ラグラス(兎の尾)

Here's-tail grass     プロフィール

  イネ科ラグラス属の一年草または二年草で、学名は Lagurus ovatus。
  地中海沿岸に分布しています。一属一種で、草地に生え、高さは30〜60センチになります。茎は根元から分枝し、やわらかい葉は線形です。4月から5月ごろ、茎頂に扁平な長卵形の花穂をつけます。和名では「うさぎのお(兎の尾)」と呼ばれます。
  系統・品種と用途

  「ラグラス」は、うさぎの尾のような、ふわふわした花穂が特徴です。花壇や鉢植え、ドライフラワーに最適です。なかでも矮性の園芸品種「バニーテール(cv. Bunny Tail)」がよく栽培されます。
  栽培のポイント

  「ラグラス」を栽培するにあたっての基本条件および栽培のポイントはつぎのとおりです。なお作型は、品種によって異なる場合がありますので、タネ袋に記載されている内容をよく確認してください。

気候区分

作業

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12

温暖地

種まき

植えつけ

花期

気候区分

まきどき (春|秋)

開花時期 (春|秋)
寒 地 03/上〜04/下   06/中〜08/上  
寒冷地 02/下〜04/中 09/中〜10/中 06/上〜07/下 04/下〜06/下
温暖地   09/下〜10/下   04/中〜06/中
暖 地   10/上〜11/上   04/上〜06/上

ご注意

  発芽温度は10〜25℃、生育温度は5〜25℃なので、これを外れるときは、加温または遮熱をしてください。

 


152025

発芽適温

10-15

生育適温

10-20

栽培のポイント

  冷涼な気候を好みます。日当たりの良い場所で、十分に日光をあてて栽培してください。

 

pH

5.06.07.0

土壌酸度

6.5-7.5

栽培のポイント

  水はけのよい、ほとんど中性の土壌を好みます。酸性土壌では石灰を施し、よく耕してから栽培にとりかかってください。

 


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栽培間隔

0


栽培のポイント

  ほとんど連作障害はありません。
  栽培のステップ

  「ラグラス」を栽培するとき、種まきから開花期までの作業ステップは、およそつぎのようになります。ここでは、小さなホームガーデンを想定した一般的な方法を説明しています。

 

ステップ

内容

種まき・育苗

(1) 連結ポットや3号ポットにタネまき用土を入れ、ばらまきします。覆土は5〜10ミリほど掛けます。

Hare's-tail grass

Hare's-tail grass


(2) 発芽適温が低いので、涼しいところで発芽させます。

植えつけ

(1) 本葉が2〜3枚くらいになったら、日当たりと水はけのよい場所に、株間15〜20センチで植えつけます。鉢植えでは、5号鉢に1株が目安です。

Hare's-tail grass

Hare's-tail grass


(2) 庭植えの場合は、1平方メートルあたり完熟堆肥5kgと苦土石灰100g、有機配合肥料30gなどをすき込みます。

(3) 鉢植えの場合は、赤玉土小粒6に腐葉土3、堆肥1の割合で混ぜたものに緩効性肥料を加えて用土とします。

生育管理

(1) 追肥はほとんど必要ありません。多肥にしないことが大切です。

Hare's-tail grass

Hare's-tail grass

Hare's-tail grass


(2) 土の表面が乾いてきたら、たっぷりと水を与えます。

(3) 寒さには強いですが、寒地では霜よけして冬越ししてください。

(4) ドライフラワーにするときは、花穂が開ききらないうちに摘み取り、数日間陰干しします。
  おもな病害虫

  「ラグラス」にはほとんど病虫害がありませんが、暖かくなるとアブラムシがつきます。

病害虫名

症状
対策

アブラムシ類

  体長2〜4ミリの小さな虫が、新芽や茎に群がって汁を吸います。

  パイベニカ乳剤やオレート液剤などの殺虫剤を散布します。小面積の散布には、スプレータイプが手軽です。他の害虫も多いので、オルトラン粒剤を散布して、予防することも効果的です。
  写真提供: 「ボタニックガーデン」  イラスト: 「ころぽっくる」 by lemさん
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