ズッキーニ(蔓なし南瓜)

Summer squash     プロフィール

  ウリ科カボチャ属の一年草で、学名は Cucurbita pepo var. melopepo。
  アメリカの南部からメキシコが原産です。「ペポかぼちゃ」の変種で、花がついたままの未熟な果実を食用にします。「ズッキーニ(Zucchini)」という名前はイタリア語です。地中海沿岸のイタリアや南フランスでは料理に欠かせない素材となっています。国内での主な産地は、宮崎県や長野県、千葉県です。
  系統・品種と用途

  「ズッキーニ」には、果実が緑色や黄色の品種があります。カレーやミネストローネに入れたり、天ぷらや炒め物などに利用できる健康野菜です。
  栽培のポイント

  「ズッキーニ」を栽培するにあたっての基本条件および栽培のポイントはつぎのとおりです。なお作型は、品種によって異なる場合がありますので、タネ袋に記載されている内容をよく確認してください。

気候区分

作業

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温暖地

種まき

植えつけ

収穫

気候区分

まきどき (春|秋)

収穫時期 (春|秋)
寒 地 04/中〜06/上   07/中〜09/中  
寒冷地 04/上〜06/上   06/下〜08/下  
温暖地 03/中〜05/下   06/上〜08/中  
暖 地 03/上〜05/中   05/下〜08/上  

ご注意

  発芽温度は10〜35℃、生育温度は10〜30℃なので、これを外れるときは、加温または遮熱をしてください。

 


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発芽適温

25-30

生育適温

18-23

栽培のポイント

  果菜類のなかでは、低温にも高温にも耐え、育てやすい野菜です。ただ多湿を嫌うので、水はけをよくすることが大切です。

 

pH

5.06.07.0

土壌酸度

6.0-6.5

栽培のポイント

  中性に近い弱酸性を好みます。強い酸性土壌ではかならず石灰を施し、よく耕してから栽培にとりかかってください。

 


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作付け間隔

0-(1)


栽培のポイント

  ウリ科ではめずらしく連作障害のでにくい野菜です。それでも念のため、いちど栽培したところでは、少なくとも1年は栽培しないほうが無難です。
  栽培のステップ

  「ズッキーニ」を栽培するとき、種まきから収穫までの作業ステップは、およそつぎのようになります。ここでは、小さなホームガーデンを想定した一般的な方法を説明しています。

 

ステップ

内容

種まき・育苗

(1) タネを一晩水に漬けておきます。

Summer squash

Summer squash

Summer squash


(2) 3〜3.5号ポットに1〜2粒ずつまきます。覆土は1センチくらいです。

(3) 本葉が4〜5枚になるまで育苗します。

畑の準備

(1) 強い酸性土壌に弱いので、植えつけの2週間くらい前までに、1平方メートルあたり100gの苦土石灰を施し、よく耕します。

Summer squash


(2) 畝の全体に、1平方メートルあたり3kgの完熟堆肥と100gほどの有機配合肥料を施し、よく耕します。そのあと幅90センチ、高さ10センチとほどの畝を立てます。

植えつけ

(1) 遅霜の心配がなくなり、本葉が4〜5枚くらいに育ったころに植えつけます。

Summer squash

Summer squash


(2) 畝に、株間60〜90センチの間隔で植え穴を掘り、根を傷めないように注意して植えつけます。10号深鉢には1株、65センチの深プランターに2株を植えることができます。

(3) 葉の裏に泥はねするのを防ぐため、株もとに敷きわらやマルチングをします。

追肥

(1) 植えつけて半月後に、必要に応じて、有機配合肥料を追肥として与えます。

Summer squash

Summer squash


(2) 収穫の始めのころから半月に1回、追肥を施します。

(3) 風の強いところでは、短い支柱を立てて固定します。

収穫

(1) ふつうは、開花後3〜8日くらいの未熟果を収穫します。小さな花ズッキーニは煮物用、ふつうの大きさのものはスープ用や炒め物などに利用します。

Summer squash


(2) 収穫が遅れると草勢が衰え、つぎの果実がなりにくくなりますが、大きくなった果実も鉄板焼きや天ぷらに利用します。
  おもな病害虫

  「ズッキーニ」には比較的病害虫が少ないですが、アブラムシ類やウリハムシがついたり、うどんこ病が発生したりします。
  「ズッキーニ」のQ&A

  Q1:「ズッキーニ」に支柱は必要ですか。
  A1:「ズッキーニ」は、つるなしカボチャと呼ばれて蔓は伸びませんが、やはり支柱は必要です。株間60〜80cmに定植し、短い支柱を交差させて立て、固定します。とくに風の強いところでは、茎が反転したり、折れたりしますので、必ず支柱を立ててください。

  Q2:「ズッキーニ」の果実がなりません。
  A2:「ズッキーニ」は吸肥力が強く、チッ素肥料が過多のときには、茎葉ばかりが大きくなって果実がつかない、「葉ばかりさま」の状態になります。また、水やりが多すぎても草勢が強くなり、着果が悪くなります。そのほか、株によっては、雄花と雌花の咲くタイミングが合わないものがあり、同時期に咲いても、うまく受粉しないこともあります。雄花と雌花が咲いているときは、午前10時ごろ前に、人工受粉を行うようにしてください。

  Q3:「ズッキーニ」の葉が真っ白になってしまいました。
  A3:「ズッキーニ」の葉が真っ白になるのは、うどんこ病と考えられます。うどんこ病は、葉にうどん粉をふりかけたような白いカビが生え、ひどいと株が枯れます。防ぐには密植を避け、日当たりと風通しをよくします。病気になってしまったときは、病葉は切りとり、持ち出し処分します。早めにしないと殺菌剤の効果も少なくなります。
  写真提供: 「ボタニックガーデン」  イラスト: 「ころぽっくる」 by lemさん
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