ひまわり(向日葵)

Sunflower     プロフィール

  キク科ヒマワリ属の一年草で、学名は Helianthus annuus。
  北アメリカの中西部からメキシコが原産です。16世紀には、すでにヨーロッパで栽培され、わが国にも江戸時代に渡来しました。学名には、太陽の花という意味があり、「にちりんそう(日輪草)」、「ひぐるま(日車)」とも呼ばれます。園芸品種も多く、鮮やかな黄色のほかに褐色や八重咲きなどがあります。
  系統・品種と用途

  「ひまわり」は、誰もが知っている夏の花の代表です。現在では数多くの品種があり、1.5〜3メートル以上になる高性種や、60〜70センチの矮性種、30〜50センチにしかならない極矮性種に大別されます。「ひまわり」の代表品種は、高性で大輪一重咲きの「ロシア」。あのソフィア・ローレンの映画「ひまわり」に登場します。
  栽培のポイント

  「ひまわり」を栽培するにあたっての基本条件および栽培のポイントはつぎのとおりです。なお作型は、品種によって異なる場合がありますので、タネ袋に記載されている内容をよく確認してください。

気候区分

作業

1

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3

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5

6

7

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9

10

11

12

温暖地

種まき

植えつけ

花期

気候区分

まきどき (春|秋)

収穫時期 (春|秋)
寒 地 05/中〜06/下   08/上〜09/上  
寒冷地 05/上〜06/下   07/下〜09/中  
温暖地 04/中〜06/中   07/中〜09/中  
暖 地 04/上〜06/中   07/上〜09/下  

ご注意

  発芽温度は15〜30℃、生育温度は10〜35℃なので、これを外れるときは、加温または遮熱をしてください。

 


152025

発芽適温

20-25

生育適温

20-30

栽培のポイント

  生育期は、土の表面が乾いたらすぐに水を与えます。水切れすると、すぐに下葉から枯れてきます。

 

pH

5.06.07.0

土壌酸度

5.0-6.5

栽培のポイント

  水はけのよい、中性に近い弱酸性を好みます。強い酸性土壌では石灰を施し、よく耕してから栽培にとりかかってください。

 


0

1

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3

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9

10

栽培間隔

1


栽培のポイント

  いちど栽培したところでは、少なくとも1年は栽培しないようにしてください。
  栽培のステップ

  「ひまわり」を栽培するとき、種まきから開花期までの作業ステップは、およそつぎのようになります。ここでは、小さなホームガーデンを想定した一般的な方法を説明しています。

 

ステップ

内容

種まき・育苗

(1) 発芽適温が、20〜25℃と高いので、十分暖かくなってからタネまきします。
  3号ポットに1〜3粒ずつ、または育苗箱に5センチ間隔にまきます。覆土は1センチくらいです。












(2) 発芽するまでは、水やりをかかさず、乾かないようにします。

(3) 本葉が4〜5枚のころまでに、間引いて1本立ちとします。

植えつけ

(1) 本葉が4〜5枚になったころ、日当たりと水はけのよい場所に、高性種は50センチ、矮性種は20〜30センチの株間で植えつけます。矮性種を鉢植えにする場合は、5号鉢に1株を目安にします。








(2) 庭植えの場合は、よく耕したあと、1平方メートルあたり完熟堆肥3〜4kg、苦土石灰100gそれに有機配合肥料50〜100gほどをすき込み、鉢植えの場合は、草花用培養土7に完熟堆肥3の割合で混ぜたものに有機配合肥料を加えたものを用土とします。

生育管理

(1) 水やりは、土の表面が乾いたら与えます。とくに矮性種は乾燥に弱く、水切れすると、下葉から枯れこんでくるので注意が必要です。庭植えの場合は、定植後しばらくは水やりをしますが、以降は不要です。
















(2) 高性種の場合は、つぼみがつきだしてきたら支柱を立てて、ひもで緩く固定します。また、倒れないように株元に土寄せしておきます。

(3) 真夏の乾燥期には、株元に敷きわらを施します。

(4) 生育期に、有機固形肥料の置き肥か10日に1回の液肥を与えます。庭植えの場合なら、無肥料でも育ちます。

(5) タネを採取しないときは、花びらが散り始めたら、花がらを早めに取り除きます。

(6) タネを採取するのは、花が下向きにうなだれ、花びらが枯れて種子が褐色になったころです。茎ごと切り取って、日陰でよく乾燥させます。炒ると食用にもなります。
  おもな病害虫

  「ひまわり」に発生する、おもな病害虫はつぎのようなものです。

病害虫名

症状
対策

ハダニ類

  葉の裏に寄生して汁を吸います。被害が進むと白っぽく絣(かすり)状になります。

  テルスタースプレーやパイベニカスプレー、園芸用でんぷんスプレーなどの殺虫剤を散布します。

褐斑病

  初夏から秋にかけて、糸状菌によって、葉に褐色や灰白色の斑点がでます。

  初期であれば発病した部位を切り取って焼却し、ダコニール1000やトップジンMスプレー、ベンレート水和剤などの殺菌剤を散布します。

べと病

  とくに梅雨期などに発生し、葉の表面に汚れたような病斑があらわれて拡大します。

  発病した葉を早めに切り取って焼却し、ダコニール1000やサンボルドーなどの殺菌剤を散布します。
  「ひまわり」のQ&A

  Q1:「ひまわり」のタネは食べられますか。
  A1:「ひまわり」のタネは食べられます。ただし、タネが大きくないと実際には食用になりません。「ロシア」や「食用ひまわり」など、タネの大きな品種がおすすめです。十分に熟したタネを、炒ったり塩ゆでしたりして食べます。

  Q2:「ひまわり」の葉が枯れます。
  A2:「ひまわり」の葉、とくに下葉が枯れるのは、水分不足や肥料不足、雨による泥はねや過湿による細菌性の病気が原因と考えられます。株元に敷きわらなどでマルチングしたり、適切な潅水や追肥が大切です。病気が発生した部位を切り取って焼却し、殺菌剤を散布するようにします。

  Q3:「ひまわり」を超ミニサイズで咲かせるには。
  A3:「ひまわり」を超ミニサイズで咲かせるには、分枝性のあるミニひまわりのタネを選びます。まく時期は、9月中旬から3月上旬の短日期です。
連結ポットに1粒ずつタネをまき、本葉が2〜3枚になったころに4号鉢に定植します。本葉が9〜10枚になったころ、本葉8枚を残して摘芯します。およそ7〜10日で脇芽がでます。播種から60日くらいで草丈20センチほどになり、花が咲くようになります。この間、最低でも10〜15℃の温度は必要です。

  画像提供:ボタニックガーデン  イラスト: 「ころぽっくる」 by lemさん
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