おしろいばな (白粉花)

    プロフィール

  オシロイバナ科オシロイバナ属の多年草で、学名は Mirabilis jalapa。
  メキシコが原産です。わが国へは江戸時代に渡来しました。高さは1メートルほどになり、よく分枝して心卵形の葉が対生します。7月から10月ごろ、真っ赤なトランペット形の花を咲かせます。夕方から咲きだして翌朝の9時ごろには花を閉じるので、「ゆうげしょう(夕化粧)」とも呼ばれます。
  系統・品種と用途

  「おしろいばな」には花弁ががなく、色づいて花のように見える部分は萼です。花の大きさは直径3センチほどで、赤色やピンク色、黄色、白色などがあり、混ざった絞りや染め分けのものもあります。
  栽培のポイント

  「おしろいばな」を栽培するにあたっての基本条件および栽培のポイントはつぎのとおりです。なお作型は、品種によって異なる場合がありますので、タネ袋に記載されている内容をよく確認してください。

気候区分

作業

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

温暖地

種まき

植えつけ

花期

気候区分

まきどき (春|秋)

収穫時期 (春|秋)
寒 地 05/上〜06/下   08/中〜09/下  
寒冷地 04/下〜06/下   08/上〜10/上  
温暖地 04/上〜06/下   07/下〜10/中  
暖 地 03/上〜06/下   07/上〜10/下  

ご注意

  発芽温度は15〜30℃、生育温度は5〜35℃なので、これを外れるときは、加温または遮熱をしてください。

 


152025

発芽適温

20-25

生育適温

20-30

栽培のポイント

  日当たりが良く、風通しのよい場所を好みます。耐暑性は強く、耐寒性はやや弱い性質です。凍結の心配がなければ根の状態で冬を越します。

 

pH

5.06.07.0

土壌酸度

6.0-7.0

栽培のポイント

  水はけのよい、ほとんど中性の土壌を好みます。酸性土壌では石灰を施し、よく耕してから栽培にとりかかってください。

 


0

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

栽培間隔

1-(2)


栽培のポイント

  多年草ですが、いちど栽培したところでは、少なくとも1年は栽培しないようにしてください。
  栽培のステップ

  「おしろいばな」を栽培するとき、種まきから開花期までの作業ステップは、およそつぎのようになります。ここでは、小さなホームガーデンを想定した一般的な方法を説明しています。

 

ステップ

内容

種まき・育苗

(1) 連結ポットや3号ポットにタネまき用土を入れ、タネを2〜3粒ずつ蒔きます。覆土は5ミリくらい掛け、乾かないように新聞紙などで被います。












(2) 発芽したら間引き、本葉が2〜3枚のころに1本立ちにします。

植えつけ

(1) 本葉が2〜3枚くらいになったころ、日当たりと水はけのよい場所に、30〜45センチの間隔で植えつけます。鉢植えでは、6〜8号鉢に1株が目安です。




(2) 根はまっすぐ伸びる直根性なので、根鉢を壊さないようにそっと植え替えます。

(3) 庭植えの場合は、1平方メートルあたり完熟堆肥3kgと苦土石灰100g、それに有機配合肥料50gなどをすき込み、鉢植えの場合は、赤玉土小粒7に腐葉土3の割合で混ぜたものに、緩効性肥料を入れ用土とします。

生育管理

(1) 元肥を施しておけば、追肥はほとんど必要ありません。ただ、葉色が薄くなってきたときは、追肥を与えます。










(2) 土が乾いてきたら、たっぷりと水やりをしますが、乾き気味に管理します。過湿に弱いので、注意が必要です。

(3) 一度植え付けたら、植え替える必要はほとんどありません。関東地方以西では、根で越冬し、春にはまた芽吹きます。
  おもな病害虫

  「おしろいばな」には、病虫害はほとんどありません。春から「アブラムシ」が発生することがあります。

病害虫名

症状
対策

アブラムシ類

  体長2〜4ミリの小さな虫が、新芽や茎に群がって汁を吸います。

  パイベニカ乳剤やオレート液剤などの殺虫剤を散布します。小面積の散布には、スプレータイプが手軽です。
  「おしろいばな」のQ&A

  Q1:「おしろいばな」は移植できますか。
  A1:「おしろいばな」は直根性で、生育が進んでからは植え替えができません。ふつうは直まきしますが、ポットでまいたときは、底から根が見えるようになったころ、ポットの土を崩さないように気をつけて植え付けます。

  Q2:「おしろいばな」は越冬できますか。
  A2:「おしろいばな」は、中間地や暖地では冬、植えたままで越冬します。寒地では晩秋に地下にできた黒い塊根を堀り上げ、乾いたピートモスなどの中に埋め込み、凍らないところで保管して越冬させます。
  写真提供: 「ボタニックガーデン」  イラスト: 「ころぽっくる」 by lemさん
[Home]



大地の歓びをつたえ、ホームガーデンとともに