寒起こしのすすめ


  1.はじめに

冬、畑に空きスペースができたときに行いたいのが「寒起こし」です。地方によっては「寒ざらし」と呼ぶこともありますが、霜が降りる厳寒期に土を掘り起こし、土を寒気にあてる作業をいいます。その時期は、関東地方以西では1月後半から2月が適期といわれています。関東地方以北なら、土が凍結してスコップが入らなくなる前の12月、あるいは少し寒さが緩む2月下旬ごろがいいでしょう。
  2.「寒起こし」の目的

(1) 寒さで病害虫や病原菌を死滅させるため(土壌消毒)
(2) 土の中に含まれる水分が夜に寒さで凍り、日中には解けて乾燥することを繰り返すことで、土壌の団粒化を促進するため(団粒化)
(3) 冬に繁殖する雑草が増えるのを抑制するため(雑草防除)
  3.「寒起こし」の手順
  (1) 畝にある野菜の残滓や雑草、害虫の幼虫やサナギを除去して、深さ20~30センチくらいまで土を掘り起こします。ミミズは除かずにそのままで。くわやスコップで行いますが、表面は荒れたままにします。
  (2) 病虫害の被害がある場合は、有機栽培でなければ、石灰窒素を併用するのがおすすめです。線虫類や根こぶ病、一年草の雑草のタネの防除などに効果があります。ただ散布後は、2~3週間ほど経過してから栽培を始める必要があります。

   ○(取り扱い上の注意)石灰窒素に含まれるシアナミド(農薬の成分)及びアルカリ分は人体・動植物に影響を与えます。従って、散布するときは、吸い込まないようにすること、皮膚につかないようにすること、作業後、洗眼やうがいをすることも必要です。また、周囲に飛散しないように気をつけ、夏期高温時には使用しないことが必要です。なお石灰窒素は、有機栽培では不適合資材とされています。
(3) 微生物のエサとなる養分が豊富な「米ぬか」を、1平方メートルあたり2つかみほどふりかけておきます。
(4)「寒起こし」から1か月を経過したころに、完熟堆肥や腐葉土、苦土石灰を施し、よく耕してから畝を立てます。
  写真提供: 「ボタニックガーデン」
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