にちにちそう(日日草)

Vinca     プロフィール

  キョウチクトウ科ニチニチソウ属の多年草で、学名は Catharanthus roseus。
  インド洋のマダガスカル島やモーリシャス島が原産です。高温や強い日差し、乾燥などに強く、高さは60センチほどになります。最近では矮性の改良品種が出回っています。葉は楕円形で光沢があります。5月から10月ごろまで、ピンク色や白色、赤紫色の花を咲かせます。
  系統・品種と用途

  「にちにちそう」は、13℃以下では冬越しできないので、わが国では、春まきの一年草として扱われています。本来は多年草なので、室内で冬越しすると、茎が木質化してきて大きくなります。
  栽培のポイント

  「にちにちそう」を栽培するにあたっての基本条件および栽培のポイントはつぎのとおりです。なお作型は、品種によって異なる場合がありますので、タネ袋に記載されている内容をよく確認してください。

気候区分

作業

1

2

3

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5

6

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11

12

温暖地

種まき

植えつけ

花期

気候区分

まきどき (春|秋)

収穫時期 (春|秋)
寒 地 05/上〜06/中   07/下〜09/中  
寒冷地 04/下〜06/中   07/中〜09/下  
温暖地 04/中〜06/上   07/中〜10/中  
暖 地 04/上〜05/下   06/下〜10/下  

ご注意

  発芽温度は15〜30℃、生育温度は15〜35℃なので、これを外れるときは、加温または遮熱をしてください。

 


152025

発芽適温

20-25

生育適温

20-30

栽培のポイント

  暑さや乾燥に強い草花なので、夏花壇には最適です。

 

pH

5.06.07.0

土壌酸度

5.5-6.0

栽培のポイント

  水はけのよい、中性に近い弱酸性を好みます。強い酸性土壌では石灰を施し、よく耕してから栽培にとりかかってください。

 


0

1

2

3

4

5

6

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9

10

栽培間隔

3-(4)


栽培のポイント

  連作障害が出ますので、いちど栽培したところでは、少なくとも3年は栽培しないようにしてください。
  栽培のステップ

  「にちにちそう」を栽培するとき、種まきから開花期までの作業ステップは、およそつぎのようになります。ここでは、小さなホームガーデンを想定した一般的な方法を説明しています。

 

ステップ

内容

種まき・育苗

(1) 暖かくなってから、3号ポットにタネまき用土を入れ、3〜4粒ずつまきます。嫌光性なので、5ミリくらいの覆土をして軽く押さえます。

Vinca

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(2) 徐々に間引いて、1本立ちにします。

植えつけ

(1) 庭植えの場合は、1平方メートルあたり完熟堆肥4kgと苦土石灰100g、有機配合肥料50gをすき込みます。

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(2) 鉢植えの場合は、赤玉土小粒7に腐葉土3の割合で混ぜたものに緩効性肥料を加えて用土とします。

(3) 播種から1か月くらいがたったころ、日当たりと水はけのよい場所に、株間20〜30センチで植えつけるか、4号鉢に1株を目安に植えつけます。

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(4) 直根性なので、ポットの土は崩さないように注意してください。

生育管理

(1) 水やりは、土の表面が乾いたら与えてください。できるだけ乾き気味にします。過湿になると、根腐れを起こしやすいので注意が必要です。

Vinca

Vinca

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(2) 生育期と花期は、2週間に1回液肥を追肥として施すか、有機固形肥料の置き肥をします。多肥にすると、花つきが悪くなります。

(3) 花がらが葉にこびりつきますので、こまめに摘み取ってください。また、伸びすぎた時は適当に刈り込みます。
  おもな病害虫

  「にちにちそう」のおもな病害虫は、つぎのようなものです。

病害虫名

症状
対策

アブラムシ類

  体長2〜4ミリの小さな虫が、新芽や茎に群がって汁を吸います。

  パイベニカ乳剤やオレート液剤などの殺虫剤を散布します。小面積の散布には、スプレータイプが手軽です。

ハダニ類

  葉の裏に寄生して汁を吸います。被害が進むと白っぽく絣(かすり)状になります。

  テルスタースプレーやパイベニカスプレー、園芸用でんぷんスプレーなどの殺虫剤を散布します。

うどんこ病

  若い葉や茎の表面に、うどん粉をまぶしたような白いカビが一面に生えます。

  トップジンMスプレーやサプロール乳剤、カリグリーン、ミラネシン水溶剤などを散布します。
  「にちにちそう」のQ&A

  Q1:「にちにちそう」の花があまり咲きません。
  A1:「にちにちそう」は、夏の高温や多湿に強く、直射日光を好みます。そのため日当たりが悪く、日照不足になると花つきが悪くなります。「にちにちそう」の栽培では、十分に日に当てることがポイントです。

  Q2:「にちにちそう」の摘芯、必要ありますか。
  A2:「にちにちそう」は、本葉6〜8枚の若苗のとき、摘芯をしてやるとわき枝がよく出て、姿よく咲かせることができます。

  Q3:「にちにちそう」の葉が巻いて元気ありません。
  A3:「にちにちそう」の苗が、梅雨ごろから部分的に葉が巻いて元気がないのは、過湿による株元の傷みと思われます。水はけのよい土壌環境にしないと、そのような症状が発生します。水はけの悪い花壇では、高うねにして、苗もやや浅植えにします
  写真提供: 「ボタニックガーデン」  イラスト: 「ころぽっくる」 by lemさん
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