まくわうり(真桑瓜)


Makuwa-uri     プロフィール

  ウリ科キュウリ属の一年草で、学名は Cucumis melo var. makuwa。
  インドが原産です。わが国へは古い時代に渡来しました。果実は米俵のような円柱形で、「メロン」よりも果肉が硬く、洋なしのような食感があります。名前は、2〜3世紀のころから、岐阜県真桑村(現在の本巣市)がウリの名産地とされていたことから。いまは「メロン」と交配したプリンス系メロンが主流となっています。
  系統・品種と用途

  「まくわうり」は、お盆のお供えには欠かせない野菜(くだもの)です。野菜の中でも最も高い温度を好むので、十分に暖かくなってから栽培にとりかかります。古くから栽培されていたので、いろいろな地方品種もあります。
  栽培のポイント

  「まくわうり」を栽培するにあたっての基本条件および栽培のポイントはつぎのとおりです。なお作型は、品種によって異なる場合がありますので、タネ袋に記載されている内容をよく確認してください。

気候区分

作業

1

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3

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5

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11

12

温暖地

種まき

植えつけ

収穫

気候区分

まきどき (春|秋)

収穫時期 (春|秋)
寒 地 04/下〜05/下   08/中〜09/中  
寒冷地 04/中〜05/中   08/上〜09/上  
温暖地 04/上〜05/上   07/下〜08/下  
暖 地 03/下〜04/下   07/中〜08/中  

ご注意

  発芽温度は14〜40℃、生育温度は18〜35℃なので、これを外れるときは、加温または遮熱をしてください。

 


152025

発芽適温

30-35

生育適温

25-30

栽培のポイント

  高温性のため、できるだけ保温や加温して発芽・育苗します。植えつけは、暖かくなってから行うことがポイントです。

 

pH

5.06.07.0

土壌酸度

6.5-7.0

栽培のポイント

  酸性には弱いので、酸性土壌ではかならず石灰を施し、よく耕してから栽培にとりかかってください。

 


0

1

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9

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作付け間隔

3-(5)


栽培のポイント

  連作すると蔓割れ病や線虫による障害が出やすいので、いちど栽培したところでは、少なくとも3年は栽培しないようにしてください。
  栽培のステップ

  「まくわうり」を栽培するとき、種まきから収穫までの作業ステップは、およそつぎのようになります。ここでは、小さなホームガーデンを想定した一般的な方法を説明しています。

 

ステップ

内容

種まき・育苗

(1) 芽がでにくいので、一晩水につけておきます。育苗箱に条間9センチ、株間2センチほどの間隔で条まきするか、3号ポットに3粒ずつまきます。覆土は1センチくらい。寒さに弱いので、25℃程度になるように保温します。










(2) 育苗箱のときは、本葉が1枚のころ、3号ポットに移植します。3号ポットにまいたときは、本葉がでたころ間引いて1本立ちにします。夜間の気温が18℃以下にならないように保温してください。

(3) 本葉が4〜5枚になるまで育苗します。

畑の準備

(1) 強い酸性土壌に弱いので、植えつけの2週間くらい前までに、1平方メートルあたり苦土石灰100gを施し、よく耕します。

(2) 畝の全体に、元肥として1平方メートルあたり堆肥2〜3kgと有機配合肥料100〜150gを入れて、よく耕します。そのあと幅90センチ、高さ10センチとほどの畝を立てます。

植えつけ

(1) 本葉が4〜5枚くらいに育ったころに植えつけます。








(2) 畝に、株間75センチの間隔で植え穴を掘り、根を傷めないように注意して植えつけます。深植えにしないことが大切です。9〜10号深鉢に1株、65センチの深プランターには2株が植えることができます。

(3) 保温のために、ビニールのホットキャップで被います。頂部に少し穴を開け、乾いてきたらこの穴から潅水します。ホットキャップの高さになるまで、被覆して育てます。

整枝・追肥

(1) 親蔓は5〜6節で摘芯し、勢いのよい子蔓を3本伸ばします。子蔓は10〜12節で摘芯し、着果する孫蔓の発生を促します。子蔓の1〜4節にでた孫蔓は摘み取り、5〜12節から伸びた孫蔓にだけ着果させます。








(2) 果実が卵大になったころ、ところどころに油かすと化成肥料を追肥します。多肥にすると「つるぼけ」を起こし、収穫量が減ります。また、1株あたり7〜8果が目安ですので、余分な果実は摘果します。

(3) 最初の追肥から2〜3週間後に、蔓の先端あたりに追肥します。そのあと敷きわらをします。黒色ポリフィルムでマルチングしてもかまいません。

収穫

(1) 開花から35〜40日ほどたったころが収穫適期となります。果梗の毛がなくなり、わずかに芳香が感じられたら完熟です。






(2) 収穫の10日ほど前から、水やりを控えると果実の糖度が増し、裂果も防げます。
  おもな病害虫

  「まくわうり」には、アブラムシ類やハダニ類などの害虫、うどんこ病やべと病、つる割れ病などの病気が発生します。とくに、連作したりすると線虫などが発生します。
  「まくわうり」のQ&A

  Q1:「まくわうり」が割れてしまいました。
  A1:「まくわうり」は、畑が乾燥ぎみだったところに雨が降り、果実が急に肥大すると割れることがあります。また乾燥や過湿で根が傷み、株が弱っても裂果が多くなります。「まくわうり」は浅根性なので、完熟堆肥を十分に施し、水はけと水もちのよい畑で栽培するようにします。

  Q2:「まくわうり」を甘くするには。
  A2:「まくわうり」の糖度は、収穫期の直前に上昇します。その収穫時期は品種にもよりますが、ふつう受粉を行ってから40〜50日が適期となります。収穫期までチッ素が効いていると、糖分が蓄積が悪くなるので、収穫前に窒素が切れる施肥を行い、収穫の10日ほど前になったら、果実の糖度を増すために水やりを控えて乾燥気味で育てます。また、1本の子弦につき最大1個まで、1株につき3個までとすると美味しい甘みのある果実が収穫できます。糖度は12〜14度ほどになります。

  写真提供: 「ボタニックガーデン」  イラスト: 「ころぽっくる」 by lemさん
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