
せいようしば(西洋芝)


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プロフィール

しば(芝)は、人工的に群生させ、刈り込みなどの管理を行って地表面を被覆する、イネ科の多年草の総称です。わが国においては、大きく「日本しば」と「西洋しば」に分類されています。イネ科のなかでも、シバ属のほか、ウシノケグサ属やナガハグサ属、ギョウギシバ属、ドクムギ属、ヌカボ属などがおもに利用されています。
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系統・品種と用途

「西洋しば」は、その生育環境の相違から、「夏型しば(暖地型のしば)」と「冬型しば(寒地型のしば)」とに分けられます。ふつうに市販されているのは、耐暑性をもつように改良された冬型しばの混合です。
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栽培のポイント

「せいようしば」を栽培するにあたっての基本条件および栽培のポイントはつぎのとおりです。なお作型は、品種によって異なる場合がありますので、タネ袋に記載されている内容をよく確認してください。
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 気候区分
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 作業
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 温暖地 |
 種まき |
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 気候区分
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 まきどき (春|秋)
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 開花時期 (春|秋)
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| 寒 地 |
04/中〜06/下 |
08/上〜09/下 |
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| 寒冷地 |
04/上〜06/中 |
08/中〜10/上 |
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| 温暖地 |
03/下〜06/上 |
08/下〜10/中 |
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| 暖 地 |
03/中〜05/下 |
09/上〜10/下 |
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ご注意
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発芽温度は10〜25℃、生育温度は10〜25℃なので、これを外れるときは、加温または遮熱をしてください。
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℃
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15 20 25
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発芽適温
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15-20
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生育適温
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15-20
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栽培のポイント
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比較的冷涼な気候を好みます。日当たりの良い場所で、十分に日光をあてて栽培してください。
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pH
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5.0 6.0 7.0
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土壌酸度
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5.5-6.5
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栽培のポイント
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あまり土壌を選びませんが、砂質で水はけのよい、やや弱酸性の土壌を好みます。
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年
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 0 |
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 10 |

栽培間隔
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0
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栽培のポイント
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ほとんど連作障害はありません。
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栽培のステップ

「せいようしば」を栽培するとき、種まきから開花期までの作業ステップは、およそつぎのようになります。ここでは、小さなホームガーデンを想定した一般的な方法を説明しています。

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ステップ
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内容
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整地
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(1) 庭の土を20センチほどの深さに耕し、1平方メートルあたり100〜150gの有機配合肥料と砂を入れてよく混ぜます。
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(2) レーキで均したあと平均に踏み固め、さらにレーキをかけます。
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(3) 中性に近い弱酸性の土壌を好みますが、酸性が強いときは石灰を施して酸度調整をしてください。
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タネまき
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(1) タネを均等にばらまきします。少量ずつ、まく方向を変えながらまいてください。播種量の目安は、1平方メートルあたり40〜60gです。
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(2) 飛砂防止用にまくときの播種量の目安は、1平方メートルあたり5〜15gです。
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(3) 播種後に、芝目土を種子が隠れるまで均一にまきます。平均3センチくらいの覆土であればOKです。
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(4) タネが風で飛んだり、鳥に食害されないために不織布などで被い、たっぷりと水やりをします。
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生育管理
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(1) 発芽するまでの2週間ほどは、土が乾かないよう、水やりに注意してください。
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(2) 発芽後、1センチくらいに伸びたら不織布を外します。
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(3) 草丈が4〜5センチくらいに伸びたら、1回目の刈り込みをします。刈り高は徐々に低くしてください。家庭での刈り込みの高さは2〜3センチです。その後、3月から11月の生育期に、定期的に月1〜3回ほど刈り込みをしてください。
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(4) 一般的に寒さには強いですが、真夏の暑さは苦手です。「夏バテ」を軽減するため、朝夕に十分水やりをしてください。ただし真昼の高温時の水やりは、蒸れて病気の原因にもなりますので、控えるようにしてください。
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(5) 追肥には、芝生用の肥料を年に4〜5回与えます。さらに目土は、年に2〜3回施してください。目土に肥料を混ぜて、一緒に施すと楽です。
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おもな病害虫

「せいようしば」を、過湿にしたり過乾燥にすると、さまざまな病気が発生します。
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病害虫名
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症状
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対策
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ピシウム菌
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過湿などの要因で、クモの巣状の白い菌糸がつきます。
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シバクリンなどの殺菌剤を散布します。
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立ち枯れ病
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生育初期に、黄化して萎れたようになります。
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ダコニールなどの殺菌剤を散布します。
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葉枯れ病
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夏季に過乾燥になると、葉に黒い煤がついたような状態になります。
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トップジンMやトリフミンなどの殺菌剤を散布します。
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「せいようしば」のQ&A

Q1:「せいようしば」とは何ですか。
A1:「せいようしば」は、冬芝(寒地型しば)とも呼ばれます。冬も緑を保っていますが、夏には弱く、「夏バテ」をしてしまいます。おもな品種としては、「ケンタッキーブルーグラス」や「ペレニアルライグラス」などの寒地型しばがあげられます。ただ、「バミューダグラス」や「センチピードグラス」などの、暖地型しばも西洋芝と呼ばれます。寒地型しばは、北海道では春まきか夏まき、本州では秋まきが基本です。

Q2:「せいようしば」のまき時は。
A2:「寒地型しば」のまき時は、ふつう次のようです。 北海道では8〜9月、もしくは5〜6月ごろにまきます。本州では9〜10月ごろが適期です。タネは春でもまくことができますが、雑草が多くはびこるという欠点があります。適期まきでは、10〜20日で芽を出し、50〜70日できれいなターフになります。

Q3:「せいようしば」の品種と播種量は。
A3:「せいようしば」は、寒地型しばのなかでも耐暑性の優れた品種と寒さに強い品種をブレンドしたものです。ふつうトールフェスク50%、ケンタッキーブルーグラス25%、クリーピングレッドフェスク20%、それにベントグラス5%という割合になっています。播種量の目安は1平方メートルあたり40〜60グラム(1〜1.6デシリットル)です。
(1) トールフェスク: 寒地型しばの中では、耐暑性が非常に高い品種です。分けつが多く株状になります。葉は濃い緑色で粗剛、刈り込み抵抗性も強い品種です。北海道から九州・沖縄まで全国で利用されています。
(2) ケンタッキーブルーグラス: 寒地型しばの中では、最もポピュラーな品種です。地下のほふく茎によって旺盛に広がります。タネの発芽や初期生育の遅いのが欠点です。葉は繊細でやわらかく、密度の高い美しい芝生を形成します。北海道や東北、高冷地などの冷涼地域で利用される芝生の基本品種です。
(3) クリーピングレッドフェスク: 細葉フェスクともいい、耐陰性が強い品種です。地下の短いほふく茎によって広がります。葉は細く肉厚で、かたい感じがします。おもに冬芝の混播に用いられます。
(4) ベントグラス: 冷涼な気候を好む寒地型しばです。地上の長いほふく茎で広がります。葉は繊細でやわらかく、密度の高い美しい芝生を形成します。極度の低刈りや頻繁な刈り込みにも耐えます。

Q4:「にほんしば」とは何ですか。
A4:「にほんしば」は、夏芝(暖地型しば)とも呼ばれ、気温が10℃を下回ると活動を停止し休眠、葉は枯れてしまいます。これが「枯れ芝」。春になって気温が15℃になると休眠から醒め、活動を再開。これが「若芝」。夏になると青々とした「青芝」になります。品種としては、わが国やアジアが原産の「のしば(野芝)」や「こうらいしば(高麗芝)」があります。暖地型しばは、春まきが基本です。

Q5:「せいようしば」は全国で栽培できますか。
A5:佐賀県では、「佐賀県環境の保全と創造に関する条例」により、「おにうしのけぐさ(トールフェスク)」や「とうこまつなぎ」、「しなだれすずめがや(ウィーピングラブグラス)」などの移入指定種の栽培が禁止されています。
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写真提供: 「ボタニックガーデン」 イラスト: 「ころぽっくる」 by lemさん
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