フェンネル(茴香)

Fennel     プロフィール

  セリ科ウイキョウ属の多年草で、学名は Foeniculum vulgare。
  ヨーロッパ南部から西アジアが原産です。古代エジプトでは、すでに栽培が行われていたといいます。高さは1.5メートルほどになり、葉は細かに裂けた羽状複葉です。8月から10月ごろ、かさのような複散形花序に黄色い花を咲かせます。和名では「ういきょう(茴香)」と呼ばれます。
  系統・品種と用途

  「フェンネル」は、葉や種子は魚料理のハーブとして利用されます。園芸品種として「スイートフェンネル」や「ブロンズフェンネル」、株もとが肥大して野菜として利用される「フローレンスフェンネル(イタリア茴香)」などがあります。
  栽培のポイント

  「フェンネル」を栽培するにあたっての基本条件および栽培のポイントはつぎのとおりです。なお作型は、品種によって異なる場合がありますので、タネ袋に記載されている内容をよく確認してください。ここでは「スイートフェンネル」を対象にしています。

気候区分

作業

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温暖地

種まき

植えつけ

収穫





気候区分

まきどき (春|秋)

収穫時期 (春|秋)
寒 地 04/中〜07/中   07/下〜10/中  
寒冷地 04/中〜07/中   07/下〜10/中  
温暖地 04/上〜05/中 09/中〜09/下 06/中〜10/下 03/下〜07/下
暖 地 03/下〜05/上 09/中〜10/上 06/上〜11/上 03/中〜07/中

ご注意

  発芽温度は15〜25℃、生育温度は10〜30℃なので、これを外れるときは、加温または遮熱をしてください。

 


152025

発芽適温

15-20

生育適温

15-25

栽培のポイント

  温暖な気候を好みますが、耐暑性や耐寒性が強いため、栽培は容易です。よく日の当たる、過湿にならない場所を選びます。

 

pH

5.06.07.0

土壌酸度

7.0-8.0

栽培のポイント

  中性に近い弱アルカリ性を好みます。酸性土壌ではかならず石灰を施し、よく耕してから栽培にとりかかってください。

 


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作付け間隔

0


栽培のポイント

  ほとんど連作障害はありません。それでも、できるだけ連作は避けることが賢明です。
  栽培のステップ

  「フェンネル」を栽培するとき、種まきから収穫までの作業ステップは、およそつぎのようになります。ここでは、小さなホームガーデンを想定した一般的な方法を説明しています。

 

ステップ

内容

種まき・育苗

(1) 3号ポットにタネまき用土を入れ、4〜5粒ずつまきます。覆土はごく薄く、タネがかくれる程度にします。

Fennel


Fennel


(2) 本葉が2〜3枚になるまで育苗し、間引いて1本立ちにします。

畑の準備

(1) 酸性土壌に弱いので、植えつけの2週間くらい前までに1平方メートルあたり120gの苦土石灰を施し、よく耕します。

Fennel


(2) 畝の全体に、元肥として1平方メートルあたり3kgの完熟堆肥と120gほどの有機配合肥料を入れてよく耕し、そのあと幅90センチ、高さ10センチほどの畝を立てます。

植えつけ

(1) 本葉が2〜3枚くらいに育ったころに植えつけます。

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(2) 畝に、株間30〜50センチの間隔で植え穴を掘り、根鉢を崩さないようにして植えつけます。10号深鉢に1株、65センチの深プランターには2株を植えることができます。

(3) すぐに交雑してしまいますので、コリアンダーやディルなど、他のセリ科の植物の近くには植えないようにします。

追肥・支柱立て

(1) 2か月に1回、有機配合肥料の置き肥か、2週間に1回の割合で液肥を追肥として与えます。

Fennel


(2) 倒れやすいので、支柱を立てて固定します。

収穫

(1) 葉はサラダやマリネ、魚料理などに利用します。花もサラダやスープに浮かべて利用できます。

Fennel

Fennel

(2) タネはハーブティーやスパイスに利用します。熟して褐色になりはじめたら、花茎ごと切り取って、紙袋に入れて乾燥させます。
  おもな病害虫

  「フェンネル」には、比較的病気は少ないですが、生育全般にわたって害虫の被害があります。
  写真提供: 「ボタニックガーデン」  イラスト: 「ころぽっくる」 by lemさん
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