野菜の土壌条件 (2)
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野菜の根と土壌
野菜がよく育つということは、根がよく育つということにほかなりません。根は植物体を支えるとともに、土の中から水や養分を吸収しています。根がよく育つためには、よい土壌でなければなりません。
よい土とは、有機物が含まれた団粒構造で、水はけと通気性がよく、しかも保水性がある土壌です。また、このような土壌をつくることが土づくりです。
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単粒構造と団粒構造
土壌の構造には、砂や粘土などの細かい粒子がバラバラな状態でできている単粒構造と、細かい粒子がだんご状に集まってできた団粒構造とがあります。
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単粒構造の土壌は、植物の生えていない荒れ地などで見られます。この土壌では隙間が少なく、雨が降ると水はけが悪くてぬかるみ、乾燥すると堅くしまります。
このような土壌では、コニシキソウやメヒシバなどの雑草を除いて、ほとんどの植物は育たず、またミミズなどの小動物も住むことができません。
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一方、団粒構造の土壌は、畑や野原、森林などで見られます。この土壌には大きな隙間があり、水はけや通気性がよいのが特徴です。
このような団粒構造は、植物の根や、堆肥や腐葉土などの有機物がミミズやヤスデ類、微生物などによって分解されることによってつくられます。
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団粒構造をつくるには
ホームガーデンで栽培する土壌は、表面から20〜30センチの作土と呼ばれる部分です。その作土に団粒構造をつくるには、スコップなどで30センチくらいまで深く耕し、堆肥や腐葉土などの有機物と酸度調整のための苦土石灰や消石灰を施し、よく撹拌します。
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野菜づくりの場合、有機物の割合を7〜14%くらいにすることが適当といわれています。
堆肥や腐葉土の施肥量(容量)は、用土(もともとの土壌)によっても異なりますが、ホームガーデンにはふつう1平方メートルあたり20〜30リットル、プランターには用土の20〜30%くらいです。
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野菜に適した土性
土壌は、いろいろな大きさの土の粒子で形成されています。大きい方から礫(れき)、砂、シルト、粘土に区分されます。そして、これらがどのような割合で混じり合っているかを土性(どせい)と呼びます。この粘土の割合が、12.5%未満は砂土(さど)、50%以上は埴土(しょくど)です。
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分類
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粘土割合
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特徴
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砂土
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12.5%未満
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ほとんど砂からできています。
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砂壌土
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12.5-25.0%
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砂が多く、粘土がわずかに混ざります。
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壌土
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25.0-37.5%
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粘土が多く、不均質な塊状です。
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埴壌土
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37.5-50.0%
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粘土がかなり多く、かなり均質な塊状です。
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埴土
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50.0%以上
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ほとんどが粘土で均質です。
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野菜づくりに適した土性は、種類によっても異なりますが、おおむね砂壌土から壌土です。そのままでは適さない砂土や埴土も、土壌改良を行うことによって野菜づくりができるようになります。
おもな野菜について、その栽培に適した土性をみると下表のようになります。
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分類
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砂壌土
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壌土
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埴壌土
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種名
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キャベツ
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トマト
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わけぎ
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かぶ
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なす
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にんにく
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ほうれんそう
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ピーマン
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らっきょう
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レタス
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きゅうり
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たまねぎ
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しゅんぎく
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かぼちゃ
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せり
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にんじん
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いちご
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めきゃべつ
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アスパラガス
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えんどう
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たけのこ
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じゃがいも
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そらまめ
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くわい
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さつまいも
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カリフラワー
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ながいも
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はくさい
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しょうが
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だいこん
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ごぼう
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写真提供: 「ボタニックガーデン」
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