めキャベツ(芽キャベツ)


    プロフィール

  アブラナ科アブラナ属の二年草で、学名は Brassica oleracea var. gemmifera。
  食用の芽のために栽培されたキャベツの変種です。高さは60〜120センチになります。その芽は通常、直径1.5〜4センチになり、ミニチュアキャベツのように見えます。別名で、「ひめかんらん(姫甘藍)」とか「こもちかんらん(子持甘藍)」と呼ばれます。
  系統・品種と用途

  「めキャベツ」は、小さい品種と高く伸びる品種の大きく二種類に大別されます。わが国で栽培されているのは、小さい品種で、あまり分化していません。「子持」や「早生子持」、「ファミリーセブン」などが代表種です。
  「めキャベツ」と「ケール」から生まれた「プチヴェール」(非結球芽キャベツ)という品種もあります。
  栽培のポイント

  「めキャベツ」を栽培するにあたっての基本条件および栽培のポイントはつぎのとおりです。なお作型は、品種によって異なる場合がありますので、タネ袋に記載されている内容をよく確認してください。

気候区分

作業

1

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3

4

5

6

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11

12

温暖地

種まき

植えつけ

収穫


気候区分

まきどき (春|秋)

収穫時期 (春|秋)
寒 地 04/上〜05/上   08/中〜12/中  
寒冷地 04/上〜05/上   08/中〜12/中  
温暖地   06/下〜07/下   10/下〜03/上
暖 地   07/上〜08/上   11/上〜03/下

ご注意

  発芽温度は8〜35℃、生育温度は5〜25℃なので、これを外れるときは、加温または遮熱をしてください。

 


152025

発芽適温

15-30

生育適温

15-20

栽培のポイント

  冷涼な気候を好みます。夏の高温には弱いので、敷きワラをして、乾燥を防いてください。

 

pH

5.06.07.0

土壌酸度

6.5-7.0

栽培のポイント

  中性に近い、弱酸性を好みます。強い酸性土壌ではかならず石灰を施し、よく耕してから栽培にとりかかってください。

 


0

1

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8

9

10

作付け間隔

1-(2)


栽培のポイント

  根こぶ病などの連作障害が起こりますので、いちど栽培したところでは、少なくとも1年は栽培しないようにしてください。
  栽培のステップ

  「めキャベツ」を栽培するとき、種まきから収穫までの作業ステップは、およそつぎのようになります。ここでは、小さなホームガーデンを想定した一般的な方法を説明しています。

 

ステップ

内容

種まき・育苗

(1) 3号ポットや連結ポットにタネまき用土を入れ、タネを4〜5粒をまきます。覆土は薄く、タネがかくれる程度にします。たっぷり水を与え、乾かないように発芽までは新聞紙などをかけておきます。






(2) 発芽が揃ったら、3本に間引き、本葉が1〜2枚のころに1本立てにします。

(3) 本葉が5〜6枚になるまで育苗します。

畑の準備

(1) 酸性土壌に弱いので、植えつけの2週間くらい前までに、1平方メートルあたり100gの苦土石灰を施し、よく耕します。




(2) 畝の真ん中に深さ20〜30センチの溝を掘るか、全面に1平方メートルあたり2kgの完熟堆肥と100gほどの有機配合肥料を施し、よく耕します。幅90センチ、高さ10センチほどの畝を立てます。

植えつけ

(1) 播種から1か月半、本葉が5〜6枚くらいに育ったころ、条間45センチ、株間40センチくらいに植えつけます。根鉢は崩さないようにしてください。






(2) 植えつけの後にたっぷりと水を与えます。

(3) 風あたりが強いところでは、支柱を立てて倒伏を防ぎます。

追肥・管理

(1) 下方のわき芽が結球し始めたころ、畝の両側に有機配合肥料を施して土寄せします。








(2) 第1回追肥の3〜4週間後、2回目の追肥を施し、土寄せします。その後、生育に応じて2回くらい追肥し、肥切れさせないようにします。

(3) 春まきのときは、高温乾燥期に入ったら、畝全面に敷きワラをします。

摘葉・収穫

(1) 結球が進むにつれて、下の方から勢いの弱った葉を摘み取ります。育ちの悪いわき芽も、早めにかき取ります。










(2) 球径が2〜3センチになったものを、下部から順次もぎ取って収穫します。結球しない不良球は、早めに取り除きます。

(3) とり遅れて雨にあうと割れてしまうので注意します。
  おもな病害虫

  「めキャベツ」には害虫がつきやすいので注意が必要です。また、連作すると根こぶ病や萎黄病などが発生します。
  「めキャベツ」のQ&A

  Q1:「めキャベツ」のよい球をつくるには。
  A1:「めキャベツ」は、5〜13℃の適温でよい球ができます。とくに高温下ではよく結球しません。またタネまきが遅くなると、茎葉が大きくなる前に結球するので、球が小さくなってしまいます。そのため適期に蒔くことが必要です。寒地・寒冷地では4月上旬から5月上旬、中間地や暖地では7月が蒔き時となります。結球してきたら、下葉はかきとります。とり遅れると、球の肥大の邪魔になったり、病虫害の発生源になります。

  Q2:「めキャベツ」の葉かきは必要ですか。
  A2:「めキャベツ」や「プチヴェール(非結球めキャベツ)」では、日当たりと風通しを良くしてわき芽の肥大する環境とスペースを確保してやる作業が必要になります。この葉かき(摘葉作業)は、10月ごろになって、わき芽がゆるく結球し始めたら、頂部の葉を10枚ほど残してその他の葉は全て切り落とします。これは一時に行わず、わき芽の成長に合わせて下から順に古い葉を切り取っていくようにします。この葉かきとともに、株元から10節目位までにある形の悪い芽は早めに摘み取っておきます。(下芽かき)

  写真提供: 「ボタニックガーデン」  イラスト: 「ころぽっくる」 by lemさん
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