ききょう(桔梗)
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プロフィール
キキョウ科キキョウ属の多年草で、学名は Platycodon grandiflorum。
わが国の各地をはじめ、朝鮮半島や中国北部に分布しています。日当たりのよい草地に生え、高さは50〜100センチになります。古く万葉の時代には「あさがお」と呼ばれました。お屠蘇の材料や、乾燥した根を桔梗根(ききょうこん)と呼び、たん去りの妙薬として利用されています。
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系統・品種と用途
「ききょう」は、古くから秋の七草として親しまれてきた宿根草です。園芸品種も数多く、一重咲きのほかに二重咲きや八重咲きもあります。また5月から6月に咲き始める早生種や、草丈が15〜30センチの矮性種もあります。
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栽培のポイント
「ききょう」を栽培するにあたっての基本条件および栽培のポイントはつぎのとおりです。なお作型は、品種によって異なる場合がありますので、タネ袋に記載されている内容をよく確認してください。
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気候区分
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作業
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1
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3
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9
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10
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11
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温暖地 |
種まき |
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植えつけ |
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花期 |
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気候区分
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まきどき (春|秋)
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開花時期 (春|秋)
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寒 地 |
05/上〜07/下 |
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07/上〜08/下 |
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寒冷地 |
04/下〜07/上 |
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06/下〜08/下 |
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温暖地 |
04/中〜06/下 |
09/上〜10/上 |
06/中〜09/上 |
06/中〜09/上 |
暖 地 |
04/上〜06/中 |
06/上〜10/中 |
06/上〜09/上 |
06/上〜09/上 |
ご注意
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発芽温度は10〜25℃、生育温度は5〜30℃なので、これを外れるときは、加温または遮熱をしてください。
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℃
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152025
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発芽適温
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15-20
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生育適温
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15-25
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栽培のポイント
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暑さにも寒さにも、とても強いので、ふつうは放任しておいても育ちます。
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pH
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5.06.07.0
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土壌酸度
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5.0-6.0
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栽培のポイント
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水はけのよい、中性に近い弱酸性を好みます。強い酸性土壌では石灰を施し、よく耕してから栽培にとりかかってください。
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年
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0 |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
栽培間隔
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0
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栽培のポイント
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多年草なので、連作しても支障はありません。ただ株が古くなると元気がなくなるので、3年に1回、株分けします。
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栽培のステップ
「ききょう」を栽培するとき、種まきから開花期までの作業ステップは、およそつぎのようになります。ここでは、小さなホームガーデンを想定した一般的な方法を説明しています。
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ステップ
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内容
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種まき・育苗
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(1) ふつうは4月から5月ごろに、育苗箱や連結ポットにばらまきします。タネの表面が硬いので、水に一晩漬けておきます。覆土はタネが隠れる程度です。
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(2) 日なたに置き、土の表面が乾いたら水やりをします。
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(3) 本葉が2〜3枚のころ、3号ポットに1株ずつ移植します。
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植えつけ
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(1) 庭植えの場合は、1平方メートルあたり完熟堆肥5kgと苦土石灰50g、有機配合肥料50gをすき込みます。
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(2) 鉢植えの場合は、赤玉土小粒7に腐葉土3の割合で混ぜたものに緩効性肥料を加えて用土とします。
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(3) 本葉が5〜6枚になったころ、日当たりと水はけのよい場所に、株間10〜15センチで植えつけるか、5号鉢に1株を目安に植えつけます。
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(4) 夏の乾燥には弱いので、水やりを多めにし、株元に敷きわらをします。
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(4) 高性種の場合は、倒れやすいので支柱を立てます。
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生育管理
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(1) 水やりは、土の表面が乾いたら与えてください。
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(2) 花が咲き終わったら、茎を半分くらいに切り戻しておくと、秋にまた花が咲きます。
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(3) 花が終わったころ、株元に有機固形肥料などの置き肥を施します。
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(4) 1年目は花数は少ないですが、2年目以降は株が充実して地際から5〜7本の茎立ちになります。
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(5) 株が古くなると元気がなくなるので、3年に1回、3月または10月に、1〜3芽をつけて株分けしてください。あまり古くなると株が腐ることがあります。
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おもな病害虫
「ききょう」にはあまり病気はありませんが、おもな病害虫は、つぎのようなものです。
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病害虫名
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症状
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対策
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ヨトウムシ類
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昼間は株もとなどに潜み、夜に葉を食害します。
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探し出して駆除します。多発する場合には、オルトラン粒剤やオルトラン水和剤などを散布します。
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「ききょう」のQ&A
Q1:「ききょう」の枝数を多くするには。
A1:「ききょう」を分枝して、枝数を多くするには、春先に摘芯をします。すると草丈が伸びすぎず、枝数も増えて、花も多く咲くようになります。
Q2:「ききょう」は植えたままでいいですか。
A2:「ききょう」は、株が古くなると元気がなくなったり、株が腐ることがあります。3年に1回、3月または10月に1〜3芽をつけて株分けしてください。植えつけは、芽が2cmほど土に隠れる深さにします。
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写真提供: 「ボタニックガーデン」 イラスト: 「ころぽっくる」 by lemさん
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