悪く、花も咲かないので、できるだけ日当たりのよい場所で育ててください。












(2) 土が乾いてきたら水やりをしますが、乾燥気味のほうがよく育ちます。また、密植すると株もとが腐ることがありますので、風通しに注意してください。

(3) 数回ほど摘芯しておくと、よく分枝します。摘み取った枝は、容易に挿し木できます。

(4) 株を弱らせないように、花がらはこまめに摘むようにします。
  おもな病害虫

  「デロスペルマ」にはほとんど病害虫はありまません。密植や多湿になると「べと病」が発生します。

病害虫名

症状
対策

べと病

  葉の表面に、褐色の汚れたような不規則な斑紋ができ、しだいに広がります。

  ダコニール1000やサンボルドーなどの殺菌剤を散布します。また病変のある茎葉は集めて焼却します。
  画像提供:ボタニックガーデン  イラスト: 「ころぽっくる」 by lemさん
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