はだいこん(葉大根)
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プロフィール
アブラナ科ダイコン属の一年草で、学名は Raphanus sativus var. longipinnatus。
葉だけを利用する目的で改良された「だいこん」の品種です。葉が立ち性で、収穫や調理がしやすく、また茸毛(じょうもう)が少ないため食べやすくなっています。多くの品種が育成されています。
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系統・品種と用途
「はだいこん」は、夏で20日、冬でも50日と栽培期間が短く、栽培も容易なため、家庭菜園向きの野菜です。漬け物や和え物、炒め物、湯通ししてサラダ用などに利用されます。
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栽培のポイント
「はだいこん」を栽培するにあたっての基本条件および栽培のポイントはつぎのとおりです。なお作型は、品種によって異なる場合がありますので、タネ袋に記載されている内容をよく確認してください。
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気候区分
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作業
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1
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3
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11
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温暖地 |
種まき |
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植えつけ |
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収穫 |
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気候区分
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まきどき (春|秋)
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収穫時期 (春|秋)
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寒 地 |
05/上〜09/上 |
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06/中〜10/中 |
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寒冷地 |
04/中〜09/下 |
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05/下〜11/中 |
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温暖地 |
03/下〜10/中 |
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05/上〜11/下 |
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暖 地 |
03/上〜11/上 |
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04/中〜12/上 |
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ご注意
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発芽温度は10〜40℃、生育温度は10〜25℃なので、これを外れるときは、加温または遮熱をしてください。
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℃
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152025
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発芽適温
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15-35
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生育適温
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20-25
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栽培のポイント
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冷涼な気候を好み、耐寒性があります。また暑さにはやや弱い性質です。
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pH
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5.06.07.0
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土壌酸度
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5.8-6.8
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栽培のポイント
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中性に近い弱酸性を好みます。強い酸性土壌ではかならず石灰を施し、よく耕してから栽培にとりかかってください。
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年
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0 |
1 |
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6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
作付け間隔
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1-(2)
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栽培のポイント
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連作障害がでますので、いちど栽培したところでは、少なくとも1年は栽培しないようにしてください。
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栽培のステップ
「はだいこん」を栽培するとき、種まきから収穫までの作業ステップは、およそつぎのようになります。ここでは、小さなホームガーデンを想定した一般的な方法を説明しています。
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ステップ
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内容
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畑の準備
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(1) 酸性土壌に弱いので、植えつけの2週間くらい前までに、1平方メートルあたり100gの苦土石灰を施し、よく耕します。
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(2) 畝全体に、1平方メートルあたり2kgの完熟堆肥と80〜100gの有機配合肥料を施して混ぜ込みます。幅90センチ、高さ10センチほどの畝を立てます。
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種まき
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(1) 畝の表面を木ぎれなどで均し、直角方向に10〜20センチ間隔に深さ1センチほどの蒔き溝をつけます。
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(2) 蒔き溝に1.5〜2センチ間隔にタネをまきます。1センチほどの覆土をして、軽く押さえ、十分に水を与えます。
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間引き
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(1) 発芽がそろったころ、混み合ったところを間引きます。
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(2) 本葉が3枚のころ、3センチ間隔に間引きます。
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(3) 本葉が5〜6枚のころ、株間7〜8センチになるように間引きます。
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追肥 害虫防除
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(1) 最終の間引きをした後、必要に応じて、列間に有機配合肥料を追肥として施します。
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(2) 寒さには強いですが、寒冷地の栽培では、ビニールトンネルなどで保温して、初期の生育を助けます。
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(3) アブラムシやコナガなどの害虫がよくつきますので、防除を怠らないようにします。
ただし、アブラナ科の植物なので、スミチオン系の殺虫剤を散布すると薬害がでます。
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収穫
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(1) 草丈が15〜20センチくらいに育ったら、株もとから抜き取って収穫します。
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(2) あまり株を大きくしすぎると、葉や茎が固くなりますので早めに収穫してください。
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おもな病害虫
「はだいこん」には、アブラムシが大敵です。コナガやヨトウムシなどにも注意が必要です。
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「はだいこん」のQ&A
Q1:「はだいこん」は大根と違うの。
A1:ふつうの「だいこん」の若い葉も、バターいためやおひたしに利用しますが、「はだいこん」は葉と細い根を利用するのが目的の専用種です。葉の表面や葉柄に毛がほとんどなく、優れた食味が特徴です。
Q2:「はだいこん」の葉がモザイク模様になりました。
A2:「はだいこん」の葉が緑色濃淡のモザイク模様になり、縮んで生育が悪くなるのは、モザイク病(ウイルス病)と考えられます。モザイク病にかかると、根も太らず、表面が凸凹になったり、奇形になったりします。またモザイク病はアブラムシがウイルスを媒介するので、アブラムシを徹底的に防除します。罹ったら農薬はないので、病株は抜きとり、畑から持ち出して処分します。
Q3:「はだいこん」の葉裏に白い斑点がでています。
A3:「はだいこん」の葉裏に白い斑点がでるのは、白さび病と思われます。首部に5〜10mmのわっか状の病班ができることから「わっか症」とも呼ばれます。病株は畑から持ち出し処分します。残った株には、殺菌剤を散布します。
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写真提供: 「ボタニックガーデン」 イラスト: 「ころぽっくる」 by lemさん
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