カモミール

Chamomil

Chamomil
    プロフィール

  キク科シカギク属の一年草で、学名は Matricaria chamomilla。
  ヨーロッパから西アジアに分布しています。「カモミール」には一年草の「ジャーマンカモミール」と多年草の「ローマンカモミールがありますが、ふつうにハーブとして用いられるのはこのジャーマン種(写真上)です。和名では「カミツレ」と呼ばれます。
(写真下:ローマン種は、キク科カミツレモドキ属の常緑多年草で、学名は Anthemis nobilis。)
  系統・品種と用途

  「カモミール」は、「デイジー」によく似ていて、ほのかにリンゴの香りがあります。ハーブティーのほかに、古くから冷え症や生理痛、胃潰瘍や胃炎などの薬として用いられてきました。(ジャーマン種とローマン種は、成分や形態に似ている部分もあり、ヨーロッパではハーブとして、どちらも同じように使われてきました。)
  栽培のポイント

  「カモミール」を栽培するにあたっての基本条件および栽培のポイントはつぎのとおりです。なお作型は、品種によって異なる場合がありますので、タネ袋に記載されている内容をよく確認してください。

気候区分

作業

1

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11

12

温暖地

種まき

植えつけ

収穫

気候区分

まきどき (春|秋)

収穫時期 (春|秋)
寒 地 03/上〜04/上 08/下〜09/中 05/中〜07/中 05/中〜07/中
寒冷地 02/下〜03/下 09/上〜09/下 05/上〜07/上 05/上〜07/上
温暖地 02/中〜03/中 09/上〜10/上 04/下〜06/下 04/下〜06/下
暖 地 02/上〜03/上 09/中〜10/下 04/中〜06/中 04/中〜06/中

ご注意

  発芽温度は10〜30℃、生育温度は5〜30℃なので、これを外れるときは、加温または遮熱をしてください。

 


152025

発芽適温

15-20

生育適温

15-25

栽培のポイント

  温暖な気候を好み、耐寒性はありますが、耐暑性が弱いので、真夏はいくぶん遮光した方がいいと思います。

 

pH

5.06.07.0

土壌酸度

5.5-7.0

栽培のポイント

  中性に近い弱酸性を好みます。強い酸性土壌ではかならず石灰を施し、よく耕してから栽培にとりかかってください。

 


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作付け間隔

0-(1)


栽培のポイント

  ハーブ類にはあまり連作障害はでませんが、それでも長期間同じ場所で栽培すると障害がでてきます。できるだけ連作を避けることが賢明です。
  栽培のステップ

  「カモミール」を栽培するとき、種まきから収穫までの作業ステップは、およそつぎのようになります。ここでは、小さなホームガーデンを想定した一般的な方法を説明しています。

 

ステップ

内容

種まき・育苗

(1) 3号ポットにタネを4〜5粒、間隔をあけてまきます。覆土は薄く、タネがかくれる程度にします。

Chamomile

Chamomile

Chamomile

Chamomile

Chamomile


(2) 本葉が5〜6枚のころまでに、間引いて1本立てにします。

畑の準備

(1) 強い酸性土壌に弱いので、植えつけの2週間くらい前までに、1平方メートルあたり100gの苦土石灰を施し、よく耕します。

(2) 畝の全体に、1平方メートルあたり1kgの完熟堆肥と60gほどの有機配合肥料を施し、よく耕します。そのあと幅90センチ、高さ10センチとほどの畝を立てます。

(3) 鉢植えやプランターなどの用土は、赤玉土小粒7と腐葉土3を混ぜ合わせたものに、苦土石灰や有機配合肥料を加えます。

植えつけ

(1) 本葉が5〜6枚くらいに育ったころに植えつけます。

Chamomile

Chamomile


(2) 畝に、条間30センチ、株間30センチの間隔で植え穴を掘り、根を傷めないように注意して植えつけます。
  6号鉢に1株、65センチのプランターには3〜4株を植えることができます。

追肥・水やり

(1) 生育期は、月に1回くらいの割合で、液肥や有機配合肥料などを与えます。窒素分が多すぎると、花つきが悪くなります。

Chamomile

Chamomile

Chamomile


(2) 水やりはふつうに与えてください。冬は表面が乾いてから、夏は乾く前に与えます。

収穫

(1) ジャーマン種は、花の中心部が盛り上がり、舌状花が垂れ下がり始める前が収穫期です。摘み取って、風通しの良い日陰で乾燥させてください。

Chamomile

Chamomile


(2) 乾燥した花にお湯を注ぎ、5分くらいするとハーブティーになります。

(3) ローマン種は多年草ですので、株が混んできたら、秋か春に株分けします。
  おもな病害虫

  「カモミール」には、病気はほとんどありませんが、生育全般にわたって「アブラムシ」の被害をうけます。
  「カモミール」のQ&A

  Q1:「カモミール」のまき時、春まきか秋まきか。
  A1:「カモミール」は耐寒性があり、秋にまくと開花期までの期間が長いので、大きな株に育ち、花も多く咲きます。春まきのときは、開花時期が短くなるので、2月ごろから蒔き、保温して育苗するようにします。

  Q2:「カモミール」のジャーマン種とローマン種の見分け方は。
  A2:それぞれの「カモミール」の特徴は次のようになります。
ジャーマンカモミール:
(1) 草丈は50〜60センチ。
(2) 花の直径は2センチほど。
(3) 花の中心の筒状花が大きく盛り上がり、舌状花が垂れ下がる。
(4) ふつう花の時期は、4月中旬〜6月下旬。
ローマンカモミール:
(1) 草丈は10〜30センチ、匍匐性がある。
(2) 花の直径は3センチほど。
(3) 花茎の分枝が少なく、つぼみが下に垂れ下がる。
(4) ふつう花の時期は、5月上旬〜6月下旬。

  写真提供: 「ボタニックガーデン」  イラスト: 「ころぽっくる」 by lemさん
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