むらさきつめくさ(紫詰草)

    プロフィール

  マメ科シャジクソウ属の多年草で、学名は Trifolium pratense。英名は Red clover。
  ユーラシア大陸が原産です。わが国へは明治時代のはじめ、牧草として輸入されました。今では各地の道端や草地に野生化しています。「しろつめくさ(白詰草)」よりも大きく、高さは50〜60センチになります。5月から8月ごろ、茎の先の球状花序に、小さな紅紫色の花を咲かせます。別名で「あかつめくさ(赤詰草)」や「赤クローバー」とも呼ばれます。
  系統・品種と用途

  「むらさきつめくさ」は、グランドカバーや緑肥に利用される宿根草です。根は強い直根と多数の繊維根からなり、冷涼で湿潤な気候を好みます。
  栽培のポイント

  「むらさきつめくさ」を栽培するにあたっての基本条件および栽培のポイントはつぎのとおりです。なお作型は、品種によって異なる場合がありますので、タネ袋に記載されている内容をよく確認してください。

気候区分

作業

1

2

3

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5

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9

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11

12

温暖地

種まき

植えつけ

花期
 (Spring)
 (Fall)

気候区分

まきどき (春|秋)

収穫時期 (春|秋)
寒 地 04/中〜05/中 08/上〜08/下 07/下〜08/下 05/下〜08/下
寒冷地 04/上〜05/下 09/上〜10/上 07/中〜09/上 05/中〜09/上
温暖地 03/上〜06/上 09/上〜10/下 07/中〜09/中 05/上〜09/中
暖 地 03/上〜06/上 09/中〜11/中 07/上〜09/下 04/上〜09/下

ご注意

  発芽温度は10〜30℃、生育温度は5〜30℃なので、これを外れるときは、加温または遮熱をしてください。

 


152025

発芽適温

15-20

生育適温

10-20

栽培のポイント

  日当たりと水はけのよい場所を好みます。半日陰でも生育します。また、耐寒性は強いです。

 

pH

5.06.07.0

土壌酸度

6.0-7.0

栽培のポイント

  水はけのよい、中性に近い弱酸性の土壌を好みます。酸性土壌では石灰を施し、よく耕してから栽培にとりかかってください。

 


0

1

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3

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5

6

7

8

9

10

栽培間隔

1-(2)


栽培のポイント

  いちど栽培したところでは、少なくとも1年は休栽してください。
  栽培のステップ

  「むらさきつめくさ」を栽培するとき、種まきから開花期までの作業ステップは、およそつぎのようになります。ここでは、小さなホームガーデンを想定した一般的な方法を説明しています。

 

ステップ

内容

種まき・育苗

(1) 3号ポットや連結ポットにタネまき用土を入れ、3〜4粒をまきます。覆土は1センチくらい掛けるようにします。








(2) 本葉が2〜3枚のころに間引いて1本立ちにし、本葉が5〜6枚になるまで育苗します。

(3) 直まきするときは、播種前に雑草を取り除き、1平方メートルあたり苦土石灰100gと完熟堆肥3kg、それに有機配合肥料30gをすき込んで、よく耕しておきます。床土を平らにして、タネを重ならないようにバラまきし、タネが隠れる程度に土をかけます。

花壇の準備

(1) 庭植えの場合は、植え付けの2週間以上前に、1平方メートルあたり苦土石灰100gと完熟堆肥3kg、それに有機配合肥料30gをすき込んでおきます。




(2) 鉢植えの場合は、赤玉土小粒7に腐葉土3の割合で混ぜたものに有機配合肥料を加えたものを用土とします。

植えつけ

(1) 日当たりと水はけのよい場所に、株間20〜30センチほどの間隔に植えつけます。移植を嫌うので、根鉢は崩さないようにします。
  7号鉢に1株、65センチプランターには4株が目安です。






(2) 耐寒性がありますが、暖地以外では霜よけや敷きわらなどで防寒してください。




生育管理

(1) 水やりは、土の表面が乾いたら与えてください。

Crimson clover

Crimson clover

Crimson clover


(2) マメ科の植物なので、ほとんど追肥は不要です。施すときは、窒素分は控えめにしてください。

(3) 春になるとアブラムシ類やハダニ類が発生しやすいので、防除に注意してください。
  おもな病害虫

  「むらさきつめくさ」には、アブラムシ類やハダニ類がよくつくので注意してください。また、「うどんこ病」にも罹りやすいので、そのときは切り戻しで対応します。
  画像提供:ボタニックガーデン  イラスト: 「ころぽっくる」 by lemさん
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