ししとうがらし(獅子唐辛子)
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プロフィール
ナス科トウガラシ属の多年草で、学名は Capsicum annuum var. grossum。
熱帯アメリカが原産の「とうがらし」の一品種群です。「とうがらし」のような辛味がなく、野菜として食用にされる「ピーマン」のなかでも「とうがらし」のようなかたちをした品種をいいます。名前は短くして「ししとう(獅子唐)」とも呼ばれます。
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系統・品種と用途
「ししとうがらし」は、暑さや病害虫に比較的強く育てやすい夏野菜です。系統的には、大果系と小果系があります。ふつうは未熟な緑色の果実を食べます。
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栽培のポイント
「ししとうがらし」を栽培するにあたっての基本条件および栽培のポイントはつぎのとおりです。なお作型は、品種によって異なる場合がありますので、タネ袋に記載されている内容をよく確認してください。
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気候区分
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作業
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1
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3
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温暖地 |
種まき |
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植えつけ |
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収穫 |
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気候区分
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まきどき (春|秋)
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収穫時期 (春|秋)
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寒 地 |
03/上〜04/下 |
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07/上〜10/上 |
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寒冷地 |
02/下〜04/中 |
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06/下〜10/中 |
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温暖地 |
02/中〜04/上 |
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06/中〜10/下 |
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暖 地 |
02/上〜03/下 |
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06/下〜11/上 |
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ご注意
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発芽温度は15〜35℃、生育温度は10〜35℃なので、これを外れるときは、加温または遮熱をしてください。
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℃
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152025
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発芽適温
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30-35
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生育適温
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25-30
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栽培のポイント
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高温性のため、できるだけ保温や加温して発芽・育苗します。植えつけは、暖かくなってから行うことがポイントです。
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pH
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5.06.07.0
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土壌酸度
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5.5-6.7
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栽培のポイント
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酸性に弱いので、酸性土壌ではかならず石灰を施し、よく耕してから栽培にとりかかってください。
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年
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0 |
1 |
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8 |
9 |
10 |
作付け間隔
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3-(5)
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栽培のポイント
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連作障害が出やすいので、いちど栽培したところでは、少なくとも3年は栽培しないようにしてください。
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栽培のステップ
「ししとうがらし」を栽培するとき、種まきから収穫までの作業ステップは、およそつぎのようになります。ここでは、小さなホームガーデンを想定した一般的な方法を説明しています。
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ステップ
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内容
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種まき・育苗
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(1) 育苗箱に、4〜5センチ間隔で条まきします。覆土は1センチくらいです。
または連結ポットに3〜4粒ずつまきます。
28〜30℃くらいに保温してください。
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(2) 本葉が1〜2枚のころ、3号ポットに植え替えます。
連結ポットのときは、適宜間引いていき、本葉が3〜4枚のころ、3号ポットに鉢上げします。
夜間の気温が、15℃以下にならないように保温してください。
(3) 3号ポットに根が回ったら、3.5〜4号ポットに移植します。
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(4) 花が1〜2個、開花するまで育苗します。大苗にして、じゅうぶん暖かくなってから畑に植えつけます。
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畑の準備
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(1) 酸性土壌に弱いので、植えつけの2週間くらい前までに1平方メートルあたり150gの苦土石灰を施し、よく耕します。
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(2) ベッドの全面に1平方メートルあたり3kgの完熟堆肥と120gの有機配合肥料を入れてよく耕し、幅90センチ、高さ10センチほどの畝を立てます。
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(3) できれば十分に潅水し、黒色ポリフィルムでマルチングしておきます。
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植えつけ
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(1) 本葉が7〜9枚くらいに育ったころに植えつけます。花が1〜2個、開花しているかもしれません。
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(2) 条間45センチ、株間45〜50センチに植え穴をあけて、苗を植えつけます。8号鉢に1株、65センチのプランターなら2株が植えられます。
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(3) 植えつけの後にたっぷりと水を与えます。根が浅いので、水切れは禁物です。
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整枝・追肥
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(1) 下部からでた側枝は摘み取り、主枝と側枝2本の3本仕立てにします。
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(2) 風で折れやすいので、支柱を立てて誘引します。枝は8の字にしばって固定します。
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(3) 収穫が始まってから、2週間に1回ずつ、有機配合肥料を少量追肥します。
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収穫
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(1) 大果系は10センチ、小果系は5センチくらいになったころに収穫します。
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(2) 真夏には、水切れさせないように毎日水やりします。水切れさせると、果実に強い辛みがでます。
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おもな病害虫
「ししとうがらし」には、アブラムシ類やハダニ類などの害虫がつきます。比較的、病気は少ないですが、連作したりすると青枯れ病や疫病などが発生します。
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「ししとうがらし」のQ&A
Q1:「ししとうがらし」が辛くなるのはなぜですが。
A1:「ししとうがらし」は、本来は甘味種なので辛くないはずです。それでも辛い「ししとう」ができることがあります。そのおもな原因としては次のようなことが考えられます。
(1)低温が続き、果実の肥大に時間がかかってしまったようなとき。
(2)水不足で、ストレスがかかり、辛味が増してしまったとき。
(3)夜間気温が高い状態が長く続いてしまったとき。
(4)近くで「とうがらし」を栽培していて、交雑してしまったとき。
(5)過度の肥料やりがあったとき。
また、辛い「ししとう」は中のタネが少なく、辛くないものはタネが多いという結果もあります。農家では「形が悪いものは辛い」として、選別しているそうです。
Q2:「ししとうがらし」の実つきがよくありません。
A2:「ししとうがらし」の花が咲くのに、実がならないのは、その原因として肥料切れや土の乾燥、土の過湿などが考えられます。この対応としては、完熟堆肥を施して水もちと水はけをよくする、肥料切れにならないように、早め追肥をする、また乾燥させないように敷きワラをするなどがあります。また、一度にいっぱい実をつけると株への負担がまし、落花が多くなるので、実がなりすぎたときは、若どりして株への負担を軽減することが大切です。
Q3:「ししとうがらし」の尻部分が黒くなってきました。
A3:の尻部分が黒くなるのは、病気ではなく、カルシウム欠乏による生理障害(尻腐れ症)と考えられます。防ぐには、定植前に適当量の苦土石灰と十分な完熟堆肥を施し、根を広く張らせてカルシウムが吸えるようにします。なお窒素肥料が多いとカルシウムが吸えなくなるので、窒素肥料を少なめにします。
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写真提供: 「ボタニックガーデン」 イラスト: 「ころぽっくる」 by lemさん
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