まつばぼたん(松葉牡丹)
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プロフィール
スベリヒユ科スベリヒユ属の多年草で、学名は Portulaca glandiflora。
南アメリカのブラジルからアルゼンチンにかけてが原産です。葉が松葉に、花が牡丹に似ているのことから名づけられました。夏の暑さや乾燥に強く、赤色やピンク、黄色、白色それに橙色などの花を咲かせます。別名で「つめきりそう」とも呼ばれますが、枝先をツメで切って挿せば簡単に増やせることから。
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系統・品種と用途
「まつばぼたん」は、7℃以下では冬越しできないので、わが国では、春まきの一年草として扱われています。草丈は10〜15センチほどで、一重咲き品種と八重咲き品種、大輪咲き品種などがあります。花は一日花で、ふつうは昼過ぎにはしぼんでしまいますが、改良された品種では夕方まで咲き続けるものがあります。
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栽培のポイント
「まつばぼたん」を栽培するにあたっての基本条件および栽培のポイントはつぎのとおりです。なお作型は、品種によって異なる場合がありますので、タネ袋に記載されている内容をよく確認してください。
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気候区分
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作業
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1
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2
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3
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4
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8
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9
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10
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11
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12
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温暖地 |
種まき |
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植えつけ |
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花期 |
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気候区分
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まきどき (春|秋)
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開花時期 (春|秋)
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寒 地 |
05/上〜06/下 |
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07/中〜09/下 |
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寒冷地 |
04/下〜06/中 |
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07/中〜10/上 |
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温暖地 |
04/中〜06/中 |
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07/上〜10/中 |
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暖 地 |
04/上〜06/上 |
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06/下〜10/下 |
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ご注意
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発芽温度は15〜30℃、生育温度は10〜35℃なので、これを外れるときは、加温または遮熱をしてください。
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℃
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152025
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発芽適温
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20-25
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生育適温
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15-30
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栽培のポイント
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暑さや乾燥に強い草花なので、夏花壇には最適です。
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pH
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5.06.07.0
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土壌酸度
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6.0-6.5
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栽培のポイント
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水はけのよい、中性に近い弱酸性を好みます。強い酸性土壌では石灰を施し、よく耕してから栽培にとりかかってください。
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年
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0 |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
栽培間隔
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1-(2)
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栽培のポイント
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いちど栽培したところでは、少なくとも1年は栽培しないようにしてください。
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栽培のステップ
「まつばぼたん」を栽培するとき、種まきから開花期までの作業ステップは、およそつぎのようになります。ここでは、小さなホームガーデンを想定した一般的な方法を説明しています。
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ステップ
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内容
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種まき・育苗
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(1) タネが細かいので、ピートモスとパーライトを同量混ぜた用土またはタネ用の培養土を入れた連結ポットや育苗箱か、ピートバンにばらまきします。覆土はしないで軽く押さえ、雨にあたらないような場所におきます。
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(2) 本葉が5〜6枚になったら、3号ポットに鉢上げし、育苗します。
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植えつけ
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(1) 庭植えの場合は、1平方メートルあたり完熟堆肥5kg、それに苦土石灰100g、有機配合肥料50gをすき込みます。
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(2) 鉢植えの場合は、赤玉土小粒7に腐葉土3の割合で混ぜたものに緩効性肥料を加えて用土とします。
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(3) ポットに根が回ったころ、日当たりと水はけのよい場所に、株間20〜25センチで植えつけるか、5号鉢に1株を目安に植えつけます。
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(4) 肥料は、ほとんど必要ありません。2週間に1回、液肥を与えるか、有機固形肥料を少量施すだけで十分です。
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生育管理
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(1) 日陰に植えると、株の成長が極端に悪く、花も咲かないので、できるだけ日当たりのよい場所で育ててください。
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(2) 土が乾いてきたら水やりをしますが、乾燥気味のほうがよく育ちます。また、密植すると株もとが腐ることがありますので、風通しに注意してください。
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(3) 数回ほど摘芯しておくと、よく分枝します。摘み取った枝は、容易に挿し木できます。
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(4) 株を弱らせないように、花がらはこまめに摘むようにします。
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おもな病害虫
「まつばぼたん」にはほとんど病気はありまません。おもな病害虫は、つぎのようなものです。
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病害虫名
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症状
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対策
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アブラムシ類
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体長2〜4ミリの小さな虫が、新芽や茎に群がって汁を吸います。
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パイベニカ乳剤やオレート液剤などの殺虫剤を散布します。小面積の散布には、スプレータイプが手軽です。
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「まつばぼたん」のQ&A
Q1:「まつばぼたん」のタネが発芽しません。
A1:「まつばぼたん」のタネは非常に細かいので、花壇やプランターの粗い土にまくと深く潜ってしまい、発芽しないことがあります。タネまき用土を入れた連結ポットや育苗箱、ピートバンなどにばらまきします。覆土はしないで軽く押さえ、雨にあたらないような場所において、静かに水やりします。
Q2:「まつばぼたん」の花色は苗のときにわかりますか。
A2:「まつばぼたん」の花色は、苗の葉や茎の色でおよその検討がつきます。一般に花色の淡いもの(白、黄など)では緑色に、花色の濃いもの(赤や濃桃など)では紅色を帯びる傾向があります。
Q3:「まつばぼたん」は摘芯しますか。
A3:「まつばぼたん」は、茎が伸び始めたら摘芯をくり返します。そうすると子枝が多く出て、こんもりとしたよい株になります。
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写真提供: 「ボタニックガーデン」 イラスト: 「ころぽっくる」 by lemさん
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