ふだんそう(普段草)


    プロフィール

  アカザ科フダンソウ属の二年草で、学名は Beta vulgaris ssp. cicla var. cicla。
  地中海東部から中央アジアが原産です。リーフビートグループに分類され、「ふだんそう」や「スイスチャード」などがあります。同じ種の系統としては、ガーデンビートグループ(ビーツ、テーブルビート、ガーデンビート)やシュガービートグルーブ(てんさい)があります。
  系統・品種と用途

  「ふだんそう」には、江戸時代の初めに渡来した在来種(小葉種)と、明治時代以降に導入された西洋種(スイスチャード)とがあります。西洋種は晩生で、葉は幅広く、茎の色もカラフルです。暑さや病気に強いため、家庭菜園向きの野菜です。油炒めや和え物、味噌汁の具などに利用します。
  栽培のポイント

  「ふだんそう」を栽培するにあたっての基本条件および栽培のポイントはつぎのとおりです。なお作型は、品種によって異なる場合がありますので、タネ袋に記載されている内容をよく確認してください。

気候区分

作業

1

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温暖地

種まき

植えつけ

収穫

気候区分

まきどき (春|秋)

収穫時期 (春|秋)
寒 地 05/中〜08/下   09/上〜11/下  
寒冷地 05/上〜09/上   07/中〜12/上  
温暖地 04/上〜09/下   06/中〜12/下  
暖 地 03/中〜10/下   05/中〜05/上  

ご注意

  発芽温度は10〜35℃、生育温度は5〜30℃なので、これを外れるときは、加温または遮熱をしてください。

 


152025

発芽適温

20-25

生育適温

15-20

栽培のポイント

  暑さに強く、寒さにもわりと強いので、真冬を除けばいつでも栽培できます。

 

pH

5.06.07.0

土壌酸度

6.0-7.0

栽培のポイント

  ほとんど中性に近い土壌を好みます。酸性土壌ではかならず石灰を施し、よく耕してから栽培にとりかかってください。

 


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作付け間隔

0-(1)


栽培のポイント

  連作には比較的強いですが、できるだけ1年は休栽したほういいでしょう。
  栽培のステップ

  「ふだんそう」を栽培するとき、種まきから収穫までの作業ステップは、およそつぎのようになります。ここでは、小さなホームガーデンを想定した一般的な方法を説明しています。

 

ステップ

内容

畑の準備

(1) 酸性土壌に弱いので、植えつけの2週間くらい前までに、1平方メートルあたり120〜200gの苦土石灰を施し、よく耕します。




(2) 畝の全体に、1平方メートルあたり2〜3kgの完熟堆肥と60gほどの有機配合肥料を施し、よく耕します。幅90センチ、高さ10センチほどの畝を立てます。

種まき

(1) 種皮が固く、発芽抑制物質がついているので、タネをまく前に、一晩水に浸しておきます。






(2) 畝の表面を木ぎれなどで均し、畝と直角に条間20センチ、深さ1〜2センチほどのまき溝をつけます。

(3) タネを2〜3センチくらいの間隔で条まきします。覆土を掛けて軽く転圧し、たっぷりと水を与えます。

(4) プランターなどで栽培するときは、野菜用の培養土を入れ、うすくバラまきにするか、2条の条蒔きにします。

間引き・追肥

(1) アカザ科の種子は多胚種子なので、発芽が揃ったら、1粒の種子からでた2〜5本の芽を、順次間引いて1本立ちとします。
















(2) 本葉が2〜3枚のころに、5〜6センチ間隔に間引きます。

(3) 本葉が4〜5枚のころに、15〜20センチ間隔に間引きます。間引き菜もベビーリーフとして食べることができます。大株に育てたい場合は、さらに30センチくらいに間引きます。

(4) 2回目の間引きの後に、必要に応じて、有機配合肥料を条間に施し、土寄せします。

収穫

(1) 間引きながら収穫するか、下葉からかき取って収穫します。葉は成長しすぎると堅く、アクも強くなるので、早めに収穫することが大切です。








(2) 冬越しした株は、抽苔(とうだち)します。著しく品質が落ちますので注意してください。
  おもな病害虫

  「ふだんそう」には、ナメクジやヨトウムシなどの害虫がつき、べと病や立ち枯れ病も発生します。
  「ふだんそう」のQ&A

  Q1:「ふだんそう」は連作できますか。
  A1:「ふだんそう」は比較的連作に耐える作物ですが、できるだけ「ほうれんそう」や「ビーツ」、「おかひじき」などのアカザ科作物との連作は避けるようにします。連作をすると、アカザ科作物を好む病原菌や害虫が増え、また、土壌中の特定の微量要素が吸収されて、要素欠乏症を起こす危険性が高まります。栽培後は、完熟堆肥を十分施して、微量要素の補給を図ります。
  写真提供: 「ボタニックガーデン」  イラスト: 「ころぽっくる」 by lemさん
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