サルビア(緋衣草)

Scarlet sage     プロフィール

  シソ科アキギリ属の多年草で、学名は Salvia splendens。英名は Scarlet sage。
  ブラジルが原産です。ふつうに「サルビア」といえばこのスプレンデンス種を指します。高さは30〜60センチほどになり、3月から11月ごろ、真っ赤な花を咲かせます。花弁はすぐに落ちますが、色づいた萼が残るために枯れないようにみえます。最近では園芸品種も多く作出され、ピンク色や紫色、白色、黄色などの花色もでてきました。
  系統・品種と用途

  「サルビア」は、夏から秋を代表する草花のひとつで、花壇やプランター用として利用されます。花色は緋色のものがもっとも多く、紫色や白色、二色咲きなどもあります。
  栽培のポイント

  「サルビア」を栽培するにあたっての基本条件および栽培のポイントはつぎのとおりです。なお作型は、品種によって異なる場合がありますので、タネ袋に記載されている内容をよく確認してください。

気候区分

作業

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

温暖地

種まき

植えつけ

花期

気候区分

まきどき (春|秋)

収穫時期 (春|秋)
寒 地 05/中〜06/中   08/中〜09/下  
寒冷地 05/上〜06/下   08/上〜10/下  
温暖地 04/中〜06/下   07/中〜11/中  
暖 地 04/上〜06/下   07/上〜11/下  

ご注意

  発芽温度は15〜30℃、生育温度は10〜30℃なので、これを外れるときは、加温または遮熱をしてください。

 


152025

発芽適温

20-25

生育適温

15-25

栽培のポイント

  暑さや乾燥に強い草花なので、夏から秋の花壇には最適です。

 

pH

5.06.07.0

土壌酸度

6.0-8.0

栽培のポイント

  水はけのよい、中性に近い弱アルカリ性を好みます。酸性土壌では石灰を施し、よく耕してから栽培にとりかかってください。

 


0

1

2

3

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5

6

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8

9

10

栽培間隔

3


栽培のポイント

  多年草ですが、いちど栽培したところでは、少なくとも3年は栽培しないようにしてください。
  栽培のステップ

  「サルビア」を栽培するとき、種まきから開花期までの作業ステップは、およそつぎのようになります。ここでは、小さなホームガーデンを想定した一般的な方法を説明しています。

 

ステップ

内容

種まき・育苗

(1) 暖かくなってから、連結ポットにタネまき用土を入れ、3〜5粒ほどまきます。ごく薄く、タネがかくれるくらいの覆土をして軽く押さえます。

Scarlet sage

Scarlet sage


(2) 本葉が2〜3枚のころまでに間引いて、1本立ちにします。

花壇の準備

(1) 水はけのよい、弱酸性を好みます。強い酸性土壌では、1平方メートルあたり50〜100gの苦土石灰を施し、よく耕してから栽培にとりかかってください。

Scarlet sage

(2) 庭植えの場合は、1平方メートルあたり5kgの完熟堆肥と30gほどの有機配合肥料をすき込み、鉢植えの場合は、赤玉土小粒7に腐葉土3の割合で混ぜたものに有機配合肥料を加えたものを用土とします。

植えつけ

(1) 本葉が2〜3枚になったころ、日当たりと水はけのよい場所に、株間25〜30センチで植えつけるか、6号鉢に1〜3株を目安に植えつけます。

Scarlet sage


生育管理

(1) 1〜2か月に1回、有機固形肥料を追肥として与えます。開花中に肥切れすると、花つきが悪くなります。

Scarlet sage

Scarlet sage


(2) 土が乾いてきたら水やりをしますが、やり過ぎると根腐れを起こすことがあります。

(3) 高さが10センチくらいになったころに摘芯しておくと、よく分枝します。

(4) 夏の花が咲き終わったころに、3分の2くらいに切り戻します。
  おもな病害虫

  「サルビア」に発生するおもな病虫害は、つぎのようなものです。

病害虫名

症状
対策

ハダニ類

  葉の裏に寄生して汁を吸います。被害が進むと白っぽく絣(かすり)状になります。

  テルスタースプレーやパイベニカスプレー、園芸用でんぷんスプレーなどの殺虫剤を散布します。

ヨトウムシ類

  昼間は株もとなどに潜み、夜に葉を食害します。

  探し出して駆除します。多発する場合には、オルトラン粒剤やオルトラン水和剤などを散布します。

うどんこ病

  若い葉や茎の表面に、うどん粉をまぶしたように白いカビが一面に生えます。

  サプロール乳剤やカリグリーン、トップジンMスプレーなどの殺菌剤を散布します。
  「サルビア」のQ&A

  Q1:「サルビア」の花が、夏になると少なくなります。
  A1:「サルビア」は、高温多湿の夏には生育不良になり、花が少なく色の悪くなります。このようなときは、全体の3分の2くらいに切り戻し、追肥を施して株を回復させます。秋になって、気温の下がると再びきれいな花を咲かせるようになります。

  Q2:「サルビア」の葉が白っぽくなりました。
  A2:「サルビア」の葉が白っぽくなるのは、ハダニの害と思われます。ハダニは乾燥した環境を好むので、夏に雨がしばらく降らないと、空気や土壌が乾燥して、ハダニが発生しやすくなります。ときどき葉裏に、勢いよく水をかけるようにします。被害がひどい場合は枝を切り戻し、殺ダニ剤を散布します。

  Q3:「サルビア」をこんもりと咲かせるには。
  A3:「サルビア」の花を、こんもりとした形に咲かせるには、高さが10cmに育ったころに、摘芯してわき芽を増やすようにします。また、開花中に肥料切れすると、花つきが悪くなりますので、液肥や置肥の追肥を定期的に施すようにします。

  画像提供:ボタニックガーデン  イラスト: 「ころぽっくる」 by lemさん
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