オクラ
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プロフィール
アオイ科トロロアオイ属の多年草で、学名は Abelmoschus esculentus。
アフリカの東北部が原産です。エジプトでは、紀元前200年ごろにはすでに栽培が始まっていたといいます。わが国へは江戸時代の終わりに渡来しました。本格的に普及したのは、昭和40年ごろです。ハイビスカスの近縁で、淡い黄色にワインレッドの咽部をもつ花も鑑賞価値があります。
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系統・品種と用途
「オクラ」は、暑さや病害虫に比較的強く育てやすい夏野菜です。系統的には、五角莢系と丸莢系があります。ふつうは花後、7〜10日の若い莢果を食用にします。
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栽培のポイント
「オクラ」を栽培するにあたっての基本条件および栽培のポイントはつぎのとおりです。なお作型は、品種によって異なる場合がありますので、タネ袋に記載されている内容をよく確認してください。
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気候区分
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作業
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1
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3
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4
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10
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11
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温暖地 |
種まき |
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植えつけ |
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収穫 |
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気候区分
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まきどき (春|秋)
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収穫時期 (春|秋)
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寒 地 |
05/上〜05/下 |
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07/下〜09/下 |
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寒冷地 |
04/下〜05/下 |
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07/中〜09/下 |
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温暖地 |
04/中〜05/中 |
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07/上〜10/上 |
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暖 地 |
04/上〜05/上 |
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06/下〜10/下 |
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ご注意
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発芽温度は10〜30℃、生育温度は10〜30℃なので、これを外れるときは、加温または遮熱をしてください。
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℃
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152025
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発芽適温
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18-25
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生育適温
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25-30
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栽培のポイント
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高温性のため、できるだけ保温や加温して発芽・育苗します。植えつけは、暖かくなってから行うことがポイントです。
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pH
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5.06.07.0
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土壌酸度
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6.0-6.5
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栽培のポイント
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酸性に弱いので、酸性土壌ではかならず石灰を施し、よく耕してから栽培にとりかかってください。
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年
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0 |
1 |
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6 |
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8 |
9 |
10 |
作付け間隔
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1-(3)
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栽培のポイント
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連作すると線虫による障害が出やすいので、いちど栽培したところでは、少なくとも1年は栽培しないようにしてください。
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栽培のステップ
「オクラ」を栽培するとき、種まきから収穫までの作業ステップは、およそつぎのようになります。ここでは、小さなホームガーデンを想定した一般的な方法を説明しています。
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ステップ
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内容
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種まき・育苗
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(1) 芽がでにくいので、一晩水につけておきます。3号ポットに3〜4粒を間隔をあけてまきます。覆土は1センチくらいです。寒さに弱いので、20℃程度になるように保温します。
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(2) 本葉が2枚のころ、間引いて2本立てにします。夜間の気温が15℃以下にならないように保温してください。
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(3) 本葉が3〜4枚のころ、1本立てにします。そのあと本葉が5〜6枚になるまで育苗します。
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畑の準備
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(1) 酸性土壌に弱いので、植えつけの2週間くらい前までに、1平方メートルあたり150gの苦土石灰を施し、よく耕します。
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(2) 畝の全面に、1平方メートルあたり2〜3kgの完熟堆肥と100gの有機配合肥料を施し、よく耕します。幅90センチ、高さ10センチほどの畝を立てます。
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(3) 十分に潅水し、できれば黒色ポリフィルムでマルチングしておきます。
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植えつけ
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(1) 本葉が5〜6枚くらいに育ったころに植えつけます。
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(2) 2条植えの場合、条間50〜60センチ、株間45〜50センチに、マルチをかみそりで十文字に切れ目を入れ、植え穴をあけて、苗を植えつけます。8〜10号鉢に1株、65センチのプランターなら2株が植えられます。
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(3) 植えつけの後にたっぷりと水を与えます。「オクラ」はあまり横に広がらず伸びるので、「ほうれんそう」や「こまつな」などの葉菜類を混植することもできます。
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追肥・摘葉
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(1) 植えつけ後3週間ごろから、2週間に1回の割合で、必要に応じて有機配合肥料を追肥として与えます。
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(2) 日差しが強くて、土が乾燥するころには、畝に敷きわらをします。
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(3) 下葉が混み合ってきたら、着果節以下1〜2枚を残して、その下の葉を摘み取ります。
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収穫
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(1) 開花から7〜10日、長さが6〜7センチくらいのころに収穫します。果梗が硬いので、かならずはさみで切り取ります。
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(2) 花が茎頂に近いところに咲くのは、栄養不良によって起こります。莢果を若どりして追肥します。
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(3) 莢果が大きくなりすぎないうちに、取り残しのないように収穫します。
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(4) 花のつぼみも収穫して、天ぷらで食べることができます。
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おもな病害虫
「オクラ」は、比較的、病害虫は少ないですが、連作したりすると線虫などが発生します。
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「オクラ」のQ&A
Q1:「オクラ」が発芽しません。
A1:「オクラ」の発芽適温は25〜30℃、最低発芽温度は10℃です。地温が低いとタネが腐り、発芽しません。とくに直まきするときは、十分に地温が上がってから蒔くようにします。早まきする場合は、20℃程度になるように保温し、ビニールポットで育苗するようにします。
Q2:「オクラ」の果実が曲がります。
A2:「オクラ」の果実が曲がる現象は、「曲がり果」と呼ばれます。これは、チッ素肥料が過多で、草勢が強すぎるときに、発生が多くなります。また、草勢の弱すぎによっても起こります。そのほか、カメムシやアザミウマの吸汁による被害によって、子実の充実するバランスが崩れても起こります。「曲がり果」は、食べてもまったく問題ありません。
Q3:「オクラ」の果実にイボができました。
A3:「オクラ」は生理障害で、果実に小さなイボができることがあります。これは「イボ果」と呼ばれますが、肥料切れや日照不足、過湿で根が傷んだことなどが原因として考えられます。これを防止するには、適期に追肥したり、株間を50cm以上あけ、葉が混みあってきたら下葉を摘むようにします。また、水はけの良い畝を立てることも大切です。「イボ果」は、食べてもまったく問題ありません。
Q4:「オクラ」の生育がよくありません。
A4:「オクラ」は酸性土壌では生育が悪くなります。また栽培期間が長いので、完熟堆肥を十分に施し、元肥として緩効性肥料を主体にして、さらに肥料切れさせないように追肥を行わないと生育悪くなります。その他生育をよくするために、梅雨明け後に敷きワラなどをして乾燥を防ぎます。日当たりと風通しをよくするために、下葉を摘葉することも有効です。
Q5:「オクラ」の葉についている小さな丸い粒々は何ですか。
A5:「オクラ」の葉や茎についている小さくて透明なゼリー状の丸い粒々は、「オクラ」から分泌されたムチレーゼです。ムチレーゼは粘性物質でたんぱく質と多糖類であるガラクタンやマンナンなどが結合したものです。これに触るとかゆみが出たりしますが、オクラの自然生理現象です。
Q6:「オクラ」を定植したら下葉が落ちてしまいました。
A6:「オクラ」は、アフリカが原産の高温性野菜です。定植したあとに低温にあうと、葉がほとんど落ちてしまったりします。また遅霜にあうと枯死してしまいます。十分に暖かくなってから定植することや、ビニールトンネルで被覆しておくことが大切です。
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写真提供: 「ボタニックガーデン」 イラスト: 「ころぽっくる」 by lemさん
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