スイートピー

Sweet pea     プロフィール

  マメ科レンリソウ属の一年草で、学名は Lathyrus odoratus。
  レンリソウ属は、地中海沿岸を中心に110種ほどが分布しています。本種はシチリア島が原産です。蔓性で、長さは3〜4メートルにもなります。イギリスで品種改良が行われ、わが国へは明治時代に渡来しました。夏咲き系や冬咲き系があり、花色も豊富です。別名で、「かおりえんどう(香豌豆)」とか「じゃこうれんりそう(麝香連理草)」と呼ばれます。
  系統・品種と用途

  「スイートピー」には、さまざま品種が作出されています。蔓が伸びるタイプは支柱やトレリス、フェンスなどに絡ませ、矮性種は花壇などに群生させます。やさしい香りの愛らしい花が春を彩ります。
  栽培のポイント

  「スイートピー」を栽培するにあたっての基本条件および栽培のポイントはつぎのとおりです。なお作型は、品種によって異なる場合がありますので、タネ袋に記載されている内容をよく確認してください。

気候区分

作業

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

温暖地

種まき

植えつけ

花期
 (翌年)

気候区分

まきどき (春|秋)

収穫時期 (春|秋)
寒 地 04/上〜04/下   06/中〜08/中  
寒冷地   10/上〜10/下   05/中〜06/下
温暖地   10/中〜11/上   04/中〜05/下
暖 地   10/下〜11/中   03/中〜05/中

ご注意

  発芽温度は5〜25℃、生育温度は5〜25℃なので、これを外れるときは、加温または遮熱をしてください。

 


152025

発芽適温

15-20

生育適温

15-20

栽培のポイント

  日当たりと冷涼な気候を好みますが、耐寒性はあまりありません。寒冷地では室内で冬越ししてください。

 

pH

5.06.07.0

土壌酸度

7.0-8.0

栽培のポイント

  水はけのよい、中性に近い弱アルカリ性の土壌を好みます。酸性土壌では石灰を施し、よく耕してから栽培にとりかかってください。

 


0

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

栽培間隔

1-(2)


栽培のポイント

  いちど栽培したところでは、少なくとも1年は栽培しないようにしてください。
  栽培のステップ

  「スイートピー」を栽培するとき、種まきから開花期までの作業ステップは、およそつぎのようになります。ここでは、小さなホームガーデンを想定した一般的な方法を説明しています。

 

ステップ

内容

種まき・育苗

(1) 3号ポットにタネまき用土を入れ、2〜3粒をまきます。覆土は5〜6ミリを掛けるようにします。
  早まきすると苗が徒長し、低温障害を受けるので、涼しくなってからにします。

Sweet pea

Sweet pea

Sweet pea

Sweet pea


(2) 直まきのときは、20〜30センチほどの間隔に、2〜3粒ずつまきます。種皮が硬い硬実種子なので、一晩吸水させてからまくようにします。

(3) 本葉が4〜5枚のころまでに間引いて1〜2本立ちにします。本葉が7〜8個になったら、摘芯します。

植えつけ

(1) ポットの底まで根がまわったら、日当たりと水はけのよい場所に、株間20〜30センチで植えつけます。
  6号鉢に1株、65センチプランターには3株が目安です。根鉢を崩さないように注意してください。

Sweet pea

Sweet pea


(2) 庭植えの場合は、1平方メートルあたり苦土石灰100〜200gと完熟堆肥5kg、それに有機配合肥料50gをすき込んでおきます。
  鉢植えの場合は、赤玉土小粒7に腐葉土3の割合で混ぜたものに苦土石灰、有機配合肥料を加えたものを用土とします。

(3) 耐寒性がやや弱いので、不織布などで霜よけをしてください。寒冷地では、苗をひとまわり大きなポットに植え替え、室内で冬越しして、春に定植した方が無難です。

生育管理

(1) 過湿を嫌うので、乾き気味に管理します。水やりは、土の表面が完全に乾いたら与えてください。

Sweet pea

Sweet pea

Sweet pea

Sweet pea

Sweet pea

Sweet pea


(2) 草丈の高くなる品種では、低めの支柱を立て、ネットをはります。

(3) 春に、有機配合肥料または液肥を追肥として施します。

(4) 長く咲かせるためには、花後、こまめに花がらを摘み取ってください。
  おもな病害虫

  「スイートピー」はうどんこ病に罹りやすいので注意が必要です。またアブラムシ類がよくつきます。

病害虫名

症状
対策

アブラムシ類

  体長2〜4ミリの小さな虫が、新芽や茎に群がって汁を吸います。芽の先端につくと、成長が止まってしまいます。

  パイベニカ乳剤やオレート液剤などの殺虫剤を散布します。小面積の散布には、スプレータイプが手軽です。

コナジラミ類

  葉の裏に寄生して、汁を吸います。進行すると、葉が白っぽくかすり状になります。

  パイベニカスプレーやモスピラン・トップジンMスプレーなどの殺虫剤を、繰り返し散布してください。

うどんこ病

  若い葉や茎の表面に、うどん粉をまぶしたように白いカビが一面に生えます。

  サプロール乳剤やカリグリーン、トップジンMスプレーなどの殺菌剤を散布します。
  「スイートピー」のQ&A

  Q1:「スイートピー」のタネは給水させますか。
  A1:「スイートピー」は皮がかたい種子ですが、水に漬け過ぎると腐りやすくなったり、タネが窒息して発芽しなくなります。ふつうはタネを水に漬けないでまきます。タネまき後は土を過湿にしないように注意します。

  Q2:「スイートピー」の花が落ちてしまいます。
  A2:「スイートピー」は、日当たりの良い場所を好みます。開花時期に曇りの天気が続くと、つぼみが落ちてしまうほどです。花が落ちてしまうのは、日照不足かチッ素過多が考えられます。育苗しているときも十分に日光に当てないと、成長不良になり、花つきも悪くなります。

  Q3:「スイートピー」は連作できますか。
  A3:「スイートピー」スイートピーやアスターは特に連作障害が現れやすく、一度栽培すると数年以上、同じ場所に植えることができません。スイートピーはマメ科なので、同じマメ科のルピナスなどを植えた場所も避けてください。
※ハートランドの美らグリーン(有用微生物)とランドグリーン(キトサン)を組み合わせて使用し、土壌を改良することによって、スイートピーを連作している事例もありますが。(三重県御浜町阿田和の矢田又巳さん)
  画像提供:ボタニックガーデン  イラスト: 「ころぽっくる」 by lemさん
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