うこん(鬱金)






    プロフィール

  ショウガ科ウコン属の多年草で、学名は Curcuma domestica。

  東南アジアからインドにかけての熱帯・亜熱帯地域に分布しています。掌状の根茎から「ばしょう(芭蕉)」に似た葉を伸ばし、高さは1.2メートルほどになります。夏に円柱状の花序を出し、黄色い花を咲かせます。白色や淡いピンク色に色づいているのは苞葉です。わが国でも古くから栽培され、橙色の染料やカレーの香辛料、それに健胃薬として利用されてきました。
写真左上は、「うこん」、
写真左下は、「春うこん」。
  系統・品種と用途

  本種は別名で「あきうこん(秋鬱金)」とも呼ばれます。他に栽培されるウコンの仲間には、春に花が咲く春ウコンや、根茎が紫色の紫ウコンなどがあります。
・春ウコンは、「きょうおう (姜黄)」のことです。春に円筒形の花序をだし、黄色い花を咲かせます。苞葉は淡いピンク色です。根茎には強い苦味と辛味があり、健胃薬や食用香料に使われます。
・紫ウコンは、「がじゅつ (我朮)」のことです。夏、広楕円形の穂状花序をだし、黄色い花を咲かせます。苞葉は赤色や緑色です。根茎は食用になり、白い内部とマンゴーを思わせる香り、それに非常に苦い後味があります。
  栽培のポイント

  「うこん」を栽培するにあたっての基本条件および栽培のポイントはつぎのとおりです。なお作型は、品種によって異なる場合がありますので、記載されている内容をよく確認してください。

気候区分

作業

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

温暖地

芽だし

植えつけ

収穫


気候区分

植えどき

収穫時期
寒 地 栽培不向き      
寒冷地 05/下〜06/中   10/中〜11/中  
温暖地 05/中〜06/上   10/下〜11/下  
暖 地 05/上〜05/下   11/上〜12/上  

ご注意

  萌芽温度は15〜30℃、生育温度は15〜35℃なので、これを外れるときは、加温または遮熱をしてください。

 


152025

萌芽適温

25-30

生育適温

20-30

栽培のポイント

  「しょうが」と同じく、「うこん」の萌芽にも約170℃の積算温度(15℃基点・※注1)が必要です。また成長には最高気温20℃以上の日が100日以上必要といわれますが、実際には、岩手県の陸前高田市や奥州市江刺あたりが露地栽培の北限のようです。(陸前高田市で122日、奥州市江刺で152日、蔵王町で172日、高知市は219日)
※注1:「一定期間において一定の基準値を超えた平均気温を合計したもの、具体的には1日の平均温度から15℃を引いた値を合計したもの」

 

pH

5.06.07.0

土壌酸度

5.5-6.5

栽培のポイント

  やや弱酸性のの土壌を好みます。強い酸性土壌ではかならず石灰を施し、よく耕してから栽培にとりかかってください。

 


0

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

作付け間隔

2-(3)


栽培のポイント

  連作障害がでますので、いちど栽培したところでは、少なくとも2年は栽培しないようにしてください。
  栽培のステップ

  「うこん」を栽培するとき、種まきから収穫までの作業ステップは、およそつぎのようになります。ここでは、小さなホームガーデンを想定した一般的な方法を説明しています。

 

ステップ

内容

芽だし

(1) 育苗箱や発泡スチロール箱、4号ポットなどに栽培用土を入れ、塊茎を伏せ込みます。覆土はごく薄く、地温が15℃以上になるように保温します。




(2) 萌芽して、草丈が10センチになるまで育苗します。

畑の準備

(1) 強い酸性土壌の場合は、植えつけの2週間くらい前までに、苦土石灰を施してよく耕しておきます。




(2) 元肥として1平方メートルあたり完熟堆肥2kgと、有機配合肥料100gをよくすき混み、幅90センチ、高さ20センチほどの畝を立てます。土壌の温度を上げるために、黒マルチを張っておきます。

植えつけ

(1) 遅霜が終わり、地温が15℃以上になったころ、20〜30センチの株間で植えつけます。




(2) 10号鉢には、2〜3個、65センチの深型プランターでは3〜4株が植えることができます。

管理・追肥

(1) 土壌が乾きすぎないように、必要応じて潅水します。除草は早めに、梅雨明けには株元に敷き藁を行います。












(2) 「うこん」は真夏の強光が苦手なため、寒冷紗などで、適当な日除けをつくります。

(3) 高さが15センチになったころ、株元に有機配合肥料の追肥を施します。その後、1か月に1回、生育状況に応じて追肥を重ねます。

収穫

(1) 夏の終わりから秋にかけて、円柱状の花序を出し、黄色い花を咲かせます。








(2) 霜が降りる前、葉が黄色く枯れてきたら、株ごと掘り上げて根茎を収穫します。

(3) 土をとってからよく乾かし、発泡スチロール箱などに入れて貯蔵します。貯蔵には、10℃以下にしないことが必要です。

(4) 温暖地や暖地では、露地で植えたままでも越冬します。株の上に藁などを厚めに敷くと、寒さで傷むことが少なくなります。



  おもな病害虫

  「うこん」には目立った病害虫の発生は、特にありません。ただ、乾燥するとハダニが発生することがあります。
  写真提供: 「ボタニックガーデン」  イラスト: 「ころぽっくる」 by lemさん
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