ふうりんそう(風鈴草)

Canterbury bells     プロフィール

  キキョウ科ホタルブクロ属の二年草で、学名は Campanula medium。
  ヨーロッパの南部が原産です。石灰岩地の土手などに生え、高さは60〜120センチになります。葉はへら形で互生し、茎の下部にまとまってつきます。4月から6月ごろ、総状花序にベル形の紫色の花を咲かせます。園芸品種も多く、藤色や青色、ピンク色などの花色があります。
  系統・品種と用途

  「ふうりんそう」は、その花の形が風鈴や釣鐘に似ていることから名づけられました。もともとは二年草で、冬を迎えるまでにある程度の大きさに生育し、ロゼットで冬越しします。そして春の暖かさと長日で抽苔(とうだち)して花を咲かせます。
  栽培のポイント

  「ふうりんそう」を栽培するにあたっての基本条件および栽培のポイントはつぎのとおりです。なお作型は、品種によって異なる場合がありますので、タネ袋に記載されている内容をよく確認してください。

気候区分

作業

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

温暖地

種まき

植えつけ

花期

気候区分

まきどき (春|秋)

開花時期 (春|秋)
寒 地 05/上〜07/中   06/上〜07/中  
寒冷地 04/下〜07/上   05/下〜07/上  
温暖地 04/中〜06/下   05/中〜06/下  
暖 地 04/上〜06/中   05/上〜06/中  

ご注意

  発芽温度は10〜25℃、生育温度は5〜25℃なので、これを外れるときは、加温または遮熱をしてください。

 


152025

発芽適温

15-20

生育適温

13-20

栽培のポイント

  寒さには強いですが、暑さや多湿には弱いので、涼しくて風通しの良いところで夏越しさせるのがポイントです。

 

pH

5.06.07.0

土壌酸度

6.5-7.5

栽培のポイント

  水はけのよい、中性の土壌を好みます。酸性土壌では石灰を施し、よく耕してから栽培にとりかかってください。

 


0

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

栽培間隔

1-(2)


栽培のポイント

  連作すると白絹病や菌かく病などが発生するので、少なくとも1年は栽培しないようにします。
  栽培のステップ

  「ふうりんそう」を栽培するとき、種まきから開花期までの作業ステップは、およそつぎのようになります。ここでは、小さなホームガーデンを想定した一般的な方法を説明しています。

 

ステップ

内容

種まき・育苗

(1) 連結ポットや育苗箱にタネまき用土を入れ、タネを薄くばらまきします。覆土はごく薄く掛けておきます。

Canterbury bells

Canterbury bells

Canterbury bells

Canterbury bells

Canterbury bells


(2) 7日くらいで発芽しますので、それまでは乾かないようにします。

(3) 発芽したら混み合ったところを間引き、本葉が2〜3枚のころ、3号ポットに1株ずつ移植します。

植えつけ
夏越し

(3) 庭植えの場合は、1平方メートルあたり完熟堆肥5kgと苦土石灰100〜150g、有機配合肥料50gなどをすき込みます。

Canterbury bells


(2) 鉢植えの場合は、赤玉土小粒6に腐葉土4の割合で混ぜたものに緩効性肥料を加えて用土とします。

(4) 肥料切れに注意し、2週間に1回ほどの割合で液肥を施します。

(5) 高温多湿に弱いので、夏は明るい日陰で育てます。できるだけ涼しく、風通しをよくしてください。
  株が大きくなりますので、25〜30センチ間隔に定植するか、4〜5号ポットに入れ替れ、遮光して夏越しします。
  枯れた葉も、風通しをよくするためにとります。
  ポットで夏越ししたときは、9月中旬から10月上旬ごろ、25〜30センチ間隔に定植します。

Canterbury bells

Canterbury bells

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生育管理

(1) 寒さには強いですが、霜よけをしたほうが株が痛みません。

Canterbury bells

Canterbury bells

Canterbury bells


(2) 新芽が伸びだす前の3月に、追肥として有機固形肥料や、化成肥料を少量施します。

(3) 春に新芽が伸びてきますが、1株で1〜2本しかないときは、5〜6節残して摘芯します。

(4) 花茎が伸びたら、風による倒伏を防ぐために支柱をたて誘引します。
  おもな病害虫

  「ふうりんそう」にはあまり病虫害はありませんが、「ヨトウムシ」がつくことがあります。

病害虫名

症状
対策

ヨトウムシ類

  昼間は株もとなどに潜み、夜に葉を食害します。

  探し出して駆除します。多発する場合には、オルトラン粒剤やオルトラン水和剤などを散布します。
  「ふうりんそう」のQ&A

  Q1:「ふうりんそう」がまだ咲きません。
  A1:「ふうりんそう」は二年草で、春にタネをまいても、その年には花が咲きません。冬を迎えるまでにある程度の大きさに生育し、ロゼットで冬越しします。低温にあうことで花芽分化が促進され、そして春の暖かさと長日で抽苔(とうだち)して花を咲かせます。また秋まきすると、品種によっては、開花が翌々年になることもあります。

  Q2:「ふうりんそう」の冬越し、積雪地ではどうすれば。
  A2:「ふうりんそう」は冬、葉が地際に少し残ります。積雪地では、株が雪でつぶれないように保護して、越冬させます。

  Q3:「ふうりんそう」の夏越しはできますか。
  A3:「ふうりんそう」は、涼しい気候を好み、高温多湿を苦手としています。そのため、一般的には一年草として扱われます。梅雨から夏の高温多湿で、花後に枯れてしまうことが多いですが、できるだけ涼しいところで、長雨にはあてないようにすると夏越しすることがあります。
  写真提供: 「ボタニックガーデン」  イラスト: 「ころぽっくる」 by lemさん
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