やぐらねぎ(櫓葱)






    プロフィール

  ユリ科ネギ属の多年草で、学名は Allium fistulosum var. viviparum。
  中国西部からシベリアにかけて分布している「ねぎ」の変種です。ただ自然に分化したものではなく、人為的に選抜されたのではないかといわれています。また中国では古くからその記載がありますが、わが国では18世紀半ばの文献から見ることができます。5月ごろに花茎の頂点に形成される「珠芽」が櫓(やぐら)に似ていることからこの和名がつけられました。夏ごろには、葉が枯れてこの「珠芽」が地面に落ちて根付き、その子ねぎが大きくなるとまたネギとして食べられます。
  系統・品種と用途

  「やぐらねぎ」は冬季に休眠する寒地型のネギで、東北地方南部に多く、また関東地方や北陸地方、山陰地方でもわずかに栽培されています。また品種の分化もほとんどありません。葉は緑色が濃くて柔らかで、白い葉鞘部分は辛さを持つおいしいネギになります。薬味や炒め物などに利用されます。

  栽培のポイント

  「やぐらねぎ」を栽培するにあたっての基本条件および栽培のポイントはつぎのとおりです。また「やぐらねぎ」は種子ではなく、根株から育てます。この根株は春と秋に市販されています。

気候区分

作業

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温暖地

植えつけ

収穫


気候区分

まきどき (春|秋)

収穫時期 (春|秋)
寒 地 04/上〜06/下   08/上〜11/上  
寒冷地 03/下〜06/下 09/上〜10/中 07/下〜11/中 04/上〜05/上
温暖地 03/中〜06/下 09/中〜10/下 07/中〜11/下 03/下〜04/下
暖 地 03/上〜06/下 09/下〜11/上 07/上〜12/上 03/中〜04/中

ご注意

  萌芽温度は10〜30℃、生育温度は5〜30℃なので、これを外れるときは、加温または遮熱をしてください。

 


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萌芽適温

15-20

生育適温

15-20

栽培のポイント

  冷涼で乾燥した気候を好むため、風通しのよい場所で栽培します。

 

pH

5.06.07.0

土壌酸度

5.7-7.4

栽培のポイント

  ほとんど中性の土壌を好みます。酸性土壌ではかならず石灰を施し、よく耕してから栽培にとりかかってください。

 


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作付け間隔

1-(2)


栽培のポイント

  あまり連作障害はでませんが、いちど栽培したところでは、少なくとも1年は栽培しないようにしてください。
  栽培のステップ

  「やぐらねぎ」を栽培するとき、種まきから収穫までの作業ステップは、およそつぎのようになります。ここでは、小さなホームガーデンを想定した一般的な方法を説明しています。

 
  栽培の1年目(秋〜栽培)

ステップ

内容

育苗

(1) プランターに育苗用培土と苦土石灰、有機配合肥料を入れて、よくかき回しておきます。










(2) 購入した根株を10センチくらいの間隔に植えます。

(3) 翌春の植付け時期まで育苗します。
  栽培の2年目

ステップ

内容

畑の準備

(1) 1平方メートルあたり120〜150gの苦土石灰で中和したあと、よく耕しておきます。




(2) 畝の全面に3kgの完熟堆肥と100gほどの有機配合肥料をまき、幅90センチ、高さ10センチほどの畝を立てておきます。

植えつけ

(1) 苗を株間20〜25センチに植えつけます。




追肥・管理

(1) 追肥はほとんど必要ありません。












(2) 5月ごろになると、葉の先端に珠芽(やぐら状の根株)がでてきます。そして6月ごろになると、この珠芽が充実してきます。

(3) 珠芽を出した茎は硬いので食用にはなりません。

育苗

(1) 育苗箱に育苗用培土をいれ、この根株を仮植えします。






(2) 1か月ほどで、根株は草丈が30センチほどになります。

畑の準備

(1) 1平方メートルあたり120〜150gの苦土石灰で中和したあと、よく耕しておきます。




(2) 畝の全面に3kgの完熟堆肥と100gほどの有機配合肥料をまき、幅90センチ、高さ10センチほどの畝を立てておきます。

植えつけ

(1) 畝に深さ25センチほどの植え溝をきって、条間45センチ、株間10センチに植えつけます。




(2) 根元が少し隠れる程度に1〜2センチ土をかけます。

(3) 溝の中へ稲わらや乾し草などを入れて、乾燥を防ぐようにします。

追肥・土寄せ

(1) 1か月に1回くらい、油かすや有機配合肥料を土と混ぜながら溝に追肥として与えます。軟白部を隠すように溝に土寄せします。






(2) 最終の土寄せは、緑葉部の元が少し埋まるくらい十分に土を寄せるようにします。

(3) この時期は小ネギとして、いつでも収穫できます。

収穫

(1) 11月ごろになると、太ネギとして収穫できます。軟白部を傷めないように注意して鍬で土を堀あげ、手を抜き取ります。






(2) 冬になると生育は止まり休眠します。寒冷紗や敷きワラで株を覆うように保護します。
  栽培の3年目

ステップ

内容

追肥

(1) 春先なると、芽がでてきます。その前に、油かすや有機配合肥料を追肥として与えておきます。






収穫

(1) 草丈が30センチくらいになったら、刈り取って収穫します。










(2) 5月になるとまた珠芽が出てきますので、その前に収穫するか、必要な量だけ親株として残しておきます。
  おもな病害虫

  「やぐらねぎ」には、ネギハモグリバエやネギアザミウマがよくつきます。またアブラムシがつくことがありますが、ウイルスを媒介するので早期に駆除します。
  写真提供: 「ボタニックガーデン」  イラスト: 「ころぽっくる」 by lemさん
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