はぼたん(葉牡丹)
|
|
|
プロフィール
アブラナ科アブラナ属の二年草で、学名は Brassica oleracea var. acephala。
ヨーロッパが原産の「ケール(Kale)」と呼ばれる非結球キャベツが祖先で、わが国へは江戸時代に渡来し、さまざまに改良されてきました。主な系統としては、丸い葉の丸葉系、ちりめん状の葉の縮緬系、中間型の半丸葉系、切れ込みの深い葉の珊瑚葉系などがあります。春には花茎がでて、黄色い花を咲かせます。
|
|
|
系統・品種と用途
「はぼたん」は耐寒性がありますが、縮緬系はやや耐寒性に欠け、凍害がでやすいので注意が必要です。二年草扱いされることが多いですが、本来は短命な多年草なので、夏越しすることもできます。
|
|
|
栽培のポイント
「はぼたん」を栽培するにあたっての基本条件および栽培のポイントはつぎのとおりです。なお作型は、品種によって異なる場合がありますので、タネ袋に記載されている内容をよく確認してください。
|
|
|
気候区分
|
作業
|
1
|
2
|
3
|
4
|
5
|
6
|
7
|
8
|
9
|
10
|
11
|
12
|
温暖地 |
種まき |
|
植えつけ |
|
鑑賞期 |
|
|
|
気候区分
|
まきどき (春|秋)
|
開花時期 (春|秋)
|
寒 地 |
|
06/中〜07/上 |
|
10/上〜11/下 |
寒冷地 |
|
07/上〜07/下 |
|
10/中〜12/下 |
温暖地 |
|
07/中〜08/上 |
|
10/下〜03/下 |
暖 地 |
|
08/上〜08/下 |
|
11/中〜02/下 |
ご注意
|
発芽温度は15〜30℃、生育温度は5〜30℃なので、これを外れるときは、加温または遮熱をしてください。
|
|
|
|
℃
|
152025
|
発芽適温
|
20-25
|
|
生育適温
|
15-25
|
|
栽培のポイント
|
耐暑性、耐寒性ともにありますが、系統によっては凍害に弱いものもあります。寒冷地では室内に入れた方が無難です。
|
|
|
|
pH
|
5.06.07.0
|
土壌酸度
|
6.0-6.5
|
|
栽培のポイント
|
水はけのよい、中性に近い弱酸性を好みます。強い酸性土壌では石灰を施し、よく耕してから栽培にとりかかってください。
|
|
|
|
年
|
0 |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
栽培間隔
|
1-(2)
|
|
栽培のポイント
|
アブラナ科の植物なので、いちど栽培したところでは、少なくとも1年は栽培しないようにしてください。
|
|
|
栽培のステップ
「はぼたん」を栽培するとき、種まきから開花期までの作業ステップは、およそつぎのようになります。ここでは、小さなホームガーデンを想定した一般的な方法を説明しています。
|
|
|
|
ステップ
|
内容
|
種まき・育苗
|
(1) 連結ポットや3号ポットにタネまき用土を入れ、タネを4〜5粒ずつまきます。5ミリほどの覆土を掛けます。
|
|
(2) 育つにつれて間引きし、本葉が2〜3枚くらいのころに1本立ちにします。連結ポットのときは、本葉が2〜3枚になったころ、3号ポットに鉢上げします。
|
(3) 本葉が5〜6枚くらいになったら3.5〜4号ポットに植えかえ、11月ごろまで育苗します。
|
植えつけ
|
(1) 庭植えの場合は、1平方メートルあたり完熟堆肥5kgと苦土石灰100g、有機配合肥料30gなどをすき込みます。
|
|
(2) 鉢植えの場合は、赤玉土小粒7に腐葉土3の割合で混ぜたものに緩効性肥料を加えて用土とします。
|
(3) 11月ごろになって、葉が色づいてきたころに定植します。日当たりと水はけのよい場所に、株間25〜30センチで植えつけるか、6号鉢に1株を目安に植えつけます。
|
|
生育管理
|
(1) 全体に乾かし気味に管理し、土の表面が乾いてから水やりするようにします。
|
|
(2) 定植したあとは、葉の発色が遅れるので追肥しないようにします。
|
(3) アブラムシやコナガなどの害虫がよくつきますので、防除を怠らないようにします。ただし、アブラナ科の植物なので、スミチオン系の殺虫剤を散布すると薬害がでます。
|
(4) 強い北風にあてると葉が傷むので、風よけするか、軒下などで管理するようにします。 また、発色後は−3℃以下では凍害を受けますので、霜除けが必要です。
|
(5) 病気の原因となりますので、枯れた下葉はこまめに摘み取ってください。
|
|
|
おもな病害虫
「はぼたん」に発生するおもな病虫害は、つぎのようなものです。
|
|
|
病害虫名
|
症状
|
対策
|
アオムシ
|
「モンシロチョウ」などの幼虫で、葉を食害します。
|
こまめに手で駆除するか、大量に発生した場合はパイベニカやパイベニカスプレーなどの殺虫剤を散布します。
|
コナガ
|
幼虫が、葉の裏について食害します。葉の表面が透けたように見えます。
|
こまめに手で駆除するか、大量に発生した場合はパイベニカなどの殺虫剤を散布します。
|
アブラムシ類
|
体長2〜4ミリの小さな虫が、新芽や茎に群がって汁を吸います。
|
パイベニカ乳剤やオレート液剤などの殺虫剤を散布します。小面積の散布には、スプレータイプが手軽です。
|
ヨトウムシ類
|
昼間は株もとなどに潜み、夜に葉を食害します。
|
探し出して駆除します。多発する場合には、オルトラン粒剤やオルトラン水和剤などを散布します。
|
立ち枯れ病
|
糸状菌によって起こり、立ち枯れます。連作を避けることで、ある程度予防ができます。
|
発生した株は抜き取って焼却し、ダコニール1000などの殺菌剤を散布します。
|
|
|
「はぼたん」のQ&A
Q1:「はぼたん」の徒長を抑えるには。
A1:「はぼたん」の徒長を抑えるには、移植の回数を多く行なうことで、茎の伸びを防ぎます。 連結ポットにタネをまき、本葉2〜3枚のときに1回目の移植。本葉が6〜8枚のときに2回目の移植をし、本葉10枚以上で定植をします。また苗はよく日にあて、用土の過湿をさけて徒長を防ぎます。
Q2:「はぼたん」の発色がよくありません。
A2:株の大きくなった「はぼたん」の発色がよくないのは、窒素肥料が効きすぎていたり気温が高かったりして、葉緑素の分解が進まないためです。
Q3:「はぼたん」の葉先が白くなってきました。
A3:「はぼたん」の葉は、強い霜にあうと、葉の周囲が白く枯れこんできます。耐寒性はありますが、強い霜が降りる地域では霜よけが必要です。
|
|
|
写真提供: 「ボタニックガーデン」 イラスト: 「ころぽっくる」 by lemさん
|
[Home]
|
大地の歓びをつたえ、ホームガーデンとともに
|