カリフラワー(花椰菜)


    プロフィール

  アブラナ科アブラナ属の一・二年草で、学名は Brassica oleracea var. botrytis。
  ヨーロッパの地中海沿岸が原産です。「ブロッコリー」が白化した突然変異種で、古くから栽培されていました。わが国では、第二次大戦後に普及しました。高さは50〜80センチになり、3月から4月ごろ、黄色い花を咲かせます。食用にするのは、乳白色の花蕾です。和名では「はなやさい(花椰菜)」と呼ばれます。
  系統・品種と用途

  「カリフラワー」は、柔らかくてくせがなく、独特な味わいがあります。花蕾はふつう乳白色ですが、紫色やオレンジ色の品種もあります。また早生種から中生種、晩生種まであります。それぞれまき時や収穫時期が大きく異なりますので、栽培するときには注意が必要です。家庭菜園では、比較的早生種が栽培し易いです。
  栽培のポイント

  「カリフラワー」を栽培するにあたっての基本条件および栽培のポイントはつぎのとおりです。なお作型は、品種によって異なる場合がありますので、タネ袋に記載されている内容をよく確認してください。

気候区分

作業

1

2

3

4

5

6

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8

9

10

11

12

温暖地

種まき

植えつけ

収穫


気候区分

まきどき (春|秋)

収穫時期 (春|秋)
寒 地 02/下〜03/下 06/上〜06/下 06/中〜07/上 09/下〜11/上
寒冷地 02/中〜03/中 06/中〜07/上 06/上〜06/下 10/上〜11/中
温暖地 02/中〜03/中 07/上〜08/中 06/上〜06/下 11/上〜03/中
暖 地 02/中〜03/中 07/中〜08/下 06/上〜06/下 11/中〜03/中

ご注意

  発芽温度は8〜35℃、生育温度は5〜23℃なので、これを外れるときは、加温または遮熱をしてください。

 


152025

発芽適温

15-30

生育適温

15-20

栽培のポイント

  暑さには弱いので、夏の育苗は寒冷紗などを掛けて日差しを防ぎます。また寒さにもやや弱いので、霜よけが必要です。

 

pH

5.06.07.0

土壌酸度

6.0-6.5

栽培のポイント

  中性に近い、弱酸性を好みます。強い酸性土壌ではかならず石灰を施し、よく耕してから栽培にとりかかってください。

 


0

1

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3

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5

6

7

8

9

10

作付け間隔

1-(2)


栽培のポイント

  いちど栽培したところでは、少なくとも1年は栽培しないようにしてください。
  栽培のステップ

  「カリフラワー」を栽培するとき、種まきから収穫までの作業ステップは、およそつぎのようになります。ここでは、小さなホームガーデンを想定した一般的な方法を説明しています。

 

ステップ

内容

種まき・育苗

(1) 3号ポットや連結ポットにタネまき用土を入れ、3〜4粒をまきます。覆土は3〜5ミリほどです。












(2) 葉が重なり合わないように間引いていき、1本立ちにします。

(3) 本葉が5〜6枚になるまで育苗します。

畑の準備

(1) 酸性土壌に弱いので、植えつけの2週間くらい前までに、1平方メートルあたり100〜150gの苦土石灰を施し、よく耕します。

(2) 畝の全体に、1平方メートルあたり2kgの完熟堆肥と100gほどの有機配合肥料を入れてよく耕し、幅90センチ、高さ10センチほどの畝を立てます。

植えつけ

(1) 本葉が5〜6枚くらいに育ったころ、条間45センチ、株間40センチくらいに植えつけます。






(2) 深植えしないように注意し、株もとが少し高くなるようにします。

(3) 10号以上深鉢に1株、65センチの深型プランターなら2株が植えられます。

追肥・管理

(1) 植えつけの20日後くらいに、必要に応じて、有機配合肥料を追肥として与えます。








(2) 花蕾がでたころにも追肥します。

(3) 生育期は土の表面が乾けば水を与えますが、根は湿害に弱く根腐れを起こしますので、水たまりの生じないように排水に注意してください。

(4) コナガやヨトウムシ、アオムシなどが大敵です。見つけしだい防除するか、虫除けネットなどで、トンネル被覆を行っておきます。

収穫

(1) 花蕾が7〜8センチくらいになったころ、外葉を束ねて結び、遮光しておくと白くて柔らかいものが収穫できます。








(2) 花蕾が見え始めてから15〜30日くらいで、直径15センチくらいになり、収穫できます。とり遅れると花が咲き始めます。
  おもな病害虫

  「カリフラワー」は、アブラナ科の野菜ですので、いろいろな病虫害が発生します。
  「カリフラワー」のQ&A

  Q1:「カリフラワー」に小さな花蕾ができました。
  A1:これはボトニング(小花蕾、早期出蕾)という生理障害です。花蕾肥大に必要な葉数ができないうちに低温に遭うと早期に花芽分化してしまいます。そして、この株が定着後の活着不良、肥料不足、乾燥や湿害などによって栄養成長を阻害されると小さな花蕾が発生することになります。対策としては、育苗期の低温を避け、最低夜温を10℃以上にするのが有効です。

  Q2:「カリフラワー」の花蕾から葉がでてきました。
  A2:カリフラワーの花蕾から小さな葉が出てくるのは、差し葉(リーフィー)と呼ばれる現象です。これは花蕾ができはじめたころに、高温にあって、花の基部の葉が伸び出してきたものです。

  Q3:「カリフラワー」の花蕾が黄ばんでしまいました。
  A3:カリフラワーの花蕾が、強い直射日光を浴びると、純白から黄ばんでくるようになります。これを防ぐには、花蕾がこぶし大になったころに、外葉でくるむように結びます。また、これは霜が降りて傷んだり、砂ぼこりが付着するのを防止するのにも有効です。

  Q4:「カリフラワー」の苗が徒長してしまいます。
  A4:苗が徒長してしまうのは、日当たりが悪かったり、間引きのタイミングやポットへの移植時期の遅れ、それに夜間にポットの水分が多すぎるなどが原因です。これを回避するには、日当たりと風通しのよいところで育苗し、水やりは朝に施すようにします。育苗日数は、夏で25〜28日、冬から春は30〜35日です。

  Q5:「カリフラワー」の早晩性による花芽の感応温度の違いは。
  A5:早晩性による花芽の感応温度は、感応する苗に大きさに因って異なります。


早晩性

花芽の感応温度

感応する苗の大きさ
極早生 23℃以下 5〜6枚以上
早生・中早生 18℃以下 7〜8枚以上
中 生 12℃以下 11〜12枚以上
晩 生 5℃以下 15枚以上
  写真提供: 「ボタニックガーデン」  イラスト: 「ころぽっくる」 by lemさん
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