えびすぐさ(夷草)






    プロフィール

  ジャケツイバラ科カワラケツメイ属の一年草で、学名は Cassia obtusifolia。
  アメリカの南東部から中央アメリカ、それに南アメリカの熱帯地域に分布しています。海岸平野から丘陵に生え、高さは1〜2メートルになります。わが国へは江戸時代に薬用植物として中国から渡来しました。葉は偶数羽状複葉で、小葉は倒卵形をしています。8月から9月ごろ、葉腋から花柄を伸ばし黄色い花を咲かせます。果実は莢果で弓なりに曲がり、長さが15センチほどになります。種子は漢方では決明子(けつめいし)と呼ばれ、下剤などの薬用にされたり、ハブ茶の原料にもなります。
  系統・品種と用途

  植物体の大きさや豆果の形状は、各地の栽培在来種により差異が見られますが、品種としての分化はありません。ハブ茶は種子を焙煎して煮出したもので、香ばしさと、ほのかな甘みがあり、リラックス効果や目の健康維持、便秘改善などに効果があると言います。
  栽培のポイント

  「えびすぐさ」を栽培するにあたっての基本条件および栽培のポイントはつぎのとおりです。なお作型は、品種によって異なる場合がありますので、タネ袋に記載されている内容をよく確認してください。

  寒地(北海道)や寒冷地(東北・北陸)では、生育に適する夏季高温時期が短いので、栽培には不適とされます。ただ寒冷地でも東北南部や北陸においては、加温発芽・育苗を行うことによって、多少の収穫は期待できます。

気候区分

作業

1

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寒冷地
種まき
(加温)

植えつけ

収穫

気候区分

作業

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12
温暖地
種まき

収穫

気候区分

まきどき (春|秋)

収穫時期 (春|秋)
寒 地 栽培不適      
寒冷地 04/上〜04/下   10/中〜10/下  
温暖地 06/上〜07/中   09/中〜10/下  
暖 地 05/下〜07/中   09/中〜10/下  

ご注意

  発芽温度は15〜35℃、生育温度は15〜40℃なので、これを外れるときは、加温または遮熱をしてください。

 


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発芽適温

25-35

生育適温

25-35

栽培のポイント

  高温性・短日性の植物で、15℃以上の気温でよく育ちます。寒さには弱く、10℃以下になると枯死します。

 

pH

5.06.07.0

土壌酸度

6.0-7.0

栽培のポイント

  土壌酸度はあまり気にせず、pH5.0〜8.0 に正常に生育できます。最適な土壌酸度は pH6.0〜7.0 です。強酸性土壌ではかならず石灰を施し、よく耕してから栽培にとりかかってください。土性は選びませんが、水はけのよいことが必要です。

 


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作付け間隔

2-(3)


栽培のポイント

  連作障害の出やすい野菜です。いちど栽培したところでは、少なくとも2年は栽培しないようにしてください。
  栽培のステップ

  「えびすまめ」を栽培するとき、種まきから収穫までの作業ステップは、およそつぎのようになります。ここでは、小さなホームガーデンを想定した一般的な方法を説明しています。

 

ステップ

内容

種まき・育苗

(1) 3号ポットにタネまき用土を入れ、タネを3〜4粒、間隔をあけて、人差し指1節くらいの深さにあけた穴にまきます。覆土をして、軽く手で押さえます。






(2) たっぷりと水を与え、植えつけまで日当たりのよいところで育てます。また温度が15℃以上ないと発芽しないので、ヒーターなどで加温して育てます。

(3) 本葉が2枚に育ったころ、成長の遅れているものを間引いて、2本立てにします。

畑の準備

(1) 強酸性土壌に弱いので、植えつけの2週間くらい前までに、必要があれば1平方メートルあたり100〜150gの苦土石灰を施し、よく耕します。




(2) 畝の全体に、1平方メートルあたり2〜3kgの完熟堆肥と100gほどの有機配合肥料を施し、よく耕します。幅90センチ、高さ10センチほどの畝を立てます。
  「えびすぐさ」は養分吸収能力が非常に強く、窒素固定機能もありますので、前作が野菜などほ場の残肥が多い場合は、元肥を施さなくてもかまいません。

植えつけ

(1) 本葉が4枚になったころ、条間45センチで、株間30〜40センチに植え穴をあけ、根を傷めないように注意して、苗を植えつけます。




(2) 温暖地や暖地では、タネはふつう直まきします。直まきする場合は、条間45センチで、株間30〜40センチに蒔き穴をあけ、タネを3〜4粒ずつまいて育て、間引くようにします。

支柱立て

(1) 高さは1〜2メートルになるので、必要があれば、風による倒伏防止のために支柱を立てます。








(2) 高さが80〜150センチになったら、花が咲き始めます。
ただ子実が肥大するのは開花期の初期にできた莢だけで、開花期の後期に咲く花は着莢しないで、そのまま落花します。

収穫

(1) 開花後50日ほどたつと、子実が成熟して収穫できるようになります。






(2) ふつう葉が枯れて、すべての莢が茶色に変色した後にハサミや鎌で莢の付いている茎を切り取って収穫します。
  おもな病害虫

  「えびすぐさ」には、病害に対する抵抗力が高く、ほとんど病気にかかることはありません。また茎葉に加害する害虫の発生は少ないですが、開花後に花と莢を加害する「コガネムシ」類が出ることがあります。
  「えびすぐさ」のQ&A

  Q1:「ハブ茶」は安全ですか。
  A1:「ハブ茶」はノンカフェインで体に優しいお茶ですが、穏やかな緩下作用があるため、胃腸が弱い方や下痢気味の方、軟便の方は飲みすぎに注意が必要です。成分(アントラキノン誘導体)により腸が慣れて自然な排便力が低下する可能性もあるため、適量を守り、飲みすぎないことが安全に楽しむポイントです。
  写真提供: 「ボタニックガーデン」  イラスト: 「ころぽっくる」 by lemさん
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