アーティチョーク(朝鮮薊)


    プロフィール

  キク科キナーラ属の多年草で、学名は Cynara scolymus。
  地中海沿岸やカナリー諸島が原産です。大きな蕾のなかにある軟らかい萼と花托が食用にされ、とくにフランスやイタリアではポピュラーな食材です。高さは1〜1.5メートルになり、葉は羽状に深く裂けます。夏に大きな頭状花序をだし、淡い紫色の筒状花を咲かせます。和名では「ちょうせんあざみ(朝鮮薊)」と呼ばれます。
  系統・品種と用途

  大きなつぼみの萼の付け根の肉厚部や、「ボッタム」と呼ばれる中心部を、茹でるか蒸して、そのままフレンチドレッシングやマヨネーズ、サワークリームなどで食べます。またはサラダやグラタンに入れて利用します。系統としては、グリーン系とパープル系とがあります。
  栽培のポイント

  「アーティチョーク」を栽培するにあたっての基本条件および栽培のポイントはつぎのとおりです。なお作型は、品種によって異なる場合がありますので、タネ袋に記載されている内容をよく確認してください。

気候区分

作業

1

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12

中間地

種まき

植えつけ

収穫
 (翌年)

気候区分

まきどき (春|秋)

収穫時期 (春|秋)
寒 地 04/下〜05/中   06/下〜07/下  
寒冷地 04/中〜05/上   06/中〜07/中  
温暖地 04/上〜04/下   06/上〜07/上  
暖 地 03/下〜04/中   05/下〜06/下  

ご注意

  発芽温度は15〜25℃、生育温度は5〜25℃なので、これを外れるときは、加温または遮熱をしてください。

 


152025

発芽適温

15-20

生育適温

10-20

栽培のポイント

  冷涼な気候を好みます。寒さには強く、暑さには弱い性質です。日当たりがよく水はけのよい場所で育てます。

 

pH

5.06.07.0

土壌酸度

6.5-7.0

栽培のポイント

  ほとんど中性に近い弱酸性の用土を好みます。酸性土壌ではかならず石灰を施し、よく耕してから栽培にとりかかってください。

 


0

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9

10

作付け間隔

2-(3)


栽培のポイント

  連作障害が出ますので、いちど栽培したところでは、少なくとも2〜3年は栽培しないようにしてください。
  栽培のステップ

  「アーティチョーク」を栽培するとき、種まきから収穫までの作業ステップは、およそつぎのようになります。ここでは、小さなホームガーデンを想定した一般的な方法を説明しています。

 

ステップ

内容

種まき・育苗

(1) 3号ポットにタネまき用土を入れ、タネを2〜3粒ずつまきます。1センチほどの覆土を掛けます。たっぷりと水をやり、発芽するまでは乾かさないようにします。










(2) 本葉が出るころに一本立ちにして、本葉が4〜5枚になるまで育苗します。

畑の準備

(1) 酸性土壌に弱いので、植えつけの2週間くらい前までに、1平方メートルあたり苦土石灰100gを施し、よく耕します。

(2) 畝全体に元肥として、1平方メートルあたり完熟堆肥5kg、有機配合肥料100gを入れてすき混みます。そのあと幅90センチ、高さ10センチほどの畝を立てます。




植えつけ

(1) 本葉が4〜5枚になったころ、株間80センチほどの間隔で植え穴を掘り、植えつけます。




(2) あまり大きくなった苗は根付きにくいので、タイミングを逃さないようにしてください。

追肥・管理

(1) 夏には、土壌が過湿にならないように気をつけ、冬には霜除けします。








(2) 植えつけ後は、有機配合肥料を必要に応じて、追肥として与えます。

(3) 春になると急に成長が進みます。このころ、つぼみや新芽、茎にアブラムシがつくので、早めに駆除するようにします。

(4) 高さが1.5メートルほどに伸びるので、支柱が必要です。

収穫

(1) 植えつけ2年目の6月ごろ、つぼみが大きく膨らんだとき、花梗の部分からはさみで切り取って収穫します。








(2) 切り取った蕾は丸のまま、レモン汁と塩を加えて15分ほど茹で、萼を全てはがして、萼のつけ根にある果肉と花托を食用にします。
  おもな病害虫

  「アーティチョーク」には、いろいろな虫害が発生します。春から秋にアブラムシ、それに梅雨から秋にはワタノメイガが発生します。
  画像提供:ボタニックガーデン  イラスト: 「ころぽっくる」 by lemさん
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