くろたねそう(黒種草)



    プロフィール

  キンポウゲ科クロタネソウ属の一年草で、学名は Nigella damascena。

  ヨーロッパ南部の地中海沿岸から北アフリカに分布しています。日当たりの良い砂礫地に生え、高さは20〜60センチになります。ヨーロッパでは16世紀末から栽培され、わが国へは江戸時代に渡来しています。葉は羽状複葉で、小葉は糸状に細裂します。5月から7月ごろ、枝先に青色や白色、紫色などの花を咲かせます。花弁のように見えるのは萼片です。種子は真っ黒で光沢があり、揮発性のニゲラ油が含まれるため芳香があります。別名で「ニゲラ」とも呼ばれます。
  系統・品種と用途

  「くろたねそう」には、さまざまな園芸品種が出回っています。代表的には「ペルシャンジュエル」や「オックスフォードブルー」、「ミスジーキル」、「オックスフォードブルー」などがあります。また果実は球状になり、ドライフラワーといても楽しめます。
  栽培のポイント

  「くろたねそう」を栽培するにあたっての基本条件および栽培のポイントはつぎのとおりです。なお作型は、品種によって異なる場合がありますので、タネ袋に記載されている内容をよく確認してください。

気候区分

作業

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温暖地

種まき

植えつけ

開花


気候区分

まきどき (春|秋)

開花時期 (春|秋)
寒 地 04/中〜05/中   06/下〜08/中  
寒冷地 04/上〜05/上   06/中〜08/上  
温暖地   09/上〜10/上   05/上〜07/上
暖 地   09/中〜10/下   04/中〜06/下

ご注意

  発芽温度は15〜25℃、生育温度は5〜25℃なので、これを外れるときは、加温または遮熱をしてください。

 


152025

発芽適温

18-23

生育適温

15-25

栽培のポイント

  耐寒性は比較的強いですが、耐暑性は弱いものです。

 

pH

5.06.07.0

土壌酸度

6.5-7.0

栽培のポイント

  ほとんど中性に近い土壌を好みます。酸性土壌ではかならず石灰を施し、よく耕してから栽培にとりかかってください。

 


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作付け間隔

0-(1)


栽培のポイント

  ほとんど連作障害はありません。ただいちど栽培したところでは、少なくとも1年は栽培しないほうが無難です。
  栽培のステップ

  「くろたねそう」を栽培するとき、種まきから開花までの作業ステップは、およそつぎのようになります。ここでは、小さなホームガーデンを想定した一般的な方法を説明しています。

 

ステップ

内容

種まき

(1) 3号ポットや連結ポットにタネまき用土を入れ、タネを4〜5粒ずつまきます。タネは嫌光性で明るいと発芽しません。覆土は5ミリほど掛けます。












(2) 直まきの場合は、播種後にタネや覆土が流されてしまうことがあるので注意してください。

(3) 連結ポットにまいたときは、本葉が3〜4枚になったら3号ポットに鉢上げします。

花壇の準備

(1) 酸性土壌に弱いので、植えつけの2週間くらい前までに、1平方メートルあたり100gの苦土石灰を施し、よく耕しておきます。




(2) 元肥として1平方メートルあたり完熟堆肥5kgと、有機配合肥料50gをよくすき混んでおきます。

(3) 鉢植えのときは、赤玉土6、完熟堆肥3、パーライト1に混ぜたものに緩効性肥料を加えて用土とします。

植えつけ

(1) 3号ポットに根が回ってきたら、根を傷めないようにして、日当たりと水はけのよいところに20〜25センチ間隔に定植します。




生育管理

(1) やや乾燥気味に管理します。










(2) 肥料が多いと軟弱に育ち、倒れやすくなるので、追肥は必要に応じて少なめに与えます。

(3) 耐寒性が比較的強いので、ほとんど防寒の必要はありません。必要に応じて霜除けをしてください。

(4) 丈夫な植物で、花がら摘みなどの手入れが不要です。ただ風通しが悪くなるとアブラムシが発生したり、病気になりやすくなります。







  おもな病害虫

  風通しが悪いときやチッ素過多のときによく「アブラムシ」が発生します。また「うどんこ病」も発生することがあります。
  「くろたねそう」のQ&A

  Q1:「くろたねそう」の芽がでません。
  A1:「くろたねそう」は嫌光性で、タネが明るい場所だと発芽しないので、かならず5mmほどの覆土を掛けます。直まきの場合は、播種後にタネや覆土が流されてしまうことがあるので注意してください。

  Q2:「くろたねそう」をドライフラワーにするには。
  A2:「くろたねそう」をドライフラワーにするには、花後にできる果実が熟したころに枝を切り、雨の当たらない風通しのよい日陰で、逆さにつるして乾燥させます。
  写真提供: 「ボタニックガーデン」  イラスト: 「ころぽっくる」 by lemさん
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