ゼラニウム

    プロフィール

  フウロソウ科テンジクアオイ属の多年草で、学名は Pelargonium x hortorum。
  アフリカ原産のペラルゴニウム属を改良して作出された園芸品種の総称です。丈夫で作りやすく、赤色やピンク、サーモンピンク、白色それに複色などと花色も豊富です。葉には紋様のあるものが多く、斑入り種もあります。耐寒性はそれほどありませんが、気温が15〜20℃あればつぎつぎと花を咲かせます。
  系統・品種と用途

  ゾナーレタイプのなかでも最もポピュラーなホルトルム系の「ゼラニウム」です。花には一重咲きや八重咲きなどがあり、豊富な花色の花を、花茎の先端にボール状にまとめて咲かせます。コンテナやプランターに植えて、長いあいだ彩りを楽しめます。
  栽培のポイント

  「ゼラニウム」を栽培するにあたっての基本条件および栽培のポイントはつぎのとおりです。なお作型は、品種によって異なる場合がありますので、タネ袋に記載されている内容をよく確認してください。

気候区分

作業

1

2

3

4

5

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9

10

11

12

温暖地

種まき

植えつけ

花期

(S)

(F)


気候区分

まきどき (春|秋)

収穫時期 (春|秋)
寒 地 05/上〜06/中 08/中〜09/中 08/上〜10/中 05/上〜10/中
寒冷地 04/下〜06/上 08/下〜09/下 07/下〜10/下 04/下〜10/下
温暖地 04/中〜05/下 09/上〜10/上 07/中〜11/上 04/中〜11/上
暖 地 04/上〜05/下 09/中〜10/中 07/上〜11/上 04/上〜11/上

ご注意

  発芽温度は15〜25℃、生育温度は10〜30℃なので、これを外れるときは、加温または遮熱をしてください。

 


152025

発芽適温

20-25

生育適温

15-25

栽培のポイント

  日当たりの良い場所を好みます。ある程度、耐暑性はありますが、真夏には日陰に移動させた方が確実です。また過湿に弱いので、乾き気味に管理します。

 

pH

5.06.07.0

土壌酸度

6.0-6.5

栽培のポイント

  水はけがよく、中性に近い弱酸性の土壌を好みます。酸性土壌では石灰を施し、よく耕してから栽培にとりかかってください。

 


0

1

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6

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9

10

栽培間隔

0


栽培のポイント

  多年草なので2〜3年はそのまま植えられますが、それ以上は土替えをしたほうがよく育ちます。
  栽培のステップ

  「ゼラニウム」を栽培するとき、種まきから開花期までの作業ステップは、およそつぎのようになります。ここでは、小さなホームガーデンを想定した一般的な方法を説明しています。

 

ステップ

内容

種まき・育苗

(1) 連結ポットや3号ポットにタネまき用土を入れ、タネを1〜2粒ずつ蒔きます。覆土は5ミリくらい掛け、乾かないように新聞紙などで被います。


















(2) 発芽したら間引き、本葉が2〜3枚のころに1本立ちにします。連結ポットのときは、本葉が2〜3枚のころ、3号ポットに鉢上げして育苗します。

植えつけ

(1) 本葉が4〜5枚くらいになったころ、日当たりと水はけのよい場所に、20〜30センチの間隔で植えつけます。鉢植えでは、6〜7号鉢に1株が目安です。




(2) 庭植えの場合は、1平方メートルあたり完熟堆肥5kgと腐葉土5kg、苦土石灰100g、有機配合肥料50gなどをすき込み、鉢植えの場合は、赤玉土小粒7に腐葉土3の割合で混ぜたものに緩効性肥料を加えて用土とします。

生育管理

(1) 真夏をのぞいた生育期に、有機固形肥料または液肥を追加として施します。










(2) 土が乾いてきたら、たっぷりと水やりをしますが、乾き気味に管理します。過湿に弱いので、注意が必要です。

(3) 高温に耐えますが、夏はできるだけ、直射日光が当たらない場所に移動させます。

(4) 伸びすぎたり、分枝の悪いときには切り戻します。鉢植えでは、秋に植え替えします。

(5) 寒さには比較的強いですが、霜除けは必要です。
  おもな病害虫

  「ゼラニウム」には、灰色かび病がよく発生します。

病害虫名

症状
対策

灰色かび病

  低温多湿時に発生します。花やつぼみ、茎葉などに灰色のかびが生えます。

  繁殖力が強いので、早めに発生した部位を取り除き、焼却します。そのあとベンレート水和剤やトップジンMゾル、ダコニール1000などを散布します。
  写真提供: 「ボタニックガーデン」  イラスト: 「ころぽっくる」 by lemさん
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