5.タネの発芽に必要な要素

野菜や花のタネが発芽するには、水分と適正な温度、それに酸素が必要です。これは、種類によって異なります。
この条件が満たされないと、タネが発芽しない(タネが死んでしまった)という状況になります。
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(1) 水分
タネが発芽するには、水分が必要です。イネ科のタネは重さの25〜30%、マメ科のタネは80〜120%吸収します。この水分の量は多すぎても少なすぎても良くありません。
水分が多すぎると、酸素の供給が妨げられ、発芽が阻害されますし、少なすぎると発芽に必要な量を吸収できず、発芽遅れや、成長が停止します。
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(水分不足で発芽しない)
○せっかく芽が出ようとしているのに、水切れさせてしまった。芽は土中で枯れてしまうので、もう発芽しません。
○まき床やポットの土は、いつも適度に湿っている状態を保つ事が大切です。(発芽までは、毎朝水やりするのが原則。土の表面が乾いていたら。)
(水分過剰で発芽しない)
○大粒のタネの場合、ぜんぜん芽が出てこないのは、こういう場合が多いもの。たねまき用土はなるべく水はけの良いものを使います。
○また、大粒のタネの場合は、土が乾く直前まで水を控え、乾き気味に管理するのがポイント。とくに、芽が出る前に雨に当てるのは避けたいものです。
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(2) 温度
ふつうタネは5℃くらいの低温から発芽し始め(発芽最低温度)、だんだん温度が上がるつれて発芽も良好になります。この最高点が発芽適温です。さらに温度を上げていくと逆に発芽が悪くなり、まったく発芽しなくなります。(発芽最高温度)
販売されているタネの発芽率は、この発芽適温で行われています。また、タネのなかには「なす」や「みつば」のように、一定の温度では発芽しにくいものもあり、発芽試験も変温条件で行われています。
ふつうの野菜のタネは20℃〜25℃を発芽適温とするものが多いですが、30℃以上の高温を好むもの(すいか、かぼちゃ、スイートコーン、大豆、いね)や、反対に20℃以下の低温を好むもの(ほうれんそう、レタス、セロリー、えんどう、そらまめ、ねぎ、たまねぎ)などがあります。
(発芽温度を守れなかった)
○温度は高すぎても、低すぎても芽は出てきません。
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(3) 酸素
あまりにも深い覆土とか水浸しという場合を除いて、酸素は空気中に十分にあるため通常は問題になりません。一般に10%以上の酸素濃度を必要としますが(空気中の酸素濃度は約21%)、これも種類によりかなりのばらつきがあります。
(酸素不足)
○タネが発芽するときには、呼吸作用がさかんになり多くの酸素を必要とします。深まきしすぎたり、まき床が水浸しになって酸素不足が原因で発芽できない事もあります。(長雨が予想されるときに、マメ科のタネをまくと、土のなかで窒息状態になり、腐敗してしまうことがあります。)
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(4) 光
タネが発芽するとき、光の存在によって発芽が促進されるタネを好光性種子、反対に抑制される種子を嫌光性種子といいます。ただ、光の影響は発芽温度によってかなり変化します。また、この中間で光の影響をまったく受けない中間性の種子もあります
ふつう覆土は、タネの大きさの2〜3倍にします。好光性種子の場合は、覆土はせいぜい2〜3ミリ、覆土をせず軽く転圧して敷き藁をしておく方法もあります。
●好光性種子
「しそ」、「みつば」、「セロリ」、「にんじん」、「しゅんぎく」、「レタス」、「ごぼう」、「いんげんまめ」、「おだまき」、「きんぎょそう」、「ひなぎく」、「トルコぎきょう」、「ペチュニア」、「まつばぼたん」、「ちどりそう」
●嫌光性種子
「だいこん」、「ねぎ」、「たまねぎ」、「にら」、「かぼちゃ」、「すいか」、「しろうり」、「まくわうり」、「きゅうり」、「トマト」、「なす」、「アイスランドポピー」、「ガザニア」、「きんれんか」、「にちにちそう」、「ニゲラ」
(タネの性質を考えず覆土をした、またはしなかった)
○好光性種子は覆土が深いと発芽しません。逆に嫌光性種子に覆土しなかった場合も、芽が出ません。
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