びじょなでしこ (美女撫子)


Sweet william
    プロフィール

  ナデシコ科ナデシコ属の多年草で、学名は Dianthus barbatus。

  ヨーロッパの南部が原産です。わが国へは明治時代の中頃に渡来しています。草地に生え、高さは30〜60センチになります。葉は披針形で対生します。夏に茎頂や葉腋から集散花序をだし、ピンク色から紫色の花を咲かせます。花弁は5個で、花柱は2個あります。園芸品種も数多く作出されています。総苞が長く髭のように生えることから、別名で「ひげなでしこ(髭撫子)」とも呼ばれます。
  系統・品種と用途

  株元から5〜8本の枝を伸ばし先端の花房は約10cmの大きさになります。赤色やピンク色、白色、蛇の目などの変化に富んだ花色の混合です。
  栽培のポイント

  「びじょなでしこ」を栽培するにあたっての基本条件および栽培のポイントはつぎのとおりです。なお作型は、品種によって異なる場合がありますので、タネ袋に記載されている内容をよく確認してください。

気候区分

作業

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

温暖地

種まき

植えつけ

開花


気候区分

まきどき (春|秋)

開花時期 (春|秋)
寒 地   05/上〜07/下   05/下〜07/下
寒冷地   08/中〜10/上   05/中〜07/上
温暖地   08/下〜10/中   05/上〜06/下
暖 地   09/上〜10/下   04/中〜06/中

ご注意

  発芽温度は15〜25℃、生育温度は5〜25℃なので、これを外れるときは、加温または遮熱をしてください。

 


152025

発芽適温

18-23

生育適温

15-20

栽培のポイント

  耐寒性は強いですが、耐暑性はやや弱いです。ただ冬の低温にあわないと開花しないので、春まきしても開花期は翌年となります。

 

pH

5.06.07.0

土壌酸度

6.0-7.5

栽培のポイント

  ほとんど中性に近い土壌を好みます。酸性土壌ではかならず石灰を施し、よく耕してから栽培にとりかかってください。

 


0

1

2

3

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5

6

7

8

9

10

作付け間隔

2-(3)


栽培のポイント

  立ち枯れ病などの連作障害がでますので、いちど栽培したところでは、少なくとも2〜3年は栽培しないようにしてください。
  栽培のステップ

  「びじょなでしこ」を栽培するとき、種まきから開花までの作業ステップは、およそつぎのようになります。ここでは、小さなホームガーデンを想定した一般的な方法を説明しています。

 

ステップ

内容

種まき

(1) 連結ポットや育苗箱にタネまき用土を入れ、タネを薄くバラまきします。好光性なので、覆土はごく薄く掛けます。明るい日陰で乾燥しないように水やりをしていると、7〜10日で発芽します。














(2) 本葉か2〜3枚のときに、3号ポットに鉢上げします。

(3) 日当たりと風通しのよい場所で水を控えめにして、本葉が6〜7枚になるまで育苗します。

花壇の準備

(1) 酸性土壌に弱いので、植えつけの2週間くらい前までに、1平方メートルあたり50〜100gの苦土石灰を施し、よく耕します。




(2) 元肥として1平方メートルあたり完熟堆肥5kgと、有機配合肥料50gをよくすき混んでおきます。

植えつけ
追肥

(1) 本葉が6〜7枚になったころ、日当たりの良い場所に、20〜25センチの間隔で植え付けします。




(2) 6号鉢には1本、65センチプランターには3本を植えることができます。

生育管理

(1) 暖かい地域の秋植えは早めに終わらせ、厳しい寒さが来る前に根を十分に張らせます。






(2) 土が凍るほどの寒地・寒冷地では、防寒・霜除けを十分に行います。ただあまり過保護にして、冬の低温に遭わせないと開花しないことがあります。

(3) 冬越しの期間もゆっくりと生育するので、必要に応じて追肥します。

(4) 春先になり、花茎が伸びてきたら、必要に応じて摘芯します。






(5) 高性種の場合は、高さが60センチくらいに伸びますので、支柱を立てます。

(6) 高温多湿には若干弱いので、夏には半日陰の場所に移動したり、寒冷紗などで遮熱するようにします。
  おもな病害虫

  病害虫は少ないですが、春先に発生するアブラムシには注意します。また、発生したら早めに取り除きます。
  「びじょなでしこ」のQ&A

  Q1:「びじょなでしこ」の摘芯、必要ありますか。
  A1:「びじょなでしこ」のわい性種は摘芯をしなくてもよく分枝するので、一般には必要はありません。でも摘芯すると、その分枝を促します。高性種のときは、定植後に摘芯して側枝をだすようにします。
  写真提供: 「ボタニックガーデン」  イラスト: 「ころぽっくる」 by lemさん
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