レタス(苣)


    プロフィール

  キク科アキノノゲシ属の一年草または越年草で、学名は Lactuca sativa。
  大別すると「玉レタス(玉苣)」、「リーフレタス(葉苣、掻き苣)」、「コスレタス(立ち苣)」、それに「ステムレタス(茎苣)」という4つの品種群があります。「玉レタス」は結球性でクリスプヘッド型とも呼ばれ、不完全結球でバターヘッド型の「サラダ菜」も含まれます。また「リーフレタス」は、非結球性で「サニーレタス」や「サンチュ」などがあります。
  系統・品種と用途

  「レタス」の仲間はとても多く、さまざまな種類があります。なかでも「リーフレタス(掻き苣)」は古く奈良時代に渡来しています。一方、「玉レタス」は明治時代になってから導入されました。
  栽培のポイント(玉レタス)

  「玉レタス」を栽培するにあたっての基本条件および栽培のポイントはつぎのとおりです。なお作型は、品種によって異なる場合がありますので、タネ袋に記載されている内容をよく確認してください。

気候区分

作業

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

温暖地

種まき

植えつけ

収穫


気候区分

まきどき (春|秋)

収穫時期 (春|秋)
寒 地 03/上〜05/中 08/上〜08/中 06/中〜08/上 10/下〜11/上
寒冷地 03/上〜05/中 08/上〜08/中 06/上〜08/上 10/中〜11/下
温暖地 02/下〜03/中 08/上〜09/下 05/下〜06/中 10/上〜01/下
暖 地 02/下〜03/中 08/上〜09/下 05/下〜06/中 10/上〜02/下

ご注意

  発芽温度は4〜25℃、生育温度は5〜25℃なので、これを外れるときは、加温または遮熱をしてください。

 


152025

発芽適温

15-20

生育適温

15-20

栽培のポイント

  冷涼な気候を好みますが、寒さにはやや弱く、結球期には凍害を受けやすいので注意が必要です。

 

pH

5.06.07.0

土壌酸度

6.0-7.0

栽培のポイント

  ほとんど中性に近い土壌を好みます。酸性土壌ではかならず石灰を施し、よく耕してから栽培にとりかかってください。

 


0

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

作付け間隔

1-(3)


栽培のポイント

  連作障害がでますので、いちど栽培したところでは、少なくとも1年は栽培しないようにしてください。
  栽培のステップ(玉レタス)

  「玉レタス」を栽培するとき、種まきから収穫までの作業ステップは、およそつぎのようになります。ここでは、小さなホームガーデンを想定した一般的な方法を説明しています。

 

ステップ

内容

種まき

(1) 連結ポットや3号ポットにタネまき用土を入れ、4〜5粒ずつまきます。覆土はごく薄く、タネが隠れるくらいに掛けます。












(2) 本葉が1〜2枚のころ、間引いて1本立ちにします。

(3) 本葉が4〜5枚になるまで、育苗します。

畑の準備

(1) 酸性土壌に弱いので、植えつけの2週間くらい前までに、1平方メートルあたり100〜120gの苦土石灰を施し、よく耕しておきます。

(2) 元肥として1平方メートルあたり完熟堆肥2〜3kgと、有機配合肥料100〜120gをよくすき混み、幅90センチ、高さ10センチほどの畝を立てます。

植えつけ
追肥

(1) 本葉が4〜5枚になったころ、30センチ間隔に植えつけます。










(2) 植えつけ後2〜3週間たったら、株間に有機配合肥料を追肥として与えます。必要に応じて、真ん中の葉が巻き始めたころにも追肥を施します。

収穫

(1) 「玉レタス」の場合、球が硬く締まったころが収穫適期です。




(2) 球の下部を切り取ってします。
  栽培のポイント(リーフレタス)

  「リーフレタス」を栽培するにあたっての基本条件および栽培のポイントはつぎのとおりです。なお作型は、品種によって異なる場合がありますので、タネ袋に記載されている内容をよく確認してください。

気候区分

作業

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

温暖地

種まき

植えつけ

収穫


気候区分

まきどき (春|秋)

収穫時期 (春|秋)
寒 地 03/上〜05/中 08/上〜08/中 06/上〜07/下 10/中〜11/上
寒冷地 03/上〜05/中 08/上〜08/中 05/下〜07/下 10/中〜11/下
温暖地 02/下〜03/中 08/上〜09/下 05/中〜06/上 09/下〜01/下
暖 地 02/下〜03/中 08/上〜09/下 05/中〜06/上 09/下〜02/下

ご注意

  発芽温度は4〜25℃、生育温度は5〜25℃なので、これを外れるときは、加温または遮熱をしてください。

 


152025

発芽適温

15-20

生育適温

15-20

栽培のポイント

  冷涼な気候を好みますが、寒さにはやや弱く、冬越しには霜よけが必要です。また暑さにはやや弱く、病虫害が多いので、真夏の栽培は避けた方が賢明です。

 

pH

5.06.07.0

土壌酸度

6.0-7.0

栽培のポイント

  ほとんど中性に近い土壌を好みます。酸性土壌ではかならず石灰を施し、よく耕してから栽培にとりかかってください。

 


0

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

作付け間隔

1-(3)


栽培のポイント

  連作障害がでますので、いちど栽培したところでは、少なくとも1年は栽培しないようにしてください。
  栽培のステップ(リーフレタス)

  「リーフレタス」を栽培するとき、種まきから収穫までの作業ステップは、およそつぎのようになります。ここでは、小さなホームガーデンを想定した一般的な方法を説明しています。

 

ステップ

内容

種まき

(1) 連結ポットや3号ポットにタネまき用土を入れ、4〜5粒ずつまきます。覆土はごく薄く、タネが隠れるくらいに掛けます。












(2) 本葉が1〜2枚のころ、間引いて1本立ちにします。

(3) 本葉が4〜5枚になるまで、育苗します。

畑の準備

(1) 酸性土壌に弱いので、植えつけの2週間くらい前までに、1平方メートルあたり100〜120gの苦土石灰を施し、よく耕しておきます。

(2) 元肥として1平方メートルあたり完熟堆肥2〜3kgと、有機配合肥料100〜120gをよくすき混み、幅90センチ、高さ10センチほどの畝を立てます。

植えつけ
追肥

(1) 本葉が4〜5枚になったころ、20〜25センチ間隔に植えつけます。










(2) 植えつけ後2〜3週間たったら、株間に有機配合肥料を追肥として与えます。

収穫

(1) 「リーフレタス」の場合、内側の葉が巻き始めたら収穫適期です。




(2) 株もとから刈り取るか、少量ずつ外側の葉をかき取って収穫します。
  おもな病害虫

  「レタス」は、水はけがよくなかったり通風が悪かったりすると病気が発生します。またアブラムシなどの害虫にも注意が必要です。
Cabbage
    おもしろ百科

  「グレートレークスレタス」

  「グレートレークス」は、1941年に米国農務省とミシガン農業試験場によって最初に導入され、最初の近代的な「アイスバーグ」品種(堅い結球にぱりぱりのぎっしりつまったうす緑色の葉をもつレタス)でした。レタスの世界的に有名な権威であるトーマス・W・ウィテカーによって作成され、実際にはカリフォルニアで育成されていましたが、「グレートレークス(五大湖)」と名付けられました。 1944年には、オールアメリカセレクションの優勝者でした。
  「レタス」のQ&A

  Q1:「レタス」が結球しません。
  A1:タネまき後の高温や、日照不足、窒素肥料の過多、肥料不足、ウイルス病にかかっているなどの原因が考えられます。
(1) レタスを秋に栽培するときは、タネまきが8月から9月になります。このタネまき後に高温にあうと、花芽分化して結球しなくなります。
(2) 日照不足で、外葉によく日があたらないと結球しにくくなります。
(3) 窒素肥料を過多に与えると、外葉が大きく成長するだけで結球しにくくなります。
(4) レタスは定植後1か月くらいすると結球し始めます。このときに肥料が不足すると結球しません。
(5) アブラムシが媒介するウイルス病にかかると、葉の発育が悪くなり、結球しないことがあります。

  Q2:「レタス」の球が変形します。
  A2:レタスは、球の肥大期に、さまざまな条件で変形することがあります。高温や抽苔による「腰高球」(球形より伸び上がる)、結球前期の過剰成長による「タケノコ球」(内部葉がよじれながら伸び上がる)、それに葉の一部の生育障害による「よじれ球」(変形しながら伸び上がる)などがあります。

  Q3:「レタス」の白い乳汁は何ですか。
  A3:新鮮なレタスを切ると白くて苦い乳汁がでますが、これはラクツコピクリンと呼ばれます。このラクツコピクリンには軽い鎮静作用、催眠促進の効果があり、茎に多く含まれます。19世紀頃までは乾燥粉末にしたレタスを鎮静剤として利用していたそうです。西洋には古来から、「レタスを食べるとよく眠れる」という言い伝えがあります。

  Q4:「レタス」の葉の縁が腐れてきました。
  A4:「レタス」は、強光や高温などの環境下で、急速に生育した場合に、しばしばチップバーン現象(縁腐れ病)が引き起こされます。これは急激な成長時のカルシウム不足を原因とする生理障害で、対処療法としてはカルシウム剤の葉面散布などがあります。

  写真提供: 「ボタニックガーデン」  イラスト: 「ころぽっくる」 by lemさん
[Home]



大地の歓びをつたえ、ホームガーデンとともに