しかくまめ(四角豆)


    プロフィール

  マメ科シカクマメ属の多年草で、学名は Psophocarpus tetragonolobus。
  熱帯アジアが原産です。現在では、インドやビルマ、インドネシア、パプアニュ−ギニアなどで栽培されています。蔓性で、葉は3出複葉。小葉は菱状卵形で先が尖ります。短日性で、秋に青紫色の花を咲かせます。若い莢や花、葉は野菜として利用され、種子は「だいず」に似た栄養価があります。また肥大した塊根も食用になります。
  系統・品種と用途

  浅緑色の若い莢を、塩を加えた熱湯に入れてさっと茹で、サラダやお浸し、和え物などに利用します。成熟した豆は、「だいず」と同じような利用ができ、肥大した塊茎も茹でて食べられます。
  栽培のポイント

  「しかくまめ」を栽培するにあたっての基本条件および栽培のポイントはつぎのとおりです。なお作型は、品種によって異なる場合がありますので、タネ袋に記載されている内容をよく確認してください。

気候区分

作業

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12
温暖地
種まき

植えつけ

収穫

気候区分

まきどき (春|秋)

収穫時期 (春|秋)
寒 地 06/上〜06/中   09/上〜10/上  
寒冷地 05/下〜06/中   09/上〜10/上  
温暖地 05/中〜06/上   08/下〜10/中  
暖 地 05/上〜05/下   08/中〜10/下  

ご注意

  発芽温度は15〜35℃、生育温度は10〜35℃なので、これを外れるときは、加温または遮熱をしてください。

 


102025

発芽適温

25-30

生育適温

15-25

栽培のポイント

  高温性・短日性の植物で、15℃以上の気温でよく育ちます。寒さには弱く、軽い霜でも枯死します。

 

pH

5.06.07.0

土壌酸度

6.0-6.5

栽培のポイント

  酸性土壌ではかならず石灰を施し、よく耕してから栽培にとりかかってください。土性は選びませんが、水はけのよいことが必要です。

 


0

1

2

3

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5

6

7

8

9

10

作付け間隔

2-(3)


栽培のポイント

  連作障害の出やすい野菜です。いちど栽培したところでは、少なくとも2年は栽培しないようにしてください。
  栽培のステップ

  「しかくまめ」を栽培するとき、種まきから収穫までの作業ステップは、およそつぎのようになります。ここでは、小さなホームガーデンを想定した一般的な方法を説明しています。

 

ステップ

内容

種まき・育苗

(1) 3号ポットにタネまき用土を入れ、タネを3粒、間隔をあけて、人差し指1節くらいの深さにあけた穴にまきます。覆土をして、軽く手で押さえます。




(2) たっぷりと水を与え、植えつけまで日当たりのよいところで育てます。

畑の準備

(1) 酸性土壌にやや弱いので、植えつけの2週間くらい前までに、1平方メートルあたり100〜150gの苦土石灰を施し、よく耕します。

(2) 畝の全体に、1平方メートルあたり2〜3kgの完熟堆肥と40gほどの有機配合肥料を施し、よく耕します。幅90センチ、高さ10センチほどの畝を立てます。
  肥料とくに窒素分は少なめに施肥します。肥料が多いといわゆる「つるぼけ」を起こし、収穫量が減ってしまいます。

植えつけ

(1) 本葉が2枚に育ったころ、成長の遅れているものを間引いて、2本立てにします。






(2) 本葉が4枚になったころ、条間45センチで、株間30〜40センチに植え穴をあけ、根を傷めないように注意して、苗を植えつけます。8号鉢に1株、65センチのプランターなら2〜3株が植えられます。

追肥
支柱立て

(1) 高さが20センチくらいになったら、必要に応じて、有機配合肥料を株元にまいて土寄せします。






(2) 蔓がよく伸びるので2メートルくらいの支柱を立てて誘引します。

(3) 暑さには強いですが乾燥には弱いので、敷きわらをして、夏には十分に水やりをします。

収穫

(1) 開花後20日ほどたって、莢の長さが15センチほどになったら収穫します。










(2) 寒くなり、葉が黄色くなってきたら、塊茎を堀あげて収穫します。
  おもな病害虫

  「しかくまめ」には、アブラムシ類やヨトウムシ類、フキノメイガなどの害虫がつきます。
  「しかくまめ」のQ&A

  Q1:「しかくまめ」のタネが発芽しません。
  A1:「しかくまめ」のタネが発芽しないのにはいくつかの原因が考えられます。
(1) 発芽適温は20℃前後ですが、地温が15℃以下だとタネが腐り発芽しません。(花が咲くのはタネまきから2か月以上かかるので、早くから収穫するにはポットで育苗します。)
(2) タネまき後に、水をやりすぎると、酸素欠乏になってタネが腐り発芽しません。
(3) タネまき前に、長時間水に漬けると、酸素欠乏などでタネが死んでしまうことがあります。
  写真提供: 「ボタニックガーデン」  イラスト: 「ころぽっくる」 by lemさん
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