はなびしそう (花菱草)

    プロフィール

  ケシ科ハナビシソウ属の多年草で、学名は Eschscholtzia californica。
  アメリカのカリフォルニア州が原産です。高さは15〜30センチくらいで、基部からよく分枝します。花期は5月から7月ごろ。ひときわ目立つ原色の花を咲かせます。花色は黄色が基本ですが、オレンジや紅色、白色やピンク色もあります。カリフォルニア州の州花になっています。和名は、花のかたちが花菱紋に似ていることから。
  系統・品種と用途

  「はなびしそう」は、基本種は一重咲きですが、最近では八重咲きもでてきています。日光があたると開き、太陽が沈むと閉じるのが特徴で、いちど栽培するとこぼれ種からでも生える丈夫な花です。
  栽培のポイント

  「はなびしそう」を栽培するにあたっての基本条件および栽培のポイントはつぎのとおりです。なお作型は、品種によって異なる場合がありますので、タネ袋に記載されている内容をよく確認してください。

気候区分

作業

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

温暖地

種まき

植えつけ

花期

(S)

(F)


気候区分

まきどき (春|秋)

開花時期 (春|秋)
寒 地 04/中〜05/下   07/中〜09/下  
寒冷地 04/上〜05/中 08/下〜10/上 07/上〜08/下 04/下〜06/下
温暖地 03/中〜04/下 09/上〜10/下 06/中〜07/下 04/中〜06/下
暖 地 03/上〜04/中 09/中〜11/中 06/上〜07/中 04/上〜06/下

ご注意

  発芽温度は10〜25℃、生育温度は10〜30℃なので、これを外れるときは、加温または遮熱をしてください。

 


152025

発芽適温

15-20

生育適温

15-25

栽培のポイント

  耐寒性はありますが、暑さにはやや弱い植物です。

 

pH

5.06.07.0

土壌酸度

6.0-7.5

栽培のポイント

  水はけのよい、ほとんど中性に近い土壌を好みます。酸性土壌では石灰を施し、よく耕してから栽培にとりかかってください。

 


0

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

栽培間隔

1-(2)


栽培のポイント

  いちど栽培したところでは、少なくとも1年は栽培しないようにしてください。
  栽培のステップ

  「はなびしそう」を栽培するとき、種まきから開花期までの作業ステップは、およそつぎのようになります。ここでは、小さなホームガーデンを想定した一般的な方法を説明しています。

 

ステップ

内容

種まき・育苗

(1) 連結ポットや3号ポットにタネまき用土を入れ、3〜5粒をばらまきします。タネが細かいので覆土は隠れる程度にします。














(2) 発芽したら間引きをして、本葉が4〜5枚のころに1本立ちにします。連結ポットのときは、3号ポットに移植します。直まきでもかまいません。

植えつけ

(1) 庭植えの場合は、1平方メートルあたり完熟堆肥5kgと苦土石灰100〜200g、有機配合肥料30gなどをすき込みます。




(2) 鉢植えの場合は、赤玉土小粒7に腐葉土3の割合で混ぜたものに緩効性肥料を加えて用土とします。

(3) 本葉が8枚くらいになったら、日当たりと水はけのよい場所に、根鉢を崩さないように株間20センチで植えつけます。鉢植えでは、6号鉢に2株が目安です。




生育管理

(1) 基本的に肥料は控えめに育て、元肥だけで大丈夫です。春の開花期の前に、有機固形肥料の置き肥を与えてもかまいません。

Californian poppy

Californian poppy

Californian poppy

Californian poppy


(2) 土が乾いてきたら、たっぷりと水やりをしますが、乾き気味に管理します。

(3) 耐寒性は強いですが、霜よけしたほうが傷みません。寒冷地では春まきにするか、ビニールトンネルなどで冬越しさせます。

(4) 丈夫な花なので、ほとんど放任しておいてもかまいません。
  おもな病害虫

  「はなびしそう」には、あまり病害虫がありませんが、水はけの悪い土壌や風通しの良くない場所で育てると、根腐れ病が発生します。

病害虫名

症状
対策

アブラムシ類

  体長2〜4ミリの小さな虫が、新芽や茎に群がって汁を吸います。

  パイベニカ乳剤やオレート液剤などの殺虫剤を散布します。小面積の散布には、スプレータイプが手軽です。

根腐れ病

  水はけの悪い土壌や、風通しの悪い場所で育てていると発生します。葉がしおれて茎が変色し、最終的には枯れてしまいます。

  ほかの健康な株にも伝染しますので、見つけしだい引き抜いて処分します。
  画像提供:ボタニックガーデン  イラスト: 「ころぽっくる」 by lemさん
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