スプラウト(発芽野菜)


Sprout     プロフィール

  「スプラウト(Sprout)」は、タネのなかの栄養だけで成長した、発芽したばかりの幼植物です。「発芽野菜」とも呼ばれ、栄養価が高く、誰でもどこでも簡単に、短期間で栽培できる野菜です。
  「スプラウト」は、わが国では「もやし(タネから発芽したばかりの新芽)」、「芽もの(双葉で利用するもの)」、「つまみ菜(稚苗で利用するもの)」そして「間引き菜(本葉が5〜6枚までの幼苗を利用するもの)」に分類されています。
  系統・品種と用途

  「スプラウト」に向く野菜はいろいろありますが、ここでは「スプラウト栽培用」にタネが販売されている、いわゆる「芽もの」を利用するタイプを対象としています。なお、ふつうのタネも「スプラウト」にできますが、薬品処理が行われている場合がありますので、注意が必要です。

  [ご注意]

  「スプラウト栽培用」のタネはスプラウト専用ですので、大きく育てても満足のいく結果は望めません。
  栽培のポイント

  「スプラウト」を栽培するにあたっての基本条件および栽培のポイントはつぎのとおりです。なお作型は、品種によって異なる場合がありますので、タネ袋に記載されている内容をよく確認してください。

 


152025

発芽適温

15-25

生育適温

15-25

栽培のポイント

  一年中、いつでも栽培できますが、発芽適温がおおむね15℃以上ですので、夏は冷房のある室内、冬は暖房したところで栽培します。
  栽培のステップ

  「スプラウト」を栽培するとき、種まきから収穫までの作業ステップは、およそつぎのようになります。

 

ステップ

内容

容器・資材

(1) 容器は、ガラスコップやワイングラス、プラスチックトレイ、コーヒーカップなど、清潔なものであればなんでもかまいません。

(2) 培地として、ペーパータオルやティッシュペーパー、スポンジ、栽培石(ゼオライト)などを用意します。「スプラウト栽培セット」には、栽培石が添付されています。

(3) 栽培石(ゼオライト)は、ザルなどに入れ、よく水洗いして不純物や粉塵などを取り除きます。
  なおゼオライトは沸石(ふっせき)と呼ばれる鉱物で、軽くて多孔質という特徴のほかに、微生物に対しての殺菌作用があります。そのため、水を交換する必要がありません。

培地の準備

(1) 容器の底に、培地を入れ、水を培地がひたるくらい入れます。

Sprout


(2) 栽培石の場合は、1センチくらいの厚さにしておきます。

タネまき

(1) 割れたタネなどを取り除き、水で洗います。このとき水に浮くものも発芽しません。

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(2) 培地の上に、タネを重ならないように間隔をあけ、ばら蒔きします。

(3) 暗い場所に置き、発芽するまで霧吹きなどで水を与えます。

管理

(1) 根がはれば、毎日水をとりかえます。
  栽培石の場合は、殺菌作用があるので毎日水を取り替える必要がありませんが、できるだけ替えるようにしてください。

Sprout

Sprout

Sprout


(2) 栽培のはじめは、暗所で育てます。はじめから明るい場所で育てると、伸びが止まります。
  また小箱に入れたり新聞紙などを被せておくと、かびが生えるのを防止します。

(3) 高さが5〜6センチになり双葉が開いてきたら、日当たりのよい窓際に置き、緑化させます。2〜3日ほどです。
  このとき直射日光は避け、乾燥にも注意してください。

Sprout

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収穫

(1) ふつうは1週間から10日ほどで収穫時期になります。

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(2) 収穫は、使う分だけを切り取り、付着した種皮を取り除きます。
  おもな病害虫

  「スプラウト」の栽培では、空気中の雑菌が付着して、培地がかびてくることがあります。小箱や新聞紙を被せたり、毎日、水を取り替えるか、培地に栽培石を使うなどして、かびの発生を予防してださい。
  「スプラウト」のQ&A

  Q1:「スプラウト」は、市販の野菜のタネでも作れますか。
  A1:市販の野菜のタネは、表面が農薬でコーティングされているものが多く、タネから収穫までの期間が短い「スプラウト」の栽培には適しません。「スプラウト」を栽培する場合は、「スプラウト用」として販売されているタネをお使いください。
  写真提供: 「ボタニックガーデン」  イラスト: 「ころぽっくる」 by lemさん
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