
かぶ(蕪)


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プロフィール

アブラナ科アブラナ属の多年草で、学名は Brassica rapa var. rapa (syn. Brassica campestris var. glabra)。
ヨーロッパから中央アジアが原産です。古くから栽培され、わが国へは弥生時代に中国から渡来しました。「あぶらな」の変種で、根を食べるように改良されました。わが国の「かぶ」を大別すると、東日本の小かぶ(ヨーロッパ型)と西日本の大かぶ(アジア型)になるそうです。春の七草のひとつで、「すずな(菘)」とも呼ばれます。
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系統・品種と用途

「かぶ」は、わが国の各地で多くの地方品種が形成されています。その根の色から、「白かぶ」と「紫かぶ」、「紅かぶ」とに区分されます。耐寒性のかなり強いものが多く、概して「白かぶ」系よりも「紫かぶ」や「紅かぶ」系のほうが強いです。
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栽培のポイント

「かぶ」を栽培するにあたっての基本条件および栽培のポイントはつぎのとおりです。なお作型は、品種によって異なる場合がありますので、タネ袋に記載されている内容をよく確認してください。
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 気候区分
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 作業
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 1
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 温暖地 |
 種まき |
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 植付け |
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 収穫 |
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 気候区分
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 まきどき (春|秋)
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 収穫時期 (春|秋)
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| 寒 地 |
05/上〜08/下 |
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06/中〜10/下 |
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| 寒冷地 |
04/上〜05/中 |
08/中〜09/中 |
05/下〜07/上 |
09/下〜11/中 |
| 温暖地 |
03/下〜05/上 |
08/下〜09/下 |
05/中〜06/下 |
10/上〜11/下 |
| 暖 地 |
03/中〜04/下 |
09/上〜10/上 |
05/上〜06/中 |
10/中〜12/上 |

ご注意
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発芽温度は8〜40℃、生育温度は10〜25℃なので、これを外れるときは、加温または遮熱をしてください。
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℃
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15 20 25
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発芽適温
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15-20
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生育適温
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15-20
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栽培のポイント
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冷涼な気候を好み、耐寒性があります。また暑さにはやや弱い性質です。
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pH
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5.0 6.0 7.0
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土壌酸度
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5.5-7.0
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栽培のポイント
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中性に近い弱酸性を好みます。強い酸性土壌ではかならず石灰を施し、よく耕してから栽培にとりかかってください。
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年
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 0 |
 1 |
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 8 |
 9 |
 10 |

作付け間隔
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1-(2)
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栽培のポイント
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連作障害がでますので、いちど栽培したところでは、少なくとも1年は栽培しないようにしてください。
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栽培のステップ

「かぶ」を栽培するとき、種まきから収穫までの作業ステップは、およそつぎのようになります。ここでは、小さなホームガーデンを想定した一般的な方法を説明しています。

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ステップ
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内容
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畑の準備
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(1) 酸性土壌に弱いので、植えつけの2週間くらい前までに、1平方メートルあたり100gの苦土石灰を施し、よく耕します。
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(2) 畝の真ん中に深さ20〜30センチの溝を掘るか、畝の全面に、1平方メートルあたり2kgの完熟堆肥と100gほどの有機配合肥料を施し、よく耕します。幅90センチ、高さ10センチほどの畝を立てます。
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種まき
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(1) 畝の表面を木ぎれなどで均し、条間20センチ、深さ1〜2センチほどのまき溝をつけます。
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(2) タネを1センチくらいの間隔で条まきします。覆土を掛けて軽く転圧し、たっぷりと水を与えます。
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間引き
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(1) 双葉がでたころに、3センチ間隔に間引きます。
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(2) 本葉が2〜3枚のころに、5〜6センチ間隔に間引きます。
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(3) 本葉が5〜6枚のころ、大かぶは15〜20センチに、小かぶは8〜10センチ間隔に間引きます。間引いた株は、間引き菜として利用してください。
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追肥
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(1) 2回目の間引きの後に、条間に有機配合肥料を追肥として施し、土寄せします。
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(2) 3回目の間引きの後に、条間に有機配合肥料を追肥として施し、土寄せします。
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(3) アブラムシやコナガなどの害虫がよくつきますので、防除を怠らないようにします。
ただし、アブラナ科の植物なので、スミチオン系の殺虫剤を散布すると薬害がでます。
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収穫
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(1) 根が太ってくると、地面からせり上がります。大かぶは直径10センチ、小かぶは直径5センチくらいになったら収穫します。
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(2) 葉も栄養価が高いので、緑黄色野菜として利用してください。
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おもな病害虫

「かぶ」には、コナガの幼虫が大敵です。アブラムシやヨトウムシなどにも注意が必要です。
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「かぶ」のQ&A

Q1:「かぶ」がうまく太りません。
A1:「かぶ」の太らないのには、いくつかの原因が考えられます。
(1) 「かぷ」の好適土壌酸度はpH5.5〜7.0です。これより土壌の酸性が強くなると生育が極端に悪くなり、根が肥大しません。
(2) 「かぶ」は生育適温は15〜20℃で、冷涼な気候を好みます。また暑さにはやや弱い性質で、真夏に栽培すると根の肥大が悪くなります。
(3) 「かぶ」は乾燥しすぎても、根の肥大が悪くなります。
(4) 「かぶ」はチッ素肥料が多いと、茎や葉が徒長して、根が太らないことがあります。
(5) 「かぶ」は露地栽培で10月中旬を過ぎて蒔くと、根が太らないうちに寒さがきてしまい、結果的に肥大が悪いということになります。

Q2:「かぶ」が堅くて美味しくありません。
A2:「かぶ」は胚軸(茎と根の中間部)が肥大したものです。収穫適期を過ぎると、皮の下に堅い繊維の層ができて、食感も筋っぽくなってしまいます。また皮の色も赤みを帯びてきます。そのときは、皮下5mmくらいにある白っぽい筋まで剥くようにすると、大丈夫です。

Q3:「かぶ」が太る前に抽苔しました。
A3:「かぶ」はシードバーナリゼーション(種子春化)型で、タネが吸水し、動き始めた時点から低温感応(ふつう2〜13℃)し、花芽分化します。またこの低温感応は、幼苗期よりも大苗の方が敏感に感応します。春の栽培では、その後の高温と長日によって、抽苔(とうだち)は促進されます。したがって、花芽分化を避け、低温での生育を促進するために、マルチやトンネルなどの保温が必要となります。
※シードバーナリゼーションについて
ダイコン、ハクサイなどのように、発芽種子の低温処理によって花成が促進されることをいいます。たとえばハクサイでは約30日間、ダイコンでは約15日間、発芽種子を5℃前後の低温下に置くことで花成が促進されます。

Q4:「かぶ」が裂根しました。原因は何ですか。
A4:「かぶ」を栽培するときに、一番大きな問題とするのは裂根です。原因としては、根からの水や養分の吸収が順調に行われず、根の表皮と内部組織の肥大のバランスが崩れることがあります。
(1) 畑が乾燥ぎみで、ゆっくり生育してしたものが、急に雨が続いて生育が早くなったときに裂根することがあります。畝は、つねに適度な湿りを保つようにします。
(2) 「かぶ」は、ふつう1cm間隔で筋蒔きして、途中で2〜3回間引きするのがふつうです。間引きを早くし過ぎると、初めから勢いよく育ち過ぎて裂根しやすくなります。
(3) 「かぶ」は収穫が遅れると、上部が割れてしまうことがあります。収穫は適期に行ってください。

Q5:「かぶ」の内部が黒く変色しています。
A5:「かぶ」の内部が黒く変色するのは、内部黒変病だと思われます。これはカリ欠乏と日射不足、風などの影響によって発生する生理現象です。
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写真提供: 「ボタニックガーデン」 イラスト: 「ころぽっくる」 by lemさん
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