なたまめ(鉈豆)
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プロフィール
マメ科ナタマメ属の一年草で、学名は Canavalia gladiata。
熱帯アジアまたは熱帯アフリカが原産だと考えられています。わが国へは江戸時代の初めに渡来しました。葉は長い柄のある3出複葉で大型です。夏に、淡紅色または白色の蝶形花を咲かせます。莢果は11月ごろ、長さ30センチ、幅5センチほどになります。別名で「たてわき(帯刀)」とも呼ばれますが、いずれもこの莢のかたちからです。
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系統・品種と用途
「なたまめ」には大きく分けて「あかなたまめ(赤鉈花)と「たちなたまめ)立ち鉈豆)、それに「しろなたまめ(白鉈豆)の3つがあります。「しろなたまめ」以外には豆に弱い毒性が含まれていますが、いずれの若い「なたまめ」の茎葉や若い莢には毒成分は含まれていません。
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栽培のポイント
「なたまめ」を栽培するにあたっての基本条件および栽培のポイントはつぎのとおりです。なお作型は、品種によって異なる場合がありますので、タネ袋に記載されている内容をよく確認してください。
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気候区分
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作業
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1
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2
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3
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4
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5
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6
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7
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8
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9
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10
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11
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12
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温暖地 |
種まき |
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植えつけ |
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収穫 |
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気候区分
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まきどき (春|秋)
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収穫時期 (春|秋)
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寒 地 |
05/下〜06/中 |
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08/下〜10/上 |
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寒冷地 |
05/中〜06/中 |
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08/中〜10/中 |
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温暖地 |
05/上〜06/中 |
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08/上〜10/中 |
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暖 地 |
04/下〜06/下 |
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07/下〜10/下 |
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ご注意
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発芽温度は15〜35℃、生育温度は15〜40℃なので、これを外れるときは、加温または遮熱をしてください。
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℃
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152025
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発芽適温
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25-30
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生育適温
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25-35
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栽培のポイント
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発芽適温や生育適温が高いので、気温が安定して20℃を超えるようになったら始めましょう。
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pH
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5.06.07.0
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土壌酸度
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5.0-6.0
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栽培のポイント
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中性に近い弱酸性土壌を好みます。強い酸性土壌ではかならず石灰を施し、よく耕してから栽培にとりかかってください。
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年
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0 |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
作付け間隔
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3-4
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栽培のポイント
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連作障害がでますので、いちど栽培したところでは、少なくとも3年は栽培しないようにしてください。
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栽培のステップ
「なたまめ」を栽培するとき、種まきから収穫までの作業ステップは、およそつぎのようになります。ここでは、小さなホームガーデンを想定した一般的な方法を説明しています。
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ステップ
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内容
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種まき
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(1) 3〜4号ポットにタネまき用土を入れ、タネを1粒、「おはぐろ」の部分を下に向けて差し込みます。覆土をして、軽く手で押さえます。
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(2) たっぷりと水を与え、植えつけまで日当たりのよいところで育てます。
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(3) 本葉が4〜5枚になるまで育苗します。
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畑の準備
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(1) 酸性土壌に弱いので、植えつけの2週間くらい前までに、1平方メートルあたり100〜120gの苦土石灰を施し、よく耕しておきます。
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(2) 元肥として1平方メートルあたり完熟堆肥2kgと、有機配合肥料50〜100をよくすき混み、幅90センチ、高さ10センチほどの畝を立てます。
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植えつけ
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(1) 本葉が4〜5枚くらいに育ったころに植えつけます。
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(2) 畝に、条間45センチ、株間30〜45センチで植え穴をあけ、苗を植えつけます。8号鉢に1株、65センチのプランターなら2株が植えられます。
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支柱立て 整枝・追肥
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(1) 蔓がよく伸びるので1.8〜2メートルくらいの支柱を立てて誘引します。
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(2) 茂りすぎると花がつかないことがあるので、親蔓と株元からでる小蔓を数本残して仕立て、他の脇芽は摘み取るようにします。また、支柱の上まで伸びた蔓は、摘芯します。
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(3) 着果後は、1〜2週間の間隔で、有機配合肥料30gを追肥して、草勢を保つようにします。肥料が切れると、うどんこ病などの病気に罹りやすくなり、また花が咲いても着果しなくなります。
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収穫
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(1) 若莢を利用するときは、開花後2〜3週間たって、莢の長さが10センチほどになったころに収穫します。採り遅れると莢が硬くなり、食味も劣ります。
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(2) 豆を収穫するときは、着果後100日くらいが過ぎ、莢の長さが25〜30センチなって種子が成熟したころになります。寒地や寒冷地では栽培期間が足りないため、豆の収穫までは難しいでしょう。
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おもな病害虫
「なたまめ」には、アブラムシやカメムシ、コナジラミ、ハダニなどの害虫がつき、また「うどんこ病」や「菌核病」などの病気も発生します。
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「なたまめ」のQ&A
Q1:「なたまめ」は「ジャックと豆の木」のモデルですか。
A1:「なたまめ」は、絵本の「ジャックと豆の木」のモデルだと言われています。蔓は長さが5〜6メートルにもなり、その空に向かってぐんぐん伸びていく姿が、雲の上に届く木のモデルになったのかもしれません。
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写真提供: 「ボタニックガーデン」 イラスト: 「ころぽっくる」 by lemさん
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