ごぼう(牛蒡)
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プロフィール
キク科ゴボウ属の二年草で、学名は Arctium lappa。
地中海沿岸から西アジアが原産だと考えられています。わが国へは縄文時代に中国から渡来し、平安時代にはすでに野菜として栽培されています。高さは1〜1.5メートルほどになり、葉は卵状心形で叢生します。根は直根で、40〜150センチに伸び、著しく肥大します。7月から8月ごろ、花茎を伸ばして「あざみ」に似た、赤紫色から白色の頭花を咲かせます。
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系統・品種と用途
「ごぼう」は、わが国では品種改良が進み、細長い長根種や、太くて短い太短根種、比較的細くて短い短根種、葉軸を食用にする葉ごぼうなどがあります。
長根種は、播種後150日ほどで長さ80〜100センチになり、太短根種は、100日ほどで長さ35〜45センチ、短根種は、70〜90日で30〜40センチになります。
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栽培のポイント
「ごぼう」を栽培するにあたっての基本条件および栽培のポイントはつぎのとおりです。なお作型は、品種によって異なる場合がありますので、タネ袋に記載されている内容をよく確認してください。
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気候区分
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作業
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1
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2
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3
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4
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5
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6
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7
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8
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9
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10
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11
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12
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温暖地 |
種まき |
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収穫 |
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収穫 |
(翌年)
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(長根種)
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気候区分
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まきどき (春|秋)
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収穫時期 (春|秋)
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寒 地 |
04/中〜05/中 |
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10/上〜11/下 |
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寒冷地 |
03/下〜05/中 |
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10/上〜11/下 |
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温暖地 |
03/中〜05/上 |
09/中〜10/上 |
09/中〜02/中 |
06/中〜08/中 |
暖 地 |
03/上〜04/下 |
09/下〜10/中 |
09/中〜02/中 |
06/上〜08/上 |
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(短根種)
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気候区分
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まきどき (春|秋)
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収穫時期 (春|秋)
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寒 地 |
04/中〜07/下 |
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07/下〜11/中 |
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寒冷地 |
03/下〜07/下 |
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07/上〜11/中 |
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温暖地 |
03/中〜09/上 |
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06/下〜12/下 |
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暖 地 |
03/上〜09/下 |
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06/中〜12/下 |
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ご注意
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発芽温度は10〜35℃、生育温度は10〜35℃なので、これを外れるときは、加温または遮熱をしてください。
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℃
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152025
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発芽適温
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20-25
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生育適温
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20-25
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栽培のポイント
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温暖な気候を好みます。気温が3℃以下になると茎葉は枯れますが、根は寒さに強く、翌春にはまた芽をだします。
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pH
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5.06.07.0
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土壌酸度
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5.5-6.5
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栽培のポイント
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中性に近い、弱酸性を好みます。強い酸性土壌ではかならず石灰を施し、よく耕してから栽培にとりかかってください。
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年
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0 |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
作付け間隔
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5-(7)
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栽培のポイント
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連作障害がでますので、いちど栽培したところでは、少なくとも5年は栽培しないようにしてください。
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栽培のステップ
「ごぼう」を栽培するとき、種まきから収穫までの作業ステップは、およそつぎのようになります。ここでは、小さなホームガーデンを想定した一般的な方法を説明しています。
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ステップ
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内容
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畑の準備
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(1) 酸性土壌に弱いので、植えつけの2週間くらい前までに、1平方メートルあたり120〜150gの苦土石灰を施し、スコップで50センチくらい(長根種の場合は80センチくらい)の深さに耕します。また根にならないように、石や土塊を取り除きます。
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(2) 畝の全体に、1平方メートルあたり2〜3kgの完熟堆肥と100gほどの有機配合肥料を施し、よく耕します。幅90センチ、高さ20センチほどの畝を立てます。
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種まき
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(1) 種皮に発芽抑制物質がついていて、そのままでは発芽しにくいので、まく前に冷水に一昼夜、浸しておきます。
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(2) 条間45センチで2条植えにして、株間10〜20センチくらいの間隔で3〜5粒ずつ点まきします。
タネは好光性なので、やっと見えなくなるくらい薄く覆土を掛け、強めに押さえます。
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(3) 本葉が1〜2枚のころ2本立てに、本葉が3〜4枚のころに間引いて1本立てにします。
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追肥・管理
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(1) 2回目の間引きの後、必要に応じて、株のまわりに有機配合肥料をまいて土寄せします。
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収穫
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(1) 根の径が1センチくらいになったころから、「若ごぼう」として収穫できます。
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(2) 収穫適期になったころに収穫します。春まきのときは、葉が枯れ始めた12月ごろからが本格的な収穫期となります。
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(3) 葉が広がっているときは、また根になっている可能性が高いです。
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おもな病害虫
「ごぼう」にはあまり病虫害が発生しませんが、たまにアブラムシがつくことがあります。また連作すると線虫類の害がでます。
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「ごぼう」のQ&A
Q1:「ごぼう」の根が太る前に抽苔しました。
A1:「ごぼう」はグリーンプラントバーナリゼーション(緑植物春化)型の作物で、一定の大きさに達した苗が5℃以下の低温に長期間あうと花芽分化します。その後の高温と長日で抽苔(とうだち)は促進され、7月から8月ごろ、「あざみ」に似た赤紫色から白色の花を咲かせます。とくに秋まき栽培で、早まきすると、この現象がよく発生します。
Q2:「ごぼう」の根が太りません。
A2:「ごぼう」は葉が大きいため、密植すると隣の株で日照不足となり、生育や肥大が悪くなります。ふつう株間は10〜20cmとしますが、広めに15〜20cmとったほうが確実です。また、生育後半に肥料が不足すると、根が先細りになります。ただし、窒素肥料が多いと、葉が繁りすぎて、根の肥大が悪くなります。
Q3:「ごぼう」は、深耕できない畑では無理ですか。
A3:ふつうのごぼう(長根種)は、ふつう70〜80cmの深さに深耕して栽培します。心土が硬くて、30〜40cmしか耕せない畑では、短根のごぼう(太短根種・短根種)や白茎ごぼうを育ててみてください。
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写真提供: 「ボタニックガーデン」 イラスト: 「ころぽっくる」 by lemさん
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大地の歓びをつたえ、ホームガーデンとともに
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