しろうり(越瓜)


Shiro-uri     プロフィール

  ウリ科キュウリ属の一年草で、学名は Cucumis melo var. conomon。
  インドから東南アジアが原産だと考えられています。わが国へは古い時代に、中国から朝鮮半島を経由して渡来しました。現在では、各地で夏野菜として栽培されています。和名は、産地の中国南西部に由来する「越瓜(えつうり)」から。また変種名は、香の物(こうのもの)からだといいます。
  系統・品種と用途

  「しろうり」は、大きくは「しろうり(白瓜)」、「かたうり(堅瓜)」、「しまうり(縞瓜)」の3品種群、それに交雑育成系群に分けられます。未熟な果実をかす漬けや奈良漬け、鉄砲漬けなどにして食用にします。
  栽培のポイント

  「しろうり」を栽培するにあたっての基本条件および栽培のポイントはつぎのとおりです。なお作型は、品種によって異なる場合がありますので、タネ袋に記載されている内容をよく確認してください。

気候区分

作業

1

2

3

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5

6

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11

12

温暖地

種まき

植えつけ

収穫

気候区分

まきどき (春|秋)

収穫時期 (春|秋)
寒 地 04/中〜05/下   07/中〜09/上  
寒冷地 04/上〜05/下   07/上〜09/上  
温暖地 03/下〜06/上   06/中〜09/中  
暖 地 03/上〜06/上   05/下〜10/上  

ご注意

  発芽温度は10〜40℃、生育温度は13〜35℃なので、これを外れるときは、加温または遮熱をしてください。

 


152025

発芽適温

28-35

生育適温

25-30

栽培のポイント

  高温性のため、できるだけ保温や加温して発芽・育苗します。植えつけは、暖かくなってから行うことがポイントです。

 

pH

5.06.07.0

土壌酸度

6.0-6,5

栽培のポイント

  酸性には弱いので、酸性土壌ではかならず石灰を施し、よく耕してから栽培にとりかかってください。

 


0

1

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3

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9

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作付け間隔

3-(5)


栽培のポイント

  連作すると蔓割れ病や線虫による障害が出やすいので、いちど栽培したところでは、少なくとも3年は栽培しないようにしてください。
  栽培のステップ

  「しろうり」を栽培するとき、種まきから収穫までの作業ステップは、およそつぎのようになります。ここでは、小さなホームガーデンを想定した一般的な方法を説明しています。

 

ステップ

内容

種まき・育苗

(1) 3号ポットに、間隔をあけて2〜3粒をまきます。覆土は1センチくらいです。寒さに弱いので、20℃程度になるように保温します。

Shiro-uri

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(2) 本葉が1枚のころ、間引いて1本立てにします。夜間の気温が15℃以下にならないように保温してください。

(3) 本葉が4〜5枚になるまで育苗します。

畑の準備

(1) 強い酸性土壌に弱いので、植えつけの2週間くらい前までに、1平方メートルあたり100gの苦土石灰を施し、よく耕します。

(2) 畝に20〜30センチほどの溝を掘るか、全面に1平方メートルあたり3kgの完熟堆肥と80gほどの有機配合肥料を施し、よく耕します。そのあと幅90センチ、高さ10センチとほどの畝を立てます。

植えつけ

(1) 本葉が4〜5枚くらいに育ったころに植えつけます。

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(2) 畝に、株間60〜75センチの間隔で植え穴を掘り、根を傷めないように注意して植えつけます。深植えにしないことが大切です。9〜10号深鉢に1株、65センチの深プランターには2株が植えることができます。

(3) 夜間の最低気温が15℃以下になる場合には、保温のために、ビニールのホットキャップやトンネル栽培にします。

整枝・追肥

(1) 親蔓は5〜6節で摘芯し、勢いのよい子蔓を4本伸ばします。子蔓は8〜10節で摘芯し、着果する孫蔓の発生を促します。孫蔓は3節で摘み取ります。

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(2) 蔓がさかんに伸び出してきたころ、畝の片側に有機配合肥料をまき、土寄せします。多肥にすると「つるぼけ」を起こし、収穫量が減ります。肥料を施したあとに敷きわらをします。

(3) 小蔓が畝から外に伸び出したころに、最初の追肥と反対側に追肥して土寄せします。

収穫

(1) 浅漬けなどにする場合は、1本あたり100〜200グラムになったころが収穫期です。また、粕漬けなどの加工用にするときは、800グラム〜1キログラムが収穫の目安です。

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(2) 果梗がかたいので、はさみで切り取ります。
  おもな病害虫

  「しろうり」には、アブラムシ類やハダニ類などの害虫、それにつる割れ病やべと病、うどんこ病などの病気が発生します。とくに、連作したりすると線虫などが発生します。
  「しろうり」のQ&A

  Q1:「しろうり」の株がしおれてしまいます。
  A1:「しろうり」は根が深くならないので乾燥に弱い作物です。盛夏には敷きワラをして、こまめに水やりをするようにします。またウリ科作物の根は酸素を好むので、過湿状態が続くと酸素欠乏を起こして、しおれたり、ひどいと枯れるので、水はけをよくするようにします。
またつる割病に罹ると、昼間に葉がしおれ、夕方には回復しますが、数日後にはしおれて枯れます。病株は抜きとって持ち出し処分します。

  Q2:「しろうり」の整枝は必要ですか。
  A2:「しろうり」は孫づるに着果する習性があるので、整枝は必ず行なうようにします。親蔓は5〜6節で摘芯し、勢いのよい子蔓を4本伸ばします。子蔓は8〜10節で摘芯し、着果する孫蔓の発生を促します。孫蔓は3節で摘み取ります。

  Q3:「しろうり」の品種で果肉のかたさは。
  A3:「しろうり」の品種はいろいろありますが、代表的なものの果肉のかたさはつぎのとおりです。
○かたい: 「かりもり瓜」
○中 間: 「しろ瓜」、「あお瓜」、「赤毛瓜(モーウイ)」
○柔らか: 「はぐら瓜」、「くろ瓜」

  Q4:「しろうり」の葉が白っぽくなってきました。
  A4:「しろうり」の葉が白っぽくなって、かさかさした状態になるのは、ハダニ類の虫害と思われます。ハダニ類は、乾燥した時期に葉の裏に寄生して吸汁します。発生したらすぐに殺ダニ剤を散布して駆除します。また、ハダニ類は水分を嫌うので、ときどき株全体を洗うように水をかけるのも効果があります。
  写真提供: 「ボタニックガーデン」  イラスト: 「ころぽっくる」 by lemさん
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