チャービル(茴香芹)

Chervil     プロフィール

  セリ科シャク属の一年草で、学名は Anthriscus cerefolium。
  ヨーロッパ南東部から西アジアが原産です。堤防や道ばた、湿り気のあるところなどに生え、高さは30〜50センチになります。茎は中空でわずかに分枝し、葉は羽状複葉で小葉は深く切れ込みます。6月から7月ごろ、複散形花序をだし、小さな白い花を咲かせます。和名では「ういきょうぜり(茴香芹)」。
  系統・品種と用途

  「チャービル」は、フランス語では「セルフィーユ(Cerfeuil)」と呼ばれ、甘い香りと風味のある葉はサラダやオムレツ、菓子の飾りなどに使われます。
  栽培のポイント

  「チャービル」を栽培するにあたっての基本条件および栽培のポイントはつぎのとおりです。なお作型は、品種によって異なる場合がありますので、タネ袋に記載されている内容をよく確認してください。

気候区分

作業

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温暖地

種まき

植えつけ

収穫

気候区分

まきどき (春|秋)

収穫時期 (春|秋)
寒 地 04/中〜06/下   06/中〜10/下  
寒冷地 04/上〜06/中   06/上〜10/下  
温暖地 03/中〜06/上 09/中〜10/中 05/上〜07/下 11/上〜12/上
暖 地 03/上〜05/下 09/下〜10/下 04/中〜07/中 11/中〜12/中

ご注意

  発芽温度は10〜25℃、生育温度は5〜25℃なので、これを外れるときは、加温または遮熱をしてください。

 


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発芽適温

15-20

生育適温

10-20

栽培のポイント

  冷涼な気候を好み、高温や乾燥に弱いので、明るい半日陰の場所で栽培してください。

 

pH

5.06.07.0

土壌酸度

6.0-7.0

栽培のポイント

  中性に近い弱酸性を好みます。強い酸性土壌ではかならず石灰を施し、よく耕してから栽培にとりかかってください。

 


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作付け間隔

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栽培のポイント

  ほとんど連作障害はありません。それでも、できるだけ連作は避けることが賢明です。
  栽培のステップ

  「チャービル」を栽培するとき、種まきから収穫までの作業ステップは、およそつぎのようになります。ここでは、小さなホームガーデンを想定した一般的な方法を説明しています。

 

ステップ

内容

種まき・育苗

(1) 3号ポットにタネまき用土を入れ、2〜3粒ずつまきます。覆土はごく薄く、タネがかくれる程度にします。

Chervil

Chervil


(2) 本葉が4〜5枚になるまで育苗します。

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畑の準備

(1) 強い酸性土壌に弱いので、植えつけの2週間くらい前までに、1平方メートルあたり100gの苦土石灰を施し、よく耕します。

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(2) 畝全体に、1平方メートルあたり完熟堆肥2kgと有機配合肥料100gを施し、よく耕し、幅90センチ、高さ10センチほどの畝を立てます。

植えつけ

(1) 本葉が4〜5枚くらいに育ったころに植えつけます。

Chervil

Chervil

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(2) 畝に、条間30センチ、株間20〜30センチの間隔で植え穴を掘り、根鉢を崩さないようにして植えつけます。5号鉢に1株、65センチのプランターには5〜6株を植えることができます。

追肥・支柱立て

(1) 真夏をのぞいた生育期に、2週間に1回の割合で液肥を追肥として与えます。

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(2) 倒れやすいので、支柱を立てて固定します。

収穫

(1) 高さが20〜25センチになったら収穫開始です。必要な分だけ、軟らかい葉を摘み取って収穫します。加熱すると香りがなくなるので、仕上げに散らしてください。

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(2) 強い日光をあびると茎や葉が硬くなるので、夏には寒冷紗をかけて日除けをします。また乾燥を防ぐために、株元に敷きわらや腐葉土でマルチングします。

(3) また抽苔(とうだち)や結実させると、茎や葉が硬くなるので、花茎は早いうちに摘み取ります。

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  おもな病害虫

  「チャービル」には、比較的病気は少ないですが、生育全般にわたって害虫の被害があります。
  写真提供: 「ボタニックガーデン」  イラスト: 「ころぽっくる」 by lemさん
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