コールラビ(蕪甘藍)


    プロフィール

  アブラナ科アブラナ属の二年草で、学名は Brassica oleracea var. gonygylodes。
  ヨーロッパの南・西部の地中海沿岸に分布する野生の「キャベツ」から、人為選別された品種です。高さは45センチほどになり、茎の下部は球状に肥大します。若い茎は柔らかく甘みがあり、これを食用にします。和名では「かぶかんらん(蕪甘藍)」と呼ばれます。
  系統・品種と用途

  球形に肥大した茎(球茎)を利用しますが、赤紫色と緑白色の品種があります。ブロッコリーの茎や、キャベツの芯のような味で、シャキシャキ感があります。生サラダや塩漬け、粕漬け、バター炒め煮、ポトフなどのスープに最適です。
  栽培のポイント

  「コールラビ」を栽培するにあたっての基本条件および栽培のポイントはつぎのとおりです。なお作型は、品種によって異なる場合がありますので、タネ袋に記載されている内容をよく確認してください。

気候区分

作業

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

温暖地

種まき

植えつけ

収穫


 


152025

発芽適温

15-30

生育適温

15-23

栽培のポイント

  冷涼な気候を好みますが、「キャベツ」よりも寒さや暑さに耐えるので、栽培しやすい野菜です。春蒔きや夏蒔き、秋蒔きができます。

 

pH

5.06.07.0

土壌酸度

6.0-7.0

栽培のポイント

  中性に近い、弱酸性を好みます。強い酸性土壌ではかならず石灰を施し、よく耕してから栽培にとりかかってください。

 


0

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

作付け間隔

1-(2)


栽培のポイント

  根こぶ病などの連作障害が起こりますので、いちど栽培したところでは、少なくとも1年は栽培しないようにしてください。
  栽培のステップ

  「コールラビ」を栽培するとき、種まきから収穫までの作業ステップは、およそつぎのようになります。ここでは、小さなホームガーデンを想定した一般的な方法を説明しています。

 

ステップ

内容

種まき・育苗

(1) 3号ポットや連結ポットにタネまき用土を入れ、タネを4〜5粒をまきます。覆土は薄く、タネがかくれる程度にします。たっぷり水を与え、発芽までは乾かないようにします。








(2) 発芽が揃ったら、3本に間引き、本葉が1〜2枚のころに1本立てにします。

(3) 本葉が5〜6枚になるまで育苗します。

畑の準備

(1) 酸性土壌に弱いので、植えつけの2週間くらい前までに苦土石灰を、1平方メートルあたり100g施し、よく耕します。

(2) ベッド全体に、1平方メートルあたり2kgの完熟堆肥と120gの有機配合肥料をばらまき、15センチくらいの深さによく耕します。幅90センチ、高さ10センチほどの畝を立てます。

植えつけ

(1) 本葉が5〜6枚くらいに育ったころ、株間20センチくらいに植えつけます。根鉢は崩さないようにしてください。







(2) 植えつけの後にたっぷりと水を与えます。

(3) 6号鉢に1株、65センチプランターには2〜3株が目安です。

追肥・管理

(1) 定植後の2週間目と4週間目、生育を見ながら株間に追肥します。








(2) 球茎が膨らみ始めたら、球の横から出た葉は2〜3センチを残して切り取り、球の肥大をうながします。このとき、上の方の成葉は5〜6枚残すようにします。

(3) 害虫を避けるために、べた掛け資材で被ったり、病害虫の早期発見、早期防除に心がけてください。

収穫

(1) 球径が7〜8センチに肥大したころ、根元から引き抜いて収穫します。






(2) 収穫が遅れると、肉質が硬くなり、食味も低下します。

(3) 球茎の下部1センチくらいは堅くて食べられないので、切除します。
  おもな病害虫

  「コールラビ」には害虫がつきやすいので注意が必要です。また、連作すると根こぶ病や萎黄病などが発生します。アブラムシ類やシンクイムシ類、アオムシ、コナガなどの害虫、それにべと病や灰色かび病などの病気も発生します。
  写真提供: 「ボタニックガーデン」  イラスト: 「ころぽっくる」 by lemさん
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