トマト(蕃茄)
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プロフィール
ナス科トマト属の一年草で、学名は Lycopersicon esculentum。
メキシコあるいはペルーが原産だといわれています。わが国へは17世紀に渡来しましたが、本格的には昭和時代になって、アメリカから甘みに富んだピンク系が導入されてからです。
わが国では現在、「桃太郎」と「ファースト」が主に栽培されています。
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系統・品種と用途
「トマト」は、色による分類ではピンク系と赤系(濃赤色やオレンジ色)に大別されます。わが国では、生食用としてはピンク系が、また加工用として赤系が利用されています。そのほかに白色や黄色、緑色といった系統もあります。
また果実の大きさによる分類では、大玉トマト、中玉トマト(ミディトマト)それにミニトマト(プチトマト)があります。
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栽培のポイント
「トマト」を栽培するにあたっての基本条件および栽培のポイントはつぎのとおりです。なお作型は、品種によって異なる場合がありますので、タネ袋に記載されている内容をよく確認してください。
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気候区分
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作業
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1
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3
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温暖地 |
種まき |
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植えつけ |
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収穫 |
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気候区分
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まきどき (春|秋)
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収穫時期 (春|秋)
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寒 地 |
03/下〜05/下 |
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07/中〜09/下 |
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寒冷地 |
03/中〜05/中 |
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07/上〜10/上 |
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温暖地 |
03/上〜05/上 |
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06/下〜10/中 |
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暖 地 |
02/下〜04/下 |
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06/中〜10/下 |
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ご注意
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発芽温度は11〜30℃、生育温度は5〜30℃なので、これを外れるときは、加温または遮熱をしてください。
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℃
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152025
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発芽適温
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15-27
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生育適温
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21-26
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栽培のポイント
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温和な気候を好み、温度の変化に敏感です。10℃以下や35℃以上では成長が止まり、わずかな霜でも被害を受けます。
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pH
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5.06.07.0
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土壌酸度
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6.0-7.0
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栽培のポイント
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酸性土壌ではかならず石灰を施し、よく耕してから栽培にとりかかってください。
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年
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0 |
1 |
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3 |
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6 |
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8 |
9 |
10 |
作付け間隔
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3-(5)
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栽培のポイント
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連作障害の出やすい野菜です。いちど栽培したところでは、少なくとも3年は栽培しないようにしてください。
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栽培のステップ
「トマト」を栽培するとき、種まきから収穫までの作業ステップは、およそつぎのようになります。ここでは、小さなホームガーデンを想定した一般的な方法を説明しています。
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ステップ
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内容
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種まき・育苗
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(1) 育苗箱にタネを条まきするか、連結ポットに2〜3粒ずつまき、覆土をして、軽く手で押さえます。温度は25〜28℃に保つます。
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(2) 本葉1枚のころ、4号ポットに植え替えます。本葉が8〜9枚になるまで、このまま育てます。
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畑の準備 支柱立て
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(1) 酸性土壌にやや弱いので、植えつけの2週間くらい前までに、1平方メートルあたり150gの苦土石灰を施し、よく耕します。
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(2) 畝に20〜30センチの深さに溝を掘るか、全面に1平方メートルあたり3kgの完熟堆肥と100gの有機配合肥料を施して、よく耕します。幅90〜120センチ、高さ10センチほどの畝をたてます。
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(3) 2条植えの場合、条間45〜60センチ、株間40〜50センチで植えつけることを想定して、高さ1.8メートルほどの支柱を立てておきます。
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植えつけ 誘引・芽かき
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(1) 本葉が8〜9枚になり、第一花房の花が咲き始めたころ、植え穴をあけて、苗を植えつけます。このとき、花房が通路側を向くようにします。8号深鉢に1株、65センチの深型プランターなら2株が植えられます。
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(2) 茎が太るのに支障がないよう、8の字にしばって誘引します。雨にあたると病気に罹りやすくなるので、ビニールで雨よけします。
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(3) わき芽は小さいときに指先で摘み取ります。ウイルス病が伝染するおそれがありますので、はさみは使わないようにします。
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追肥・摘芯
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(1) 果実がゴルフボールくらいになったころ、有機配合肥料を施します。初めての追肥後、収穫が終わるまで、2週間ごとに追肥します。
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(2) 第一花房の実が色づいてきたころから、3週間ごとに収穫を終えるまで、石灰水(カルハードやカルプラス)を与えます。
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(3) 大玉トマトの場合、5〜7段目の花房が開花し始めたころに、そのうえに葉を2枚残して摘芯します。ミニトマトの場合はできるだけ多段にします。
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摘果・収穫
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(1) ひとつの花房には4〜5個を残して、先の方の果実は取り除きます。
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(2) 開花後、35〜50日で果実は色づきます。できるだけ完熟させてから収穫しますが、ミニトマトは裂果しやすいので、注意してください。
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おもな病害虫
「トマト」には病害虫が多く、無農薬栽培が難しい野菜です。アブラムシ類やハダニ類、テントウムシダマシ類などの害虫がつき、えき病やウイルス病、うどんこ病、萎凋(いちょう)病などの病気も発生します。
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おもしろ百科
「ミニトマト(プチトマト)」
ホームガーデンでおなじみの「ミニトマト」。でもこの「ミニトマト」や「プチトマト」というのは和製英語です。欧米では「チェリートマト(Cherry tomato)」と呼ばれます。
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「トマト」のQ&A
Q1:「トマト」のお尻の部分が黒くなって腐ってしまいます。
A1:これはおもにカルシウムの欠乏によって起こる「尻腐れ病」という生理障害です。原因としては、土づくりのときに石灰を施さなかったことや、チッ素分の過剰によって根がカルシウムを吸収できなくなったこと、それに水の与えすぎや、反対に乾燥させすぎたことなどが考えられます。「尻腐り病」の症状がでたときは、カルシウムが含まれた追肥を施して、様子を見ることになります。
Q2:「トマト」の果実が割れてしまいます。
A2:トマトが色づくころ、「へた」のあたりから割れる「裂果」という生理現象です。これには、「へた」から花落ち部まで縦に割れる「放射状裂果」と、肩の周囲を円状に割れる「同心円状裂果」があります。「裂果」の原因としては、株が雨や潅水によって急激に吸水したり、果実が直射日光に長時間に晒されたり、土壌中のカルシウムやホウ素が欠乏したりすることがあります。
Q3:「トマト」の花は咲きますが、果実が着きません。
A3:トマトは低温が続くと受粉不良となって、結実しないまま落花してしまいます。また、株が若いうちにチッ素肥料が効きすぎても、落花の原因となります。その他、梅雨期から夏季にかけての日照不足や高温、乾燥などによっても落花することがあります。また落花を防ぐには、下位花房の果実の肥大と上位花房の開花のバランスをとることが大切になります。第一果房の果実の肥大が始まったころから、適期に追肥を施します。
Q4:「トマト」の葉に暗褐色の斑紋が広がります。
A4:トマトの病斑が大きく暗褐色になり、その上に霜状のカビが生えたら疫病です。梅雨期に被害を多く受ける病気です。防ぐには、雨に当てないよう、ビニールなどで雨よけをして栽培することや、水はけをよくし、茎葉が密集しないように風通しもよくすることが大切です。発生したらできるだけ早く殺菌剤を散布して防除します。進行した病株は抜きとり、持ち出し処分です。
Q5:「トマト」を定植するときのポイントは。
A5:トマトを定植するとき、その4時間前にポット苗に十分の水やりをしておくと、定植してからほとんど水やりをしなくても萎えることがありません。また根もよく活着します。
Q6:「トマト」を露地で栽培するには。
A6:トマトの原産地は、きわめて雨の少ない南アメリカのアンデス地方です。したがって、トマトは多雨を嫌い、雨に当てるとさまざまな病気が発生することになります。このトマトを露地で栽培するには、できるだけ雨に当てないように、ビニールなどで雨よけをして栽培することが必要です。
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写真提供: 「ボタニックガーデン」 イラスト: 「ころぽっくる」 by lemさん
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