エンダイブ(菊苣)



    プロフィール

  キク科キクニガナ属の一年草または二年草で、学名は Cichorium endivia。

  地中海沿岸が原産です。茎は短く、ロゼット状に葉がつきます。葉は品種によって、幅広でフラットであったり、カールしていたり、縮れていたりと様々です。夏、高さ50〜150センチになる花茎を伸ばし、直径4センチほどの淡青色の頭花を咲かせます。
  系統・品種と用途

  栽培されているエンダイブには、おもに2系統の品種があります。ひとつは「カーリー(縮葉)エンダイブ」、もうひとつは「エスカロール(広葉)エンダイブ」です。一般には前者が栽培されます。葉はほろ苦く、特有の風味があり、バター炒めや肉料理のつけ合わせ、サラダ用などに利用されます。
  栽培のポイント

  「エンダイブ」を栽培するにあたっての基本条件および栽培のポイントはつぎのとおりです。なお作型は、品種によって異なる場合がありますので、タネ袋に記載されている内容をよく確認してください。

気候区分

作業

1

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11

12

温暖地

種まき

植えつけ

収穫


気候区分

まきどき (春|秋)

収穫時期 (春|秋)
寒 地 04/下〜06/中   07/下〜10/上  
寒冷地 03/下〜05/上 06/下〜08/上 07/中〜08/中 10/中〜11/下
温暖地 03/上〜04/下 06/上〜07/下 08/中〜09/上 11/中〜12/下
暖 地 02/下〜04/上 05/下〜07/中 08/中〜09/中 11/上〜01/中

ご注意

  発芽温度は15〜25℃、生育温度は10〜25℃なので、これを外れるときは、加温または遮熱をしてください。

 


152025

発芽適温

18-23

生育適温

15-25

栽培のポイント

  冷涼な気候を好み、耐寒性は弱いので、降霜期近くになると生育が止まります。また、高温・長日でトウ立ちするので、夏の早まきは避けます。25℃以上になるとタネが休眠してしまうので注意が必要です。

 

pH

5.06.07.0

土壌酸度

6.0-7.0

栽培のポイント

  ほとんど中性に近い土壌を好みます。酸性土壌ではかならず石灰を施し、よく耕してから栽培にとりかかってください。

 


0

1

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10

作付け間隔

1-(3)


栽培のポイント

  連作障害がでますので、いちど栽培したところでは、少なくとも1年は栽培しないようにしてください。
  栽培のステップ

  「エンダイブ」を栽培するとき、種まきから収穫までの作業ステップは、およそつぎのようになります。ここでは、小さなホームガーデンを想定した一般的な方法を説明しています。

 

ステップ

内容

種まき

(1) 連結ポットや3号ポットにタネまき用土を入れ、4〜5粒ずつまきます。好光性種子なので、覆土はごく薄く、タネが隠れるくらいに掛けます。








(2) 本葉が1〜2枚のころ、間引いて1本立ちにします。

(3) 本葉が4〜5枚になるまで、育苗します。

畑の準備

(1) 酸性土壌に弱いので、植えつけの2週間くらい前までに、1平方メートルあたり100〜150gの苦土石灰を施し、よく耕しておきます。




(2) 元肥として1平方メートルあたり完熟堆肥2〜3kgと、有機配合肥料100〜150gをよくすき混み、幅90センチ、高さ10センチほどの畝を立てます。

植えつけ
追肥

(1) 本葉が4〜5枚になったころ、25〜35センチ間隔に植えつけます。










(2) 植えつけ後2〜3週間たったら、株間に有機配合肥料を追肥として与えます。必要に応じて、下部の直径が15センチくらいになった頃にも、追肥を施します。

遮光軟白

(1) 苦くなりすぎないように、苦みを和らげて、品質をよくするために軟白します。軟白の時期は、株が大きく育ち、内部の葉の重なりが相当密になり、黄変し始めるころとなります。

(2) 軟白は、黒色の遮光フィルムなどをトンネル状にかけ、春は7〜10日、秋は15〜20日、冬は30日くらい行います。日中、30℃以上になるようであれば、換気が必要です。

(3) 本格的な軟白栽培が難しいときは、株がある程度大きく育ったころに、黒色の遮光ネットなどでトンネルをつくり、半遮光栽培をしても構いません。






収穫

(1) 株全体の大きさが直径20〜25センチくらいになったら、株ごと、もしくは外葉から収穫します。




(2) 軟白したときは、内部の葉が十分に黄白色になったころに収穫します。

(3) 半遮光栽培のときは、必要に応じて収穫するようにします。



  おもな病害虫

  「エンダイブ」は、水はけがよくなかったり通風が悪かったりすると病気が発生します。またアブラムシやヨトウムシなどの害虫にも注意が必要です。
  「エンダイブ」のQ&A

  Q1:「エンダイブ」の軟白は必要ですか。
  A1:「エンダイブ」はその独特の苦みが特徴ですが、あまりにも苦いとサラダなど生食には適さなくなります。内部が緑色になるまで日に当ててしまうと、苦みが強くなり、葉質もかたくなります。苦みをやわらげて品質をよくするために、軟白しますが、必ずしも必要ということではありません。黒色の遮光ネットでトンネル被覆をするだけでも、かなり軽減できます。
  写真提供: 「ボタニックガーデン」  イラスト: 「ころぽっくる」 by lemさん
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