ローダンセ(広葉花簪)

Pink sunray     プロフィール

  キク科ローダンテ属の一年草で、学名は Rhodanthe manglesii。
  オーストラリアの南西部が原産です。乾燥した明るい林内や草地に生え、高さは50センチほどになります。春から夏にかけて、直径3センチほどの頭花を咲かせます。ピンク色から白色の花弁のように見えるのは総苞片です。和名では「ひろははなかんざし(広葉花簪)」と呼ばれます。
  系統・品種と用途

  「ローダンセ」は、薄い紙質のかさかさした花を咲かせ、ドライフラワーや生け花にも利用されます。ピンク色やローズピンク、白色などの園芸品種があります。
  栽培のポイント

  「ローダンセ」を栽培するにあたっての基本条件および栽培のポイントはつぎのとおりです。なお作型は、品種によって異なる場合がありますので、タネ袋に記載されている内容をよく確認してください。

気候区分

作業

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

温暖地

種まき

植えつけ

花期

(S)

(F)


気候区分

まきどき (春|秋)

開花時期 (春|秋)
寒 地 03/下〜05/下   07/上〜08/下  
寒冷地 03/下〜04/下 09/上〜10/中 06/下〜07/下 04/下〜06/上
温暖地 03/中〜04/中 09/中〜10/下 06/中〜07/中 04/上〜05/下
暖 地 03/上〜03/下 09/中〜11/上 06/上〜07/上 03/下〜05/中

ご注意

  発芽温度は15〜25℃、生育温度は5〜25℃なので、これを外れるときは、加温または遮熱をしてください。

 


152025

発芽適温

15-20

生育適温

10-20

栽培のポイント

  乾燥した冷涼な気候を好みます。寒さにはやや弱いので、寒地では春まきにします。

 

pH

5.06.07.0

土壌酸度

6.0-6.8

栽培のポイント

  水はけのよい、中性に近い弱酸性を好みます。酸性土壌では石灰を施し、よく耕してから栽培にとりかかってください。

 


0

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

栽培間隔

1-(2)


栽培のポイント

  連作障害が出ますので、いちど栽培したところでは、少なくとも1年は栽培しないようにしてください。
  栽培のステップ

  「ローダンセ」を栽培するとき、種まきから開花期までの作業ステップは、およそつぎのようになります。ここでは、小さなホームガーデンを想定した一般的な方法を説明しています。

 

ステップ

内容

種まき・育苗

(1) タネには綿毛があり、そのままでは発芽しにくいので、まく前に布にくるんでよくもんでおきます。

Pink sunray

Pink sunray

Pink sunray


(2) 連結ポットや育苗箱にタネまき用土を入れ、タネをばらまきします。発芽するまでは十分に水を与えます。

(3) 本葉が2〜3枚のころに3号ポットに鉢上げし、本葉が5〜6枚になるまで育苗します。

植えつけ

(1) 庭植えの場合は、1平方メートルあたり完熟堆肥4kgと苦土石灰100g、有機配合肥料30gをすき込みます。

Pink sunray


(2) 鉢植えの場合は、赤玉土小粒7に腐葉土3の割合で混ぜたものに緩効性肥料を加えて用土とします。

(3) 本葉が4〜5枚になったころ、日当たりと水はけのよい場所に、株間15〜20センチで植えつけるか、4号鉢に1株を目安に植えつけます。

Pink sunray


生育管理

(1) 水やりは、土の表面が乾いたら与えてください。できるだけ乾き気味にします。過湿になると、根腐れを起こしやすいので注意が必要です。

Pink sunray


(2) 多肥を嫌うので、あまり多く与える必要はありません。生育をみながら、2週間に1回液肥を追肥として施すか、有機固形肥料の置き肥をします。

(3) 寒さにやや弱いので、フレームなどで冬越しさせたり、露地植えの場合は霜よけをしてください。
  おもな病害虫

  「ローダンセ」のおもな病害虫は、つぎのようなものです。

病害虫名

症状
対策

アブラムシ類

  体長2〜4ミリの小さな虫が、新芽や茎に群がって汁を吸います。

  パイベニカ乳剤やオレート液剤などの殺虫剤を散布します。小面積の散布には、スプレータイプが手軽です。

ヨトウムシ類

  昼間は株もとなどに潜み、夜に葉を食害します。

  探し出して駆除します。多発する場合には、オルトラン粒剤やオルトラン水和剤などを散布します。

ハモグリバエ

  葉に、この幼虫が食べたあとの白い筋が入ります。

  予防や駆除は難しいのであまり気にせず、見つけたら葉を取るか、幼虫やさなぎをつぶします。

菌核病

  20℃以下の低温時に、地際の茎が褐色から黒色に変色し、やがて枯死します。

  トップジンMスプレーなどの殺菌剤を散布します。

灰色かび病

  やや温度が低い多湿な時期に発生し、花やつぼみ、葉などに灰色のかびが生えます。

  発生した部位を切り取って焼却し、トップジンMスプレーやダコニール1000、ベンレート水和剤などの殺菌剤を散布します。

べと病

  葉の表面に、褐色の汚れたような不規則な斑紋ができ、しだいに広がります。

  ダコニール1000やサンボルドーなどの殺菌剤を散布します。
  写真提供: 「ボタニックガーデン」  イラスト: 「ころぽっくる」 by lemさん
[Home]



大地の歓びをつたえ、ホームガーデンとともに