
わた (棉)


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プロフィール

アオイ科ワタ属の一年草または多年草で、学名は Gossypium arboreum var. obtusifolium。
インドや中央・南アメリカが原産で、いくつかの種が各地で独立して栽培化されました。インドでは、紀元前1900年ごろにはすでに布を織っていたといいます。わが国へは平安時代のはじめに渡来しました。熱帯では多年草ですが温帯では一年草となります。8月から10月ごろ、葉腋に柄のある淡い黄色の花を咲かせます。5枚の花弁は螺旋状に重なり、基部は暗赤色です。綿毛や綿実油、綿実粕として広く利用されています。
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系統・品種と用途

広い意味での「わた」には、いくつかの品種があります。

(1) アプランド棉(陸地棉・Gossypium hirsutum): 世界の生産の9割を占める主力品種です。丈夫で用途が広く、一般綿製品に使用されます。
(2) シーアイランド棉(海島棉・Gossypium barbadense): 繊維が非常に長く、エジプト綿やスーピマ綿などに代表される高級綿です。
(3) アジア棉(木立棉・Gossypium arboreum): わが国で栽培されてきた和綿の系統です。
(4) ナンキン棉(南京棉・Gossypium nanking): アジア綿の一種で、薄茶色の綿毛が特徴です。
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栽培のポイント

「わた」を栽培するにあたっての基本条件および栽培のポイントはつぎのとおりです。なお作型は、品種によって異なる場合がありますので、タネ袋に記載されている内容をよく確認してください。
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 気候区分
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 作業
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 1
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 3
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 8
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 9
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 10
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 11
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 12
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 温暖地 |
 種まき |
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 植えつけ |
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 収穫 |
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 気候区分
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 まきどき (春|秋)
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 収穫時期 (春|秋)
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| 寒 地 |
栽培不可 |
(※注1) |
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| 寒冷地 |
04/上〜05/上 |
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10/下〜11/下 |
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| 温暖地 |
04/中〜05/中 |
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10/中〜11/中 |
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| 暖 地 |
04/下〜05/下 |
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10/上〜11/上 |
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ご注意
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発芽温度は20〜30℃、生育温度は15〜35℃なので、これを外れるときは、加温または遮熱をしてください。
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※注1 北海道でも、小樽市やニセコ町で露地栽培の記録はあります。ただ一般的ではありません。

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℃
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15 20 25
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発芽適温
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25-30
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生育適温
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25-30
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栽培のポイント
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高温性のため、できるだけ保温や加温して発芽・育苗します。植えつけは、暖かくなってから行うことがポイントです。
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pH
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5.0 6.0 7.0
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土壌酸度
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5.8-6.5
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栽培のポイント
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中性に近い弱酸性の土壌を好みます。酸性土壌ではかならず石灰を施し、よく耕してから栽培にとりかかってください。
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年
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 0 |
 1 |
 2 |
 3 |
 4 |
 5 |
 6 |
 7 |
 8 |
 9 |
 10 |

作付け間隔
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3-(4)
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栽培のポイント
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連作障害が出やすいので、いちど栽培したところでは、少なくとも3年は栽培しないようにしてください。
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栽培のステップ

「わた」を栽培するとき、種まきから収穫までの作業ステップは、およそつぎのようになります。ここでは、小さなホームガーデンを想定した一般的な方法を説明しています。

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ステップ
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内容
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種まき・育苗
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(1) 3号ポットにタネまき用土を入れ、タネを2〜3粒を間隔をあけてまきます。覆土は1センチくらいです。寒さに弱いので、20℃程度になるように保温します。
※タネまきの前に、綿毛をよく浸っておくことが必要です。
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(2) 本葉が出たころ、間引いて1本立てにします。夜間の気温が15℃以下にならないように保温してください。
※本葉が出る前に、1か月以上かかります。この間に、地中では根からストリゴラクトンという物質を分泌し、土壌中のAM菌(アーバスキュラー菌根菌)という共生菌を育てています。
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(3) 本葉が2〜3枚になるまで育苗します。
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畑の準備
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(1) 酸性土壌に弱いので、植えつけの2週間くらい前までに、1平方メートルあたり150gの苦土石灰を施し、よく耕します。
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(2) 畝の全面に、1平方メートルあたり2〜3kgの完熟堆肥と100gの有機配合肥料を施し、よく耕します。幅90センチ、高さ10センチほどの畝を立てます。
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(3) 十分に潅水し、できれば黒色ポリフィルムでマルチングしておきます。
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植えつけ
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(1) 本葉が2〜3枚くらいに育ったころに植えつけます。このとき根鉢は崩さないようにして移植してください。
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(2) 2条植えの場合、条間45センチ、株間30〜60センチに、マルチをかみそりで十文字に切れ目を入れ、植え穴をあけて、苗を植えつけます。8〜10号鉢に1株、65センチの深型プランターなら2〜3株が植えられます。
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(3) 植えつけの後にたっぷりと水を与えます。
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追肥・摘芯
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(1) 植えつけ後3週間ごろから、1か月に1回の割合で、必要に応じて有機配合肥料を追肥として与えます。
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(2) 葉が混み合って、風通しが悪くなってきたら摘芯します。多く収穫を目指すなら、草丈が20センチほどになったころに、主枝を摘芯します。
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(3) 7月から10月になると、花が咲きます。夏にはあまり乾燥させないように水やりをします。
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収穫
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(1) 開花から40〜60日後に、果実(コットンボール)がつきます。
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(2) 果実が弾けて綿毛が吹き出したら収穫適期です。
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(3) 収穫した後は天日で十分に乾燥してください。
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おもな病害虫

「わた」の病害虫としては、おもにワタアブラムシやワタヘリクロノメイガ、ブラックカットワームなどが挙げらます。また風通しが悪くなると灰色かび病がでたりします。
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写真提供: 「ボタニックガーデン」 イラスト: 「ころぽっくる」 by lemさん
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