
にんじん(人参)


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プロフィール

セリ科ニンジン属の二年草で、学名は Daucus carota。
中央アジアのアフガニスタンが原産です。15世紀にオランダで品種改良がなされました。わが国では16世紀に導入されました。高さは1メートルほどになり、塊根が肥大します。葉は羽状複葉で、長い葉柄があります。2年目の夏に複散形花序をだし、小さな白い花を咲かせます。
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系統・品種と用途

「にんじん」は、いろいろな料理に欠かせない野菜です。現在、わが国で生産されている品種の多くは西洋系ニンジンで、「三寸群」や「五寸群」、「タンバース群」、「ロングオレンジ群」、「ナンテス群」、「ミニキャロット群」などがあります。東洋系ニンジンは、「金時」が関西や四国地方でわずかに栽培されている程度です。
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栽培のポイント

「にんじん」を栽培するにあたっての基本条件および栽培のポイントはつぎのとおりです。なお作型は、品種によって異なる場合がありますので、タネ袋に記載されている内容をよく確認してください。
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 気候区分
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 作業
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 1
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 11
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 温暖地 |
 種まき |
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 植えつけ |
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 収穫 |
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 気候区分
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 まきどき (春|秋)
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 収穫時期 (春|秋)
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| 寒 地 |
04/下〜06/下 |
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08/中〜11/上 |
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| 寒冷地 |
04/上〜08/上 |
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07/下〜12/中 |
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| 温暖地 |
03/中〜04/下 |
07/中〜08/中 |
07/上〜08/下 |
11/上〜02/下 |
| 暖 地 |
03/上〜04/上 |
08/上〜09/中 |
06/下〜07/下 |
11/下〜03/中 |

ご注意
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発芽温度は11〜30℃、生育温度は7〜28℃なので、これを外れるときは、加温または遮熱をしてください。
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℃
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15 20 25
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発芽適温
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15-25
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生育適温
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16-20
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栽培のポイント
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冷涼な気候を好みますが、温度適応性の幅はかなり広いものです。発芽までは乾燥させないことがポイントで、かならず季節にあった品種を選んでください。
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pH
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5.0 6.0 7.0
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土壌酸度
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6.0-7.0
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栽培のポイント
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中性に近い、弱酸性を好みます。強い酸性土壌ではかならず石灰を施し、よく耕してから栽培にとりかかってください。
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年
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 0 |
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 6 |
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 8 |
 9 |
 10 |

作付け間隔
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1-(2)
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栽培のポイント
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連作障害は出にくいですが、いちど栽培したところでは、少なくとも1年は栽培しないほうが無難です。
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栽培のステップ

「にんじん」を栽培するとき、種まきから収穫までの作業ステップは、およそつぎのようになります。ここでは、小さなホームガーデンを想定した一般的な方法を説明しています。

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ステップ
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内容
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畑の準備
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(1) 酸性土壌に弱いので、植えつけの2週間くらい前までに、1平方メートルあたり100〜150gの苦土石灰を施し、よく耕します。
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(2) 畝を20〜30センチ掘りおこし、1平方メートルあたり2〜3kgの完熟堆肥と80〜100gほどの有機配合肥料を入れて、よく耕します。幅90センチ、高さ10センチほどの畝を立てます。
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種まき・育苗
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(1) 条間20〜25センチで3条の蒔き溝をつけ、1センチ間隔でタネまきします。
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(2) 好光性ですので覆土はごく薄く、発芽までは、毎日水やりをして乾燥させないようにします。
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間引き 植えつけ
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(1) 本葉が1〜2枚のころ3〜4センチ間隔に間引き、3〜4枚のころ5〜6センチ間隔に間引きます。
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(2) 本葉が5〜6枚でたころ、10〜12センチ間隔に間引きます。
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(3) プランターで栽培する場合は、根が深く伸びない三寸ニンジンやミニキャロットを選んでください。
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追肥・土寄せ
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(1) 2回目の間引きの後、株元に土寄せします。雑草をこまめに抜き取ってください。
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(2) 3回目の間引きの後、必要に応じて、有機配合肥料を畝の両肩に施し、株元に土寄せします。
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収穫
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(1) 根の直径が、4〜5センチくらいになり、肩の部分が横に張り出してきたら収穫適期です。三寸ニンジンは長さ8〜9センチ、五寸ニンジンでは15〜20センチほどになります。
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(2) 土寄せが不十分だと、根の肩の部分が緑色になります。
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(3) 三寸ニンジンや五寸ニンジンでは、ふつう播種後3〜4か月が収穫期です。収穫が遅れると、裂根したり、硬くなって品質が著しく低下します。
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貯蔵
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(1) ふつうは収穫した後、葉を切って濡れた紙で包んでポリ袋に入れ、冷蔵庫で保存します。これで1か月くらいは保存できます。
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(2) 冬の貯蔵では、畝の土が凍って抜けなくなることがあります。それを防ぐために、いったん収穫して、それを改めて土に埋めることがお勧めです。このとき葉柄を10cmくらい被せておくのがコツです。
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おもな病害虫

「にんじん」にはほとんど病気は発生しませんが、キアゲハやネコブセンチュウなどの害虫がよくつきます。
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「にんじん」のQ&A

Q1:「にんじん」が奇形になりました。
A1:「にんじん」が奇根になる障害には、いくつかの理由があります。
(1) 耕しているようでうまく耕されていない畑で見られます。土が固まりになっていてそこで生長点に異常きたし奇根となります。
(2) 肥料による障害が考えられます。肥料がこれらの株の部分に多く集まり、濃度障害による奇根が発生します。
(3) 同上の理由と同じですが、意外と堆肥が理由の場合があります。堆肥を肥料と考えない人も多いです。
(4) 天候による障害。播種後の天候の理由で、根に障害起こるとこのようになります。
(5) 根こぶセンチュウによる障害。北海道ではこの例が一番多いと思います。センチュウによる食害で奇根になります。

Q2:「にんじん」(金時)が紅赤色に着色せず、黄色いものに。
A2:「金時にんじん」が本来の色に着色しないのは、おそらくは赤色をつけるリコピンの着色不良が原因だと思われます。「にんじん」の色は、「リコピン(赤色)」と「カロテン(黄色・オレンジ色)」によりますが、これらは生育適温の16〜20℃で最もよく生成されます。それが12℃以下の低温や25℃以上の高温に晒されると生成が阻害され、着色が不良となります。そのほか、リン酸の過剰や窒素・カリ分の不足によっても着色不良は起こります。

Q3:「にんじん」が太るまえに抽苔した。
A3:「にんじん」はグリーンプラントバーナリゼーション(緑植物春化)型で、一定の大きさになった苗が一定の低温にあうと花芽分化します。春まき栽培では、低温感応して抽苔(とうだち)しやすいので、マルチやトンネルをして生育適温を確保します。とくに、夏まき専用品種を春まきすると抽苔するので、晩抽性の品種を選ぶようにします。

Q4:「にんじん」が又根になりました。
A4:「にんじん」が又根になる原因としては、小石や土塊、雑草の根、化学肥料、未熟な堆肥などが主根に当たることがあります。また、生育初期の過湿によって根が傷んだときにも発生します。小石や雑草の根などをよくとって堆肥や肥料を施し、よく耕すこと大切です。

Q5:「にんじん」のタネが発芽しません。
A5:「にんじん」の発芽適温は15〜25℃(最低8℃、最高30℃)です。春まき栽培では、トンネルやマルチなどで地温を高めてからタネまきします。また「にんじん」のタネは好光性で小さいので、覆土はごく薄く、発芽までは、毎日水やりをして乾燥させないようにします。夏まき栽培は畑の乾燥が強いので、覆土した上に粉砕した完熟堆肥や切りワラなどを被覆して防乾するようにします。

Q6:「にんじん」が裂根しました。
A6:「にんじん」が裂根する原因としては、乾燥気味の土壌で栽培されていたものが、雨などで急に成長が早くなったりしたり、生育の初期に低温だったのが、急に高温になったりして、根の外部と内部の成長のバランスがくずれると、裂根することがあります。また過熟になっても、裂根が多くなります。

Q7:「にんじん」の色がよくないのは。
A7:「にんじん」の色は、おもに「カロテン(黄色・オレンジ色)」によりますが、これらは生育適温の16〜20℃で最もよく生成されます。それが12℃以下の低温や25℃以上の高温に晒されると生成が阻害され、着色が不良となります。そのほか、リン酸の過剰やチッ素・カリ分の不足によっても着色不良は起こります。

Q8:「にんじん」の根に股根や寸詰まり、腐りもあります。
A8:「にんじん」の根に奇形や腐り、表面のシミ、ザラザラな表面、ヒゲ根が多くなるなどの原因は、「根腐れ線虫」の害だと思われます。線虫を減少させるマリーゴールドやコブトリソウ、ソルゴーなどを栽培するか、線虫用の薬剤を利用するようにします。

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写真提供: 「ボタニックガーデン」 イラスト: 「ころぽっくる」 by lemさん
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